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アムールトラのアイ
Posted by zoozakki on 2019年2月27日(水) 18:32
アムールトラのアイは、2017年9月に大きく体調を崩しました。現在は回復しているものの、体調の管理・確認をするための全身麻酔検査は、アイの体調に影響を与えてしまうおそれがあります。 そこで、無麻酔で血液検査や爪切りなどができるようにトレーニングをはじめています。
トレーニングはトングを使ってエサを与えながら行いますが、アイは以前、エサの中に入れておいた薬に気が付き、以来、エサに強い警戒心を持つようになってしまいました。 このため、まずはエサへの警戒心、そしてトングへの警戒心を解くところから準備をはじめました。
ややしばらくの間警戒する様子はあったものの、2月18日には、展示室奥の寝室の檻に平行に設置した木の台の上に全身を乗せてくれるようになりました。 今後は、この木の台の上で「伏せ」のポーズを取り、檻の隙間から尻尾を触ったりするのに馴れてもらう予定です。(尾が触れるようになれば、そこから採血ができるのです。)また、足を出してもらって爪切りのケアもできるようになればと考えています。
トレーニングは、アイの状態なども見ながら行っていますので、不定期とはなりますが、現在は11時~12時頃の時間帯に行っています。(今後変更になる場合もあります。)
トレーニングを行っている間は、展示室が空になってしまいますが、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
干支展開催中!
Posted by zoozakki on 2018年12月25日(火) 15:10
円山動物園ブログをご覧の皆様、こんにちは。
本日のブログは「干支展」について紹介していきます。
12/1から開催している干支展は「亥(イノシシ)」について
様々な方法で展示しています。
場所は動物園センター情報ホールです。
入口前には大きなポスターを設置しています。
①パネルやイノシシの頭骨などを展示
北海道には野生のイノシシは生息していないので、
あまり馴染みのない動物かもしれません。
パネルには、イノシシの生態や行動などを紹介しています。
テレビでイノシシが作物を荒らすニュースなどを見た方には、
イノシシは北海道でいうエゾシカのように
人になんらかの影響を与えている害獣と思われているかもしれません。
ですが、このパネルを読んで少しでもイノシシのことを知ってもらい、
人と動物の共存について考えていただけるきっかけになれればと思います。
そんなイノシシのことを少しでも知ってもらえればと思い、
色々な展示を用意させていただきました。
②足跡をたどってみよう??
情報ホール内に4種類の動物の足跡があるので、
どの動物の足跡か考えてみてください。
正解は足跡をたどっていくと分かりますよ。
③触ってみよう見てみよう
情報ホール入ってすぐ右側に、触ってみよう見てみようのコーナーがあります。
ここでは、本物のイノシシの足や当園で飼育している
ヒツジの毛で作ったイノシシの各部位を触ることができます。
また、イノシシの頭骨を見ることができますので、どんな歯をしているのか見てみてください。
④十二支のお話を読もう
この絵は当園の女性職員が書いたもので、
とても分かりやすく十二支のお話が
絵本感覚で見ることができるのでぜひ読んでみてくださいね。
パネル横には⑤塗り絵も用意いたしました。 1月のカレンダーにもなっているので、
塗り絵をした後は持ち帰っていただくこともできます。
また、カレンダー横にアンケートも設置していますので、
お時間がありましたらご記入をお願いいたします。
⑥年賀状などに使えるフォトスポット
羊毛で作ったイノシシのぬいぐるみやお面などと一緒に写真を撮って、
年賀状などに活用してみてはいかがでしょうか。
12/1から開催して、すでにたくさんの方がパネルを読んでくださり、
塗り絵を楽しまれたり、フォトスポットで写真を撮影してくださっています。
干支展の準備をしたわたしたちにとって、とても嬉しく感じております。
干支展は1/6(日)まで開催しておりますので、これから動物園へ行く予定の方は、
ぜひ動物園センター情報ホールにも足を運んでいただければと思います。
記録更新
Posted by zoozakki on 2018年10月30日(火) 19:41
10月11日に出産したハダカデバネズミが、出産後19日を経過しました。
以前にもブログで書いたとおり、円山動物園のハダカデバネズミは いわゆる「女王バチ」にあたるポジションがまだ決まっていないため、 子育てに成功した例がありません。
昨年5月に出産した時も、生後18日で子どもが死亡してしまいました。 今回も5頭の出産は確認したものの、生き残っているのはたった1頭。 でも、なんとか最長記録を更新することができました。
これが生まれた時の写真 小指の先のような大きさで、このままで生まれてもいいの?と思ってしまうくらい 無防備な感じです。
こちらは生後11日目。 色が大人と同じようなピンク色になってきて、大人と同じように皮膚が少したるんできました。 この時は、群れが動き始め、寝室とは別な場所に連れられてきてしまいました。 以前も似たようなことがあった後、子どもが死んでしまったので、この時は心配しましたが 無事乗り切ってくれました。
生後17日目で、授乳しているのでは?という写真が撮れました。 以前の出産では見られない光景だったので、今回しっかり育ってくれているのは きちんと授乳できているからかなと考えています。 それにしても「子ども」というイメージとは程遠い顔…。
これが本日の写真。 今日も群れが大きく動いていて、一瞬姿が見えなかったので焦りましたが 後ろの方でちょこちょこと動いていました。
(写真右の丸い穴の近くにいるのがわかるでしょうか?)
今年8月に発表された、麻布大学、慶応技術大学、熊本大学の研究によれば ハダカデバネズミの「働きネズミ」は、「女王ネズミ」の糞を食べて ベビーシッターとなることがわかったそうです。 糞の中に含まれているホルモンが、働きネズミたちの母性本能を目覚めさせ ベビーシッターに変えるのだとか。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2018/8/28/28-47491/
人間は母乳を飲んで、お母さんから免疫を受け取りますが、なんと糞を食べて 母性を受け取るというのは何とも不思議な生き物です。 円山動物園のデバたちも、立派なベビーシッターになって、子どもを大切に育ててほしいなと願っています。
↓この写真は、赤ちゃんが女王から生まれている真っ最中のところです。ちょっとショッキングかもしれませんので苦手な方は拡大を控えてくださいませ。
それにしても不思議な生き物だ…
女王争い
Posted by zoozakki on 2018年10月1日(月) 17:41
ハダカデバネズミは、土の中で群れで暮らしている毛の無い出っ歯の、名前そのまんまのネズミです。
群れの中にはハチやアリのように女王がおり、その個体だけが妊娠・出産して子孫を増やしていきます。 その他の個体は”兵隊ネズミ”や”働きネズミ”となって、巣を守ってエサを集めたりするのです。
さて、円山のデバネズミも先日お腹が丸くなり、乳頭が飛び出してきたことを確認したため、観覧制限を取らせていただきました。
で…………妊娠しているのはどちらでしょうか????
答えは「どちらも妊娠している」です。
どうも、まだ円山のデバネズミたちの群れではまだ誰が女王になるか決まっておらず 覇権争いが続いているようなのですね。
このままだと、せっかく子供が生まれてもお世話をするネズミたちにうまく働いてもらえないかもしれません。
かと言って小指の爪よりも小さな子どもたちを人工保育することも非常に難しい。
まずは、女王確定のために何ができるかを考えていますが、争いはまだ続きそうです…。
屋外(大)デビュー
Posted by zoozakki on 2018年9月13日(木) 20:25
このたびの地震では市内でも多くの被害が出ました。まずは、被災された方々にお見舞い申し上げます。 動物園も停電となり、今更ながらに電気のありがたみ、そして環境資源のありがたみを思い知りました。
さて、こんな時こそ明るい話題をと思い、写真フォルダを探してみたところ エランドの赤ちゃんの屋外展示場(大きい方)へのデビュー写真が出てきましたのでご紹介しますね。
7月21日に生まれたエランドの赤ちゃんは、8月23日に大きい方の屋外展示場デビューを果たしました。
まずはお母さんが外に出て行きますが、赤ちゃんは中から出る気配なし。 お母さんは外の様子を一通りチェックした後、中に戻って赤ちゃんを促しますが、それでも動く気配なし。
これは獣舎カメラでとらえた中の様子。 あと一歩で外への通路に出られるのですが、ためらっている感じが伝わってきます。
これは今日は無理かなと思っていたところで「ボフー」(「ボホー」だったかな…)という鳴き声が。 その直後に赤ちゃんがおっかなびっくりという感じで外に出てきました。 どうやらお母さんが赤ちゃんを呼んだのですね。
最初は慎重な足取りの赤ちゃんでしたが、今までいた場所よりも広いんだということがわかって嬉しかったのか スキップを披露。中の展示場でも何回か見たことはありますが、広い場所でのスキップは格別のようでした。 (距離が長いので、あまりスピードが出過ぎていると、見ているこちら側はヒヤヒヤするのですが。)
その後は、お母さんと一緒にご飯をもぐもぐ。 やはりお母さんが落ち着いているので、初めての場所でも安心して動けるのでしょう。 最近はお母さんのおっぱいだけでなく、青草なども食べるようになってきて順調に成長しています。
この写真は生まれてから約1週間後、屋外(小)のデビューの時のものです。この時から比べると二回り以上は大きくなったかな。 地震後も食欲は変わらず、日々成長を続けています。
今回の地震で、色々と大変な思いをされている方も多いと思いますが、もしお時間があるようでしたら 日々成長する赤ちゃんの顔を見にいらしてください。きっと元気をもらえると思います。
お名前投票も、期間を1週間延長して9月17日まで実施していますので、よろしければ 似合う名前を選んで投票してくださいね。