残念なお知らせです。
Posted by zoozakki on 2014年9月23日(火) 17:00
大変残念なお知らせです。
動物たちのニュースでご報告させていただいたとおり、去る9月22日にアメリカクロクマの『風子』の安楽死の処置を行いました。
風子は1995年2月に秋吉台自然動物公園サファリランドで生まれ、6歳になった2001年6月に当園に来園しました。
来園当初は新しい環境に神経質なそぶりも見せておりましたが、次第に環境にも慣れ、落ち着いて暮らしてくれるようになりました。
放飼場でものんびり寝て過ごしていることが多く、世界のクマ館ではホッキョクグマなどの人気動物の陰に隠れがちでしたが、そのゆったりとした振る舞いで多くのお客様を癒してくれておりました。
また、冬期間は放飼場内に積もった雪を掘って穴倉を作り、勝手に冬眠しようとするというマイペースな一面もありました。冬眠は野生下では一般的にみられるものですが、円山動物園においては冬眠してしまうと日々の健康確認ができないという問題から冬眠はさせていないため、風子が穴を掘ったら、その穴を壊して冬眠できないようにするのが飼育員の日課となっておりました。
このように、これまで当園で13年間元気に暮らしておりましたが、8月上旬に上顎部に強い腫れと疼痛が見られるようになり、麻酔下で検査・治療を行ったところ、組織の異常が深部まで進んでいることが判明し、その後の細胞組織検査の結果、『繊維肉腫』という進行性の腫瘍であることが分かりました。
繊維肉腫はその特性として高い浸潤性を持っているため、根治させるためには腫瘍の周囲を広く深く切除する必要がありますが、風子の場合は腫瘍が顔面の広範囲にわたっていることから切除による根治が困難であることが分かりました。その後、腫瘍の進行が非常に早く、疼痛も日に日に強くなっていく様子が観察され始めました。そのため、これ以上の延命は風子の苦痛を長引かせるだけと判断し、安楽死の処置を行うことといたしました。
死後の測定の結果、風子は体長(頭胴長)133㎝、体重99.9kgでした。
病理解剖の結果、やはり腫瘍の進行が速く、鼻腔内にも強い浸潤が認められました。
最後になりましたが、これまで風子を可愛がってくださった多くの皆様に厚くお礼申し上げます。
9月24日に第一レストハウスに献花台を設けます。亡き風子を偲んでいただければ幸いです。
円山動物園飼育展示課 飼育展示二係長 石橋 佑規
コメントは受け付けていません。