昆虫館からこんにちは
Posted by zoozakki on 2009年9月29日(火) 18:28
こんにちは! 前回のナガサキアゲハの続きです。
ちなみにこの子です。
色合いがたまりませんなぁ
で、この子達が円山動物園にどのように来たのかでしたね。
このナガサキアゲハは他の動物園さんから譲っていただいたのです!!
その動物園は「多摩動物公園」http://www.tokyo-zoo.net/zoo/tama/さんです。今回は本当にありがとうございました。
忙しい中、数の少ない蝶の採卵などをしていただいて本当にありがとうございました。
それではナガサキアゲハの送られてきたところから蝶になるまで紹介しますね。
まずこのような形で届きました。
厳重に梱包されてますね。細かな心遣いがほどこされています。
中はというと。(緊張の一瞬です!)
可愛らしいナガサキアゲハの卵と初齢幼虫が入ってました!
みんな元気でよかったです。
この子達を無事ナガサキアゲハに育てあげるために過保護ともいえる環境で育てていきました!
グングン大きくなっていきますねぇ。
シロオビアゲハの幼虫の3倍くらいはあります!
刺激するといっちょまえに臭角を出して威嚇します。 そしていよいよ…
前蛹(ぜんよう)
蛹(さなぎ)になりました!
全部で無事蛹になれたのは5匹でした。蛹がこれだけ少ないと雌雄がそろうかが問題になってきます。 こればっかりは神のみぞ知る!って感じでしょうか。
そしていよいよそのときが来ました…
休み明けにいつものように昆虫館に入るとナガサキアゲハの蛹が入っているケージに黒い影が見えたのです!!
恐る恐る中を覗くと…
3羽も羽化していました!まさに黒い三連星ですね。
ただ残念なことにこの3羽は全部雄でした。
とりあえず雄は生後三日までは交尾出来ないので昆虫館に放しておくことにしました!
色合いがたまりませんなぁ
さて問題は残る蛹が二つ…はたして雌は生まれてくれるのか?
そして 運命の時が来ました…
三日後、昆虫館に入りケージを覗くと…
なんと!そこには白くて可憐なナガサキアゲハの雌が2羽も羽化しているではありませんか!!
もう感無量でしたね。思わずガッツポーズしてしまいました。
これで繁殖の役者がそろいましたね。
さあここからがまた難しいのです。蝶の数が多ければ自然に交尾してくれるのですが、いかんせん数が少なくさらにシロオビアゲハがナガサキアゲハに交尾しようとするのです!
これでは自然に交尾するのは難しい…
そこで奥の手です!ハンドペアリング(人工交尾)を試みることにしました。
その方法とは、雄雌のお尻にある交尾器を互いに人工的にくっつけてやるのです!
自分自身初めてのペアリングだったので手探り状態でした。
交尾させる前に蜜を飲ませて栄養を取らせるのも大事です。
肝心のペアリングは…
無事成功しました! くっついてしまえば放しても大丈夫です。
上が雌下が雄です。
交尾時間は約二時間でした。 交尾が終わると雌は翌日から卵を産み始めます。
そこで雌を昆虫館に放し、翌日まで様子をうかがうことにしましたしました。(その行為が予期せぬ事態を引き起こす)
翌日昆虫館内を探しても雌の姿が1羽しか見当たらないのです!卵の確認も出来ず、まずいことになりました。
慌てて雌を回収して次の手に移りました!
リシャール法(強制産卵法)です!! この方法は狭い容器に雌と食草を入れて、ライトをガンガン照らして卵を産ませる方法です。
なんとかこの方法で卵を採卵することが出来ました!
葉っぱの右上にある黄色い粒がそうです。(よかった)
最終的に32個卵をとることに成功しました!
画像ではわかりづらいですが、シロオビの1.5倍くらいの大きさの卵です。
あとは孵化を待つだけです。 ところが三日たってもいっこうに卵の様子が変わることは無く、無性卵であることが判明し、非常に残念な結果に終わってしまいました。
ナガサキアゲハが仲間に加わったとブログで紹介したのにお客様で見れたのはごく小数、もしまたの機会があればこの綺麗なアゲハチョウを昆虫館に紹介したいです。
最後にかなりの長文になってしまって申し訳ありませんでした。
最後まで見ていただいてありがとうございます。
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