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by 大熊 一精

大熊 一精
プロフィール

1967年生まれ、埼玉県川越市出身。
銀行系シンクタンクに12年間勤務の後、2002年から札幌市に移り住み、現在はフリーランスのコンサルタントとして活動中。 「一日一冊」を目標に、ジャンルを問わずに、本を読んでいます。読書量全体のうち、電子書籍端末で読む割合は3割ぐらい。 札幌市民になってからは、毎年、コンサドーレ札幌のシーズンチケットを購入し、2014年シーズンで13年目。週末ごとに悲しい思いをすることのほうが多いのに、自分が生きているうちに一度ぐらいはJ1で優勝してほしいと願いながら、懲りずに応援を続けてます。
著書「北大の研究者たち 7人の言葉」(エイチエス、2012年刊)


投稿したブログ数:35件

『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』岡田斗司夫(PHP新書950)

カバーが2枚(二重に)ついてます。

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内容は、著者が、同志社大学で行なった講演をベースにしています。

タイトルといい、大学での講演が元になっていることといい、これから社会に出る人をはじめとする若者向けの本、との印象も受けますが、そうした実用書的な読み方だけでは、もったいないです。この本は、読者の年齢に関係なく、考えるヒントになり得る、一種の社会批評です。

タイトルが意味するのは、現在は以前と違って会社が人を雇わなくなっている、そしてその傾向はこれからますます強くなっていく(それがなぜか?も本の中で丁寧に説明されています)、だから就職(就活)が厳しいのは当然でしょう、そういう中でわざわざ厳しい世界に入っていかなくとも、別の方法もあるんじゃないの?といったことなのですが、その根底にあるのは、価値観の大転換です。

いわゆるバブル期まで「標準的」と考えられていた生き方は、もはや通用しなくなっているのに、それを追い求めるからつらくなるんだよ、というのが、著者の主張です。

こうした考え方は、若者だけではなく、バブル期を体験していて現在の日常が苦しいと感じている世代にとっても、自分自身を見つめ直すきっかけになると思います。その意味では、表紙(カバーのうち上についているほう)に書かれた《就活や会社生活に疲れきったすべての日本人に》というキャッチコピーは、けっして大げさではありません。

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