« 金融全般⑫:「金融市場は無関係だと思ってると損をしますよ」 金融全般⑭:「投資は長期or短期」 »
金融全般⑬:「日本では金利は上がりません」
Posted by finance on 2014年10月19日(日) 21:14
こんにちは。
金融全般の第13回目は、「日本では金利は上がりません」と題して
書いてまいりたいと思います。
日本に投資が根付いていない背景の一つに、「必要がなかった」
ということがあります。
1980年代は、預金金利が8%という時代もあったそうで、預金者
は、自ら金融市場のリスクを負わずに、年率8%の資産増加が可能
でしたし、放っておけば9年少しで資産が倍に増えた環境でした。
同じ時期の物価上昇率は、高くても2~3%程度でしたから、世間
の物価上昇スピードよりも資産が増えるスピードの方が早かった
ですから、昔は本当に放っておけばお金は増えていった時代だった
のです。
●日本のインフレ率の推移
※出典元URL:http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=PCPIPCH&c1=JP&s=&e=
ですから、日本の人たちは金融市場の仕組みを知らないのも無理は
ない状況です。
しかし、時代は変わり、インフレ率の方が金利よりも高い状況が始まり
ます。
でも、景気が上向いてきたら、金利は上がるのではないかと思われる
でしょう。
はい。経済学ではそれがセオリーです。
しかし、現状の日本の状況では、金利が上がることは当分ないと言わざる
を得ないのです。
まず、1つは、日本の景気はこの20数年間停滞が続き、アベノミクスで
多少上向いたように見えるものの、大企業が為替による利益増加によって
一時的にそう見えており、本格的な成長軌道に乗ったとは言えないこと。
また、とられている政策が、大企業にメリットが出るものが多く、中小
企業の回復に至るまで、進んでいないこと。
景気の判断などは、GDPの構成比の60%を占める個人消費を見るべきである
が、自民党の支持基盤である経営者や自営業者や農家の票を考えると、事業
資金を借りやすい状況にしておかないといけないこと。
また、2005年頃に土地の値段も上昇し、一度景気の回復局面があったの
ですが、その時に日銀の審議員の何人かは、長い間、ゼロ金利を続けるの
は健全ではないので、金利を上げるべきであるという意見を言ったはずだが
そうはならず、その人たちは現状の審議員の中には含まれていない。
日本銀行の株主名簿が、どこを検索しても出てこなくなった情勢などを
鑑みても、世界経済を立て直すためには資金が必要であり、そのためには
比較的体力があり、コストがゼロに近い資金を際限なく出してくれる国が
存在していなければならず、日本はまさにその役目を担っているわけです。
となりますと、日本の金利は、「預金者目線」ではなく、「借入金金利目線」
で、決められていることになりますから、本格的に全体が景気回復の恩恵が
明確に見え始め、世界経済も成長軌道に戻るということが、日本の金利が上
がる必要条件になるということです。
日本の国々の隅々まで、そして、世界中に至るまでの景気回復が明確になる
というのには、まだまだ遠い道のりが必要だと考えられます。
したがって、日本において金利が大きく上昇していくということは、当面
考えられないのです。
0.数%は上がるかもしれませんが、数%レベルでの上昇は見込めません。
しかし、第11回の記事にも書かせていただきました通り、日銀の目標インフレ
率は2%です。
お金を置いておいては、目減りしていく状況がこれからもずっと続くというこ
とです。
それを避けるためには、収入を継続的に増やしていくか、持っているお金を
何らかの方法で、物価上昇率を上回る率で増やすすべを手に入れる必要がある
ことになります。
時代背景を鑑みても、今、この時こそ、金融取引のノウハウを積極的に身に着けて
いく状況が整ってきていると言えます。
さぁ、日本人が金融に目覚める時が来ました。
早く気付いて、ノウハウを習得した人から、人生が変わります。
頑張ってノウハウを身に着けてください。
浜本学泰