札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

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休みの日には・・・

今日は休みの日でしたが、いるのはやっぱり動物園。
午前中は昨日も書きましたが、明後日のお馬でお出迎え「ぱっぱかウォーク」の練習!
カエデちゃん、葛西さん、三浦さんと一緒に円山公園までお出かけです。

      

とはいっても、私はついて行くだけ。
カエデには「なにこの人、あんまり見たこと無いけど?」という目で見られ、気にされてます。
引き綱持っている葛西さんの邪魔にならないよう、カエデとの距離や立ち位置に気を使いふらふらしてました。

歩きながらふと、約20年前動物園に入って最初に担当したシマウマ達、シロとクロとモモちゃんのことを思い出しました。
素人にシマウマはいいのかな?と思いながら、近くに寄りたくて、触りたくて、1日のうち半分は一緒に展示場にいました。今思えばシマウマに迷惑な話で、優しく叱ってあげたい気持ちですが、当時のノートを見ると結構鋭い観察日記つけてます、やるな俺!

昼に明後日のポスターを印刷したあと、
午後からは8月にドキドキ体験のプログラム評価をやってくれた北大大学院の菊田さんと、北大教授の佐々木先生を迎えて、事業の自己評価に関するお話、ワークショップに参加しました。

      

ただ数字を出すのではなく、施設としての使命、目的をしっかりと持った上で、現状を把握し、問題点を洗い出す。そして前に進んでいく、そのためのオーディエンスリサーチというのが再確認できました。
これからも長く付き合っていただきたい方々がたくさん参加していた午後の部でした。

その後、ポスターを円山公園事務所へ届け、あさっての打ち合わせ。
帰りにちょっと疲れている気がしたので、1.5ℓ入りの箱ワインを、赤白と二つ買い家へと帰りました。

うーん 有意義な1日でした。 でもやっぱり疲れました。 今日は早めに寝ようと思います。
たっぷりとワインを飲んだ後で・・・

明後日晴れますよーに!

お馬でお出迎え『ぱっぱかウォーク』

今度の日曜日、動物園へのお客様をシェットランドポニーの「カエデ」と一緒に円山公園まで迎えに行こう!
という お馬でお出迎え『ぱっぱかウォーク』をやってみます。

この企画は、札幌市公園緑化協会 円山公園と円山動物園の協力企画なのですが、今回は来年からの本格的な実施に向けての「お試し」という感じです。

不思議に思われるかもしれませんが、円山公園と円山動物園の協力企画はこれが初めてで、今年の2月の北海道環境教育ミーティングの席で、円山公園の小田桐さんと「一緒になんかしないとダメだよねー」と話していたのが実現したものです。

      

と書くと、すべて私がやったように見えますが、ホントに苦労しているのは私以外の人。
円山公園の少ない職員の中、色々と調整してくれている小田桐さんは勿論の事、動物園でも大変なのは私ではなく馬の馴致をやっている子供動物園スタッフ。
シェットランドポニーのカエデちゃんは園内を歩くことはあっても、車や犬がいる園外に出るのは初めてでした。
初めて歩く木道や、吠える犬、横断歩道も渡ります。ちょっとづつ、ちょっとづつ馴らしていき、2週間の訓練を経た今ではカエデちゃんも大分楽しむようになって来ました。

      
円山動物園の基本計画には、円山エリアという考えが盛り込まれています。
地域自然の保護でも、伝えていくということも、そして円山に来てくれる方へのおもてなしも一緒にやっていかなければいけませんよね。

詳しいことはこの下に書いておきます。
皆さんも紅葉深まる円山をお馬と一緒に歩いてみませんか?
なんてったってお馬の名前が『楓』ちゃんですから!


日時     10月19日(日) 11:00出発  11:30動物園正門前到着予定
        ※悪天候により延期となる場合があります。

出発場所  円山公園管理事務所前
        ※詳しい場所は円山公園のホームページでご確認ください。
         http://www.sapporo-park.or.jp/maruyama/

道中は、動物園職員による動物のお話し、公園職員による円山のお話しがあります。楽しい散策になると思います。

サル山にも顔出し看板設置!

      
今日、ついにサル山にも顔出し看板設置しました!
うちの絵描き飼育員にお願いしていたのが出来上がったのです。

このシリーズは観光地にある、ただ記念にというものではなく、動物の生態を伝える顔出し看板シリーズです。
「楽しく、やさしく、スムーズに動物との距離を縮められたら!」という思いから始めたのですが、
サル山はちょっと切り口を変えてみました。

「見ざる、言わざる、聞かざる」
(子供の頃は悪いことを見ない、言わない、聞かないで素直に育ちなさいという意味らしい)
日光東照宮にあるらしいことは知っていましたが、この三猿以外にもいろんなサルの彫刻があったり、日本だけでなく世界各地でこの三猿をモチーフにした似たような教えがあるのは、今回調べてみて初めて知りました。
ただの洒落じゃないんですね・・・

まあ、そんなこともまず皆さんが使ってくれてからの話しです。
設置した後は、柱の陰に隠れながらお客さんの観察開始です。
「あの棒は色塗らなきゃダメだなー」「ダメだ、字は読んでくれて無いや・・・」「角度はもうちょっとこう・・・」
観察するのは動物だけではありません・・・

クマチーム視察に出かける! その2

サホロ&帯広ツアー2日目です。

朝7時  もちろん朝からハイテンションと言いたい所ですが、
昨夜は交流会とその後の反省会(まあこれも飲み会ですが)で寝たのが3時
全員目が血走っています。

飲むといつもチョイ荒れの神谷さん、さすが大人!帯広の人たち相手には荒れませんでしたが、
          
          着ている服が裏返しです

ベアマウンテンには8時半に約束、1時間ぐらいで着くかと思ったら着いたのは9時で
2日続けての遅刻となりました。
円山 評判落としています。

まあそれはちょっとおいといて、ベアマウンテン到着です。

      
中に入ると居るクマのメンバー表があったり、循環バスを待つ間見られるヒグマの生態紹介のビデオがあったり、伝えるという姿勢も表れています。

ベアマウンテンは、7.5haの敷地にヒグマが放し飼いになっており、この日は14頭のクマが放飼場に出てました。
久しぶりにお会いした伊藤園長に「またお前は遅刻か!」と怒鳴られながら、敷地内を歩き回るクマが見られるベアウォッチングバスに乗り込みベアポイントへ向かいます。

      
その間にも見ては質問、思いついては質問、質問しなくても伊藤園長しゃべるしゃべる!
良い感じにテンションが上がってきました!来る前に頭の中でイメージしていた新ヒグマ舎が崩れては修復され、必要なことが一つ一つ浮かびだし、もやもやもやーっと全体像が見え隠れし始めました。
やっぱり見て話さなきゃダメですね、お金を使う甲斐があります。

さてここからは特別編!
ベアマウンテンに行った事ある方は、敷地内をジープが数台居たのを見ましたでしょうか?
あのジープはバスが敷地内から出入りする時に、クマが2重ゲートに入り込まないようにするのと、1時間に1回放飼場に居るヒグマ全頭の位置を目視で確認するためにいる管理用のジープです。

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乗せてもらいました! 乗せてくれたのは課長の坂手さん、同じ加森グループの姫路セントラルパークから来ている凄腕です。この車でクマの闘争の仲裁までしなければいけないのですから、並みのテクニックではいけません。この腕はサファリパークでトラやライオンの管理をしていた人ならではで、動物園の人では無理です。
坂手さん曰く 「ジープはセンスだ!」 


      

最後にこの写真。 円山でこの風景、この要素を皆さんに見てもらえたら、感じてもらえたらと思いつつ、サホロを後にしました。

帯広の皆さん、ベアマウンテンの皆さんお世話になりました。
また近いうちにお邪魔します。
今度は遅刻しません・・・

クマチーム視察に出かける!その1

いま円山動物園では新ヒグマ舎建設のためのプロジェクトチームが組まれています。そのメンバーが自分達の休みを使って9月15日、16日と他園館の視察に行ってきましたので皆さんにご報告します。


北海道を代表する哺乳類ヒグマ、そして札幌市民には実は身近な動物ヒグマ。

新ヒグマ舎は来年度着工で、動物園の北方ゾーン、つまり上の方に建設予定です。
(エゾシカ・オオカミの舎の上辺りになるでしょうか?)
新獣舎では、動物の生活環境を良くすると言う事を大前提に置きながら、ヒグマという動物、地元の自然、そして人間の生活との関係を、ゆっくりと見て、感じてもらえるようにしたいなと思っています。

そこで今の私たちに必要なのは、イメージを膨らませ、かためるための要素、情報、体験です。
チーム内での話し合いはあっさり決まり、行き先はサホロのベアマウンテンに決定!
ベアマウンテンは登別くま牧場と同じ加森観光が経営している、ほぼ手付かずの7.5haの土地にヒグマを放し飼いしている施設です。

でも、サホロだけじゃもったいない!久しく行っていないし帯広動物園も見なきゃ!
と言う事でクマチームのサホロ&帯広ツアーが決定しました。  楽しみ! 楽しみ!

        

メンバーは年頭、海獣舎担当の土佐さん、あんたが主役だヒグマ担当の足利くん、お酒飲むといつもチョイ荒れ獣医神谷さん、クマチームではないけれどクマ好き臨時職員葛西さん、そして何でもやるけど全部中途半端、靴下ぐらいはちゃんと洗濯機に入れなさいの朝倉です。

私はどうしても午前中しっかり餌を食べさせたいサルがいたので、みんなにお願いして昼からの出発です。土佐さんの予想では、まあ4時過ぎには着くだろうとのことだったので帯広にも連絡済み、準備万端です。


着きません・・・ 4時はまだ日勝峠です・・・ とりあえず帯広動物園に電話して遅れますと謝り、到着したのは5時ちょっと過ぎ、暗くなり始めてます。 「朝倉くーん、何しに来たの?お酒のみに来たの?」といじられながらの帯広ツアー開始でした。

帯広動物園は、うちで生まれたホッキョクグマのピリカがいたり、子供動物園、フラミンゴ舎、サル舎が新築されたり見所は沢山あるのですが、ちょっと目線を変えて気になった所を報告します。
(決して暗かったせいではありません)


まずは「ファミリー農園」 ここで子供達やボランティアさんに野菜を育ててもらい動物達に与えるそうです。アジアゾウのナナちゃんもとうもろこしを沢山もらっていました。うちにもビーバー用の「ビーバー畑」がありますがここまで大きくはありません。この位あるとナイトキャンプでもやっている「動物園的食育」も幅が広がりそうです。


次に、なんじゃこりゃ~と思われるかもしれませんが「フラミンゴ舎の網」です。防鹿用の網を使っているそうで、丈夫で動物が見やすかったです。他の園館でも使っているのを見た事がありますが、雪が降っても支柱さえちゃんとしていれば大丈夫というのを聞き、こりゃーいいなと思いました。 まあ、クマには使えませんが・・・


6時半 真っ暗です・・・ 約1時間半の帯広動物園ツアー、もちろん施設は全部見れていません。でもしょうがないんです、次の予定が入ってますから。



      
交流会! 大事です、本音で話します、情報交換もここです。 帯広動物園の皆さんお忙しい中沢山集まっていただきありがとうございました。みなさん、帯広動物園の飼育員は本当に忙しいんですよ、人数も少ないし。それにこれは前から思っていたのですが、帯広動物園の飼育員のほとんどが入って5年位で市の他の職場に移動になります、動物の飼育、研究、皆さんに伝えるということをやっている同じ飼育員としてこれはちょっと辛いなと思います。皆さんはどう思われますか?

こんな話をしているうちに帯広の夜は更けていきました。
続きは次回と言う事で。
あれっ まだヒグマは出てきていません・・・

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