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2014年10月10日 の投稿一覧

金融全般⑦:「投資から逃れられないなら、楽しもう」

こんにちは。

浜本です。

金融全般の第7回は、「投資から逃れられないなら、楽しもう」と題して、書いてまいります。

私は、投資は日本の人たち全員に取り組んでほしいと思っております。

その理由は後ほど書かせていただくことにしますが、そういう風に人様に勧めさせていただきますと、必ず、

「いえいえ、私に投資なんて関係ないですから、一切やりません」

と、お話を聞いてくれずに、自らを投資の世界から遮断してしまう方が良くいらっしゃいます。

表向きはそうお話しされていて、実はしっかりとお勉強されていらっしゃるのならば、それでよろしいのですが、本当に一切投資の世界から関わりを持たないようにしているのであれば、それは大きな間違いであると言わざるを得ません。

なぜでしょうか?

それは、私たちの生活から「投資」を切り離して考えることは出来ないからです。

「なぜ?」

と思われる方も多いかと思います。

でも、考えてみてください。

皆様は、自営業、サラリーマンなど、いろんな形態でお仕事をされて収入を得ていらっしゃるわけですが、毎月必ずかけているものがありますね。

そうです。年金です。

年金制度は、国民年金、厚生年金に限らず、皆様から毎月積み立てられている大事な資産を、年金を支給される時が来るまで、専門家によって大事に運用されています。

昨今、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が株式の組入比率を上げるというようなことがニュースになっておりましたが、皆様の大事な年金の原資は、債券や株式、短期資金や、商品、不動産など、国内外を問わず、投資され、長期的な資産増加を目指して運用されています。

つまり、皆さんは、ご自身の意志に関係なく、大事な資産を投資していることになるのです。

だとしたら、皆さんの大事な未来のお金が投資されているのですから、無関心を装っていてもダメです。

もっと、積極的に投資の世界をのぞいて、年金資金の在り方について、意見を言ってみたり、年金だけに頼らずに自らも投資することによって、至急荒れる年金以外の収益や資産を構築するということも取り組んでいったらよろしいと思います。

第5回の記事でも書かせていただきましたが、投資は、実はそんなに難しく考える必要はありません。

誰もが自動車運転免許を取得できるように、誰でも投資のコツを覚えることが出来るのです。

ただ、その学校がなかったのです。

投資をすると、自らの欲望というものが台頭してきてしまいます。

投資活動は、本来はグループとか仲間内でやるものではなく、大事な資産をどうするかを決定することなので、自分自身で行うものです。

それは、やり方によって、人とコミュニケーションをとりながらすることも最近では可能になりましたが、基本は一人でやるものなのです。

そうすると、自動車の運転と同じで、密室で一人になりますと、人間はエゴが出てきやすくなります。

ego

どんな人格者でも、エゴに支配されることになります。

人の道の修行では、エゴから解脱することを目指します。

しかし、修行と違うところがあります。

修行をしようと思ったとき、人は神妙な心持ちで修行場に入ります。

そうすると、普段はエゴに支配されているのに、その修行場ではエゴがどこに行ったのかわからなくなるのです。

一方、投資をしようとするときは、前提として「儲けたい」という欲望(=エゴ)があります。

しかし、エゴに支配されてしまっては冷静な判断が出来ないので、教わった通りに投資をすることはできません。

自動車にたとえるならば、交通ルールを破って、独りよがりの運転をすることに相当します。

すると当然、事故にあったり、危ない目にあったりするのです。

投資においては、それから離れようというエゴが目の前に見えてくれているので、相手をしやすいのです。

つまりエゴからの解脱が、投資を通じては、他の修行をするよりも早くできるのではないかというのが私の仮説です。

ですから、現在、日本ではあまりおなじみではない「投資」というもののコツを多くの人たちに知っていただき、あとは自分磨きの場として多くの人に慣れ親しんでいただきたいと思っております。

私の投資に対するモットーは、

「資産形成しながら、人格形成につながる」

というものです。

皆様も是非とも投資を学んでいただきたいと思います。

浜本 学泰

金融全般⑥:「金融市場における常識」

こんにちは。

浜本です。

金融全般に関する第5回目は、「金融市場における常識」ということで、今の金融市場で信じられている常識のおかしさについて、お話ししてまいりたいと思います。

皆さんもよく耳にしませんか?

投資は長期でやるほどリスクが少ない

とか、

ドルコスト平均法という固定金額を毎月固定などで買い続ける戦略は、結果的に安く買えることになり優位性が高い。

という金融市場における常識です。

これには、大きな問題を潜んでいるのです。

実は、現在まで金融市場で使われている市場の考え方の一つに「モダンポートフォリオ理論」というものがあります。

modernport

難しい話は割愛しまして、要は、

経済は右肩上がりで成長する前提の上ですべての手法なり論理が展開されている。

という問題点です。

基本的に経済は、成長を前提にお話をされます。

それは、どうしてか?

現在の経済理論を構築している欧米の国々の前提が、「成長ありき」だからです。

例えばアメリカ政府は、財政支出をしようと思ったらどうするかと言えば、政府にはお金がないので、お金を調達する手段は2つです。

・国債を発行する。
・FRBから借り入れる

つまり、政府が何かしようとしたときには、必ずそのお金には金利が発生する仕組みとなっています。

ですから、アメリカ政府は、何が何でも経済を成長させていかないとお金が回っていかないようになっているのです。

そのために、世界各地で様々な取り組みをされていらっしゃるし、移民なども積極的に受け入れて経済の成長を第一義としています。

そういう流れの中で、「経済は成長する前提」として、今の金融市場は理論建がなされております。

しかし、経済が成長するかどうかの大きな要因の一つに、「人口問題」があります。

「人口が増えるから経済活動が活発化して成長する」のです。

本来はこの通りなのですが、世界の先進国はあの手この手で経済成長をさせようと躍起になっているのが現状です。

私たちの日本を考えてみると、アメリカからかなりの干渉を受けているので、やはり「成長ありき」の政府運営が求められます。

しかし、日本は人口減少の流れに入り、今後も人口は減り続けていく見通しとなっています。

人口が縮小すれば、それを支える経済も小さくてよいはずなのですが、世界の経済の常識が「成長ありき」ですから、マイナス成長をしようものなら、「劣等国」との烙印を押されることになります。

しかし、本当は、人口動態にあった経済規模があれば人々の生活は回るので、仮に今の経済規模を維持できするだけでも十分なはずなのです。

現実はそうではありません。

それも、ある支配層が構築した仕組みの上にいる私たちが持っている「思い込み」の一つです。

その経済の前提の上に、金融理論も構築されておりますので、あくまでも「右肩上がりの経済」が大前提としてあります。

ですから、前述したとおり、

・投資は長期でやる方がリスクが軽減される。
・ドルコスト平均法は、長期で見ると買いコストが安くなるので有利である。

ということが言われるのです。

そうですね?

長期的に見て経済が右肩上がりで行くならば、短期的に多少の変動があったとしても、将来的には価格は上昇する可能性が高いから、上記のように言えるわけです。

しかし、現在の日本は人口減少社会です。

さらに、経済成長ありきのアメリカなどが海外で行っている戦略にも、相当無理が見えてくるようになってきました。

そう考えますと、私たちの大切な資金を運用するのに、「右肩上がりの経済前提」で考えてしまうと大きな落とし穴にはまってしまう可能性が高くなったのです。

長期的な未来を予想することは、誰にもできることではないと思います。

その前提で、私たちの大切なお金を長期投資に突っ込んでもよいのかということを、今一度私たちは考えなくてはいけません。

もちろん、長期投資を否定するものではありません。

金融市場の大前提を忘れてはいけないということなのです。

長期が見通せないなら、短期で利益を積み上げていけばよい。
長期で成長している市場であれば、経済原理が成り立つなら長期投資も可能

など、いろんな考え方が出来るということなのです。

自らの大切なお金のことです。

無関心や、ただ単に世間で言われていることを鵜呑みにすることなく、情勢を正しく判断して、賢く自分のお金を投資していきたいものです。

本日は金融市場で、信じられている大前提について考えてみました。

ご参考になれば幸いです。

浜本学泰

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