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おサルの引っ越し大作戦 ~その1~
Posted by zoosaru on 2014年12月8日(月) 14:50
みなさんこんにちは。
お久しぶりのアップです。
前回アップしましたが、おサルたちは熱帯動物館の方へ引っ越しをして1ヵ月が経ちました。
サル山の改修工事が終了する来年の夏~秋頃まで仮住居での生活となります。
お客様からも「近くて見やすい」「おサルさんってこんなに大きかったんだ」「土の上を歩いて気持ちよさそう」
といったお声をいただいております。
さて、最近お客様からよく質問されるのは・・・
「75頭のおサルさんたちをどうやって引っ越ししたんですか?」
みなさんすごい気になりますよね。
なので、今回から引っ越しの様子をアップしていこうと思います!
10月29日。
引っ越しの日は約1ヵ月前に決まりました。
ニホンザル全頭捕獲。これは過去には何度も行われていました。
ですが、全頭捕獲して「他の獣舎に引っ越しをする」というのは開園以来初の大仕事です。
ニホンザルの捕獲と言っても、これがまた大変な作業でして。
オスの成獣だと私(身長175㎝、体重70㎏)が馬乗りになっても簡単に立ち上がるぐらいの力があります。
さらに気をつけないとサルがケガをしたり、人間が咬まれたりする事故が起きてしまうので、慎重かつ迅速な作業をしなければいけないんですね。
それを今回、全75頭を捕獲するわけですよ。
さらにですね、
群れを長い間分断してしまうと、サルたちの力関係が崩れるなどの悪影響が出てしまうので、作業は1日で終わらせなければいけません。
日が明ける7時から日が暮れる16時がタイムリミット。
この9時間の間に全作業を終えなければなりません。
獣医、担当者、前担当者、前々担当者で連日連夜の作戦会議。
いろいろなことを想定し、何十回もシュミレーションして頭に叩き込んでいきます。
さらにその作戦を全動物園職員に説明していきます。
連日会議。カイギ。かいぎ。
今回の作戦は・・・
プランA、室内の部屋にサルたちの大好物を用意して、たくさん入ったところで扉を閉める作戦!
プランB、全飼育員がサル山に入り、巨大なブルーシートでサルを室内の部屋に追い込む作戦!
これが今回の大まかな作戦。
まずはプランA。
室内の部屋に大好物のバナナ、ブドウ、パン、落花生などを用意します。
次にこのいかにも怪しげな箱(?)に獣医が身を潜めます。
このときちょっとでも物音を立てるとサルたちは逃げて行くので細心の注意が必要となります!
準備万端でこんな感じ。
毎日同じ時間に扉を開けて、
サルたちに「この時間に扉が開いたらおいしいものが食べれるんだ」ということを教え込ませます。
これを毎朝7時30分に約1ヵ月継続・・・。
その結果、約半分の35頭ぐらい入るように。
よしよし・・・地道な作戦は順調に遂行しているぞ。
いよいよ当日。
飼育員は午前6時出勤で、まずは自分の担当動物の作業を終わらせて待機。
そして刻一刻と運命の7時30分が近づいてきます。
私は普段と同じ行動をしてエサを用意。
その間、扉を閉める大役を任されたメガネ獣医1号はそわそわと落ち着きません。
二人とも緊張感MAXで・・・
ついに7時30分を迎えました。
プランAの開始です!
来た来た。30頭ほどが入りました。
「よし!いまだ!」
扉を閉じます!
・・・ん?
閉まりません。
なにかに引っかかりました。
なんと1~2頭のサルが扉を塞ぐように座り込んでいたようで。
なんてこったい!
さらに「ガチャン」と大きな音も出てしまいました。
もう最悪です。
「泣きっ面に蜂」とはまさにこの状態。
昔の人はうまいこと言いますね。
気づいた他のサルたちは、扉を塞いでくれたサルに感謝しつつ慌てて外へ。
結局1回目で捕獲したのはたったの11頭。
私の1ヵ月の苦労がぁぁぁ!
唯一の救いはアルファオス(ボス)の「中松」が入っていたこと。
まぁ、マイペースというか・・・警戒心がないというのか・・・笑
気を取り直して2回目。
しかし、さすがサル。2度とこの作戦には乗ってきません。
ま、当たり前ですわな。
この時点で9時すぎ。すかさずプランBに作戦変更します。
なにせ時間がないもので。決断力が大事ですからね。
待機していた全飼育員がサル山に集結!
状況報告して準備に取り掛かりますが・・・
かなり長くなってしまったので、続きは次回に!
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