札幌100マイル

円山動物園ブログ

円山動物園の動物の近況や出来事などを綴ります

『アジアゾーン』カテゴリーの投稿一覧

アムールトラのアイの体調について

現在、体調不良により治療中のアムールトラのアイ(雌15歳)の体調についてお知らせいたします。

アムールトラのアイは以前から胃内容物の嘔吐が時折見られましたが、ネコ科動物では健康な個体であっても毛玉や草などによる生理的嘔吐をすることがあり、鶏肉を給餌した翌日に嘔吐していることが多いことから、加齢による消化機能の低下等を考慮して、一回の給餌量や給餌内容(鶏の長骨の除去や粉砕、肉の大きさを小さくする)を変更するなどにより対処しておりました。

アイは過去の血液検査で徐々に腎機能が低下していることかわかっており、慢性腎不全の投薬治療をしておりますが、9月下旬からは、餌の種類に関わらず頻回の嘔吐がみられ、10月に入ってからは、食欲が減退し嘔吐に加えて下痢や未消化便なども見られたため、慢性腎不全の原因とする嘔吐などを考慮した投薬治療を行っているところです。その結果、10月11日以降は嘔吐の頻度、餌の消化状態や便の性状などに回復の兆候が見られ、食欲も徐々に回復してきております。

持病である慢性腎不全は完全に治ることはありませんので、今後も治療を継続していく必要がありますが、飼育展示課一丸となり、アイの体調回復に向け、努力を続けていきますので、温かく見守っていただければと思います。

なお、アイの体調によっては投薬治療や体調管理のため、アムールトラをご覧いただけない日があるかもしれませんが、どうかご了承くださいますようお願いいたします。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 

ユキヒョウ 「シジム(メス)」と「アクバル(オス)」の同居について

       園内はコブシやサクラが満開の季節、

                   開花と共にメジロも渡ってきました 

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    さて、ユキヒョウの「シジム(メス:6歳)」と、

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  「アクバル(オス:11歳)」の同居について、

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  担当の三浦(麦ワラ)から、状況をお伝えしたいと思います。

 4月16~24日の期間、メスのシジムに、今シーズン4回目の発情が見られました。

 その内、20~23日は、シジムの発情行動がより強くなり、

   アクバルもシジムへの意識が集中している為、同居をしました。

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  同居は寝室で実施。

 同居のタイミングは、

 ①オリ越しで互いに鼻を鳴らして積極的に、挨拶行動をしているのか。

  また、

 ②オリ越しにシジムがアクバルを誘い移動をする、

    この移動に反応してアクバルが追尾をしているのか。

  以上の行動から、

 アクバルとシジムの「発情レベルのバランス」がとれているのかを判断します。

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 同居のタイミングは、飼育員が誘導する事では無く、ペアの行動から伝わってきます。

  より集中して観察、観察、観察から機会をねらいます!

 食肉目ネコ科については、発情状態が良好なので、

   同居をして交尾という、シンプルな事柄ではありません…

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 発情のバランスが取れていなければ、

 その気の無い個体は、嫌がって威嚇をします、

 身がキケンと感じれば攻撃する場合もあるのです。

   ユキヒョウでは、同居は慎重な見極めが必要となります!

 また、同居計画をたてて、従事する職員の役割を決め、

 万が一に備えて、闘争回避用の高圧ホースや竹竿を準備します。

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  結果については、交尾行動が20日に28回、21日は32回、22日は19回あり、ペア共に負傷もなく同居ができました。

  今後については、シジムの今季発情周期から、次回発情は5月20日前後を予測しています。

 発情が無い場合は、妊娠の可能性もありますが、ユキヒョウの季節発情(冬~初春)が終了しただけかもしれないので、

  観察、観察、観察から判断となります。

 ちなみに、当園ではネコ科の同居方法は大きく分けて2つあります。

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 ① 繁殖期の発情中のみ同居をして交尾をさせる方法。

      (ペアの相性がまだ十分わからない場合)

      ペアの発情レベルの見極めが重要になります。

      間違えればリスクがある場合もということ…、

     繁殖期に入れば、日々の観察がより重要になります。

     シジムは、今回はじめての同居だっため、こちらの方法で行いました↑

 

     過去2回、「リーベ」と「アクバル」との同居はこちら↓

  ② 繁殖期の前からペアを同居動物として馴致をして過ごさせる方法。

     (ペアの相性が良いとわかっている場合)

     繁殖期の発情中には親密な関係ができている為、交尾は容易となりますが…

     その分、この関係を築くための同居馴致期間は長く、毎日見極め、見極めをしながら、

     闘争させずに徐々に同居時間を伸ばしていきます。

     つまり、馴致期間中は動物たちと飼育員の緊張が続く、大変な事柄となります。

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「人と動物と環境の絆をつくる動物園」

―札幌市円山動物園― 

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ネコ科の同居中に思うことは、

飼育下での「種の保存」について、本当に大変であるということ…

野生下では、好きであればペアとなり、

嫌であれば回避して、他の個体を探しに行くなどと、

当然ですがうまくバランスがとれているし…

夢物語ですが同居だけに特化した、

自然の行動を引き出せる獣舎があれば、

繁殖が少しでも容易になるのかな?…と、

色々考えてしまう…麦ワラでした。

ユキヒョウの繁殖に向けた同居 その3

ブログをご覧の皆さま、こんにちは。

ユキヒョウのアクバルとシジムの繁殖に向けた同居訓練ですが、3月18日のシジムの発情兆候が、前日に比べかなり落ちていることから、本日は同居訓練を中止することとしました。明日は発情兆候がさらに落ちることが考えられます。

今シーズンは、次の発情が同居~繁殖への最後の機会になると考えています。そのため、展示場の入替やお互いの寝室に入るといった、同居に向けての準備作業はこれからも続ける予定です。

今後もアクバルやシジムの展示場所が入れ替わったり、どちらか、または2頭とも観覧できない時間帯が生じますが、ご了承ください。   (M)

 

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3月17日撮影

ユキヒョウの繁殖に向けた同居 その2

ブログをご覧の皆さま、こんにちは。

ユキヒョウのアクバルとシジムの繁殖に向けた同居訓練は順調に進んでおります。

訓練初日(3月14日)は2頭に鎮静剤を投与したのですが、15日、16日ははシジムが発情の影響で食欲がなく、結局アクバルだけに鎮静剤を投与して同居訓練を行いました。発情期のメスは食欲が落ちるので、投薬できないことも想定していたのですが、まさに「想定内」です。

<3月15日編>

投薬後アクバルに薬の効果が出るまでひたすら待機。シジムもベッドの上で落ち着いて休息しています。アクバルに薬の効果が出始めた頃を見計らって、先ずは仕切り扉を少し開けて鼻を合わせての挨拶、お互いにフンッフンッと鼻を鳴らして挨拶行動していました。

ついで扉を20~30cm程開けたり閉めたりして、半同居状態での挨拶を繰り返し、アクバルの警戒心が弱まった時扉を開放して、同居となりました。この瞬間が職員の一番緊張したところですが、鼻を鳴らしあい、お互いのベッドを嗅ぎまわり・・・そしてマウント行動を4回確認しました。ただし、交尾までは行ってないようです。

そのうち、アクバルがマウント行動に入る直前にシジムが体を反転したり、床に甘える行動をとり始め、アクバルが少々イラついてきているように感じたため、その時点で同居訓練を終了しました。同居時間は1時間15分でした。

<3月16日編>

シジムの発情兆候が続き食欲も落ちているため、この日もシジムは投薬なしとしました。

また、アクバルの薬の効果が出るまでの間、シジムを屋外に出しておきました。

今までのデータを基に、薬の効果が出る15分ほど前にシジムを屋内に入れ、シジムが落ち着いたところを見計らって、前日と同様に鼻を合わせての挨拶行動、半同居状態から同居へと進めました。

この日は同居後にいきなりのマウントから交尾が見られたのですが、射精までは至らなかったようです。

そして、アクバルがシジムを追尾中にいきなりシジムが反転したため、びっくりしたアクバルが反射的に攻撃し、一触即発状態となったのですが、大きな物音を立てて気を逸らせたところ、本格的な闘争までは至りませんでした。

一旦2頭を分け、時間をかけて落ち着かせた後、鼻を合わせた挨拶、半同居とすすめ再同居したのですが、鼻の鳴らしあいはあるものの、シジムが寝室の角でうずくまってあまり動かないことから、この日の同居訓練は終了しました。この日の同居時間は1時間でした。

同居訓練は、2頭の様子を常に観察しながら、これからも慎重に進めていきたいと思います。(M)

 

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3月15日撮影

ユキヒョウの繁殖に向けた同居

ブログをご覧の皆さま、こんにちは。

久しぶりの(M)でございます。

 

さて、昨日(3月14日)から、ユキヒョウのアクバルとシジムの繁殖に向けた同居訓練が始まりました。

 

初日は、鎮静剤の効き具合を確かめる作業を行いました。

餌に鎮静剤を混ぜて、アクバル、シジムに与え、その後の行動を観察し、記録します。

人がたくさんいると動物の行動に影響が出ることを考えて、自分と担当飼育員、獣医さん3人の少人数で観察しました。

昨日の観察結果より、扉を少し開放し挨拶行動をさせるタイミングの確認等の振り返りを行い、本日以降の手順等も再確認しました。

また、班内でユキヒョウを分けるための放水訓練等も行っております。

うまくいけば、今日の午後の訓練で同居スタートなります。

しばらくの間、午後はアクバルとシジムを観覧することができませんが、ご理解とご協力をお願いいたします。(M)

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鎮静剤の効果でウトウトしているアクバル(左)とシジム(右)

 

 

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