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2014年11月17日 の投稿一覧

『インターネット的』糸井重里(PHP文庫)

『インターネット的』糸井重里(PHP文庫)

PB167095

糸井重里さんの『インターネット的』は、2001年7月にPHP新書として刊行された名著です。名著であるにも関わらず長らく絶版になっていましたが、このたび(2014年11月刊)、文庫で再登場しました。文庫化にあたって、「文庫版のまえがき。」と「続・インターネット的」が付け加えられています。

著者は、この本で、インターネットの登場によって、インターネット的な社会が作られていくであろう、インターネット的な人間関係が構築されていくであろう、生産者と消費者の関係はインターネット的な関係に変わっていくであろう、といったことを、インターネット「的」と表現したのですが、2001年時点では、これはいまいち受け入れられなかったようです。

でも、私にとっては、この本は、サラリーマンを辞める決断を後押ししてくれた、大事な本です(私は2002年3月末で新卒以来お世話になっていた会社を辞めました)。その本が十余年の月日を経て陽の目を浴びているのは、とても嬉しいことです。

文庫版のあとがきに当たる「続・インターネット的」と題した章の中で、著者は、新書版刊行当時に『インターネット的』が読まれなかった理由を《この本には「インターネットは儲かるぞ」って書かれていない》ことだとしています。

たしかに、インターネットが生み出す新しいビジネスチャンス!のようなことは、この本には、出てきません。それでも、私は、当時、この本から、多くのことを学びました。

今回、文庫版が出た(新千歳空港の紀伊國屋書店の店頭でたまたま発見して購入した)ことに伴って読みなおしてみて、ああそうか、これはこの本に書いてあったことなのか!と気付かされたことが、たくさんありました。「わからないことは言わない」「とにかく褒める」「自分の市場を持つ」etc.…それ自体はノウハウではないものの、何かを行なううえでの基礎になることは、たくさん書いてあるのです。

もうすぐKindle版も出るようです。

 

【目次】
文庫版のまえがき
プロローグ なぜいま、インターネット的なのか
第1章 インターネット的
第2章 インターネット的でどうなる?
第3章 工業化社会からインターネット的社会へ
第4章 インターネット的思考法
第5章 インターネット的表現法
第6章 インターネットの幻想
第7章 消費のクリエイティブを!
エピローグ 「インターネット的」時代のゆくえ
続・インターネット的

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