『伝える』カテゴリーの投稿一覧
円山動物園屋台 出展!
Posted by zoosaru on 2009年2月15日(日) 16:47
昨日札幌エルプラザで行われた、
北海道環境教育ミーティング 「体験屋台」 に円山動物園が出展してきました。
「遊びながら地球や環境のことを身近に感じる」 をテーマにしているこの屋台村、
当日は19団体が集まりお客様をお出迎えです。
普段からテーマと同じことを目指している動物園、参加しないわけにはいきません。
「どうぶつえんであそぼ!」 を屋台名として3つのプログラムを用意しました。
まず1つは
「飛んでつながる」 生物多様性を伝えるゲームです。
生物多様性とは簡単に言うと、生態系は食物連鎖という食う、食われるの関係だけではなく、
様々なつながりでバランスを保たれており、沢山の種がいることが必要だということなんですが、
そのつながりを説明、感じてもらうのが難しい!
でもこのテーマは園長からの指令なので怖くて止められません。
で、どんな形にしたかというと
まず、カエル、クマ、人間の人形のうちから一つ選んでもらいます。
そして選んだ人形をお茶の蓋にゴムを取り付けた発射台にセット、引っ張ります。
その先(下)には北海道の動物、植物の写真が9種類並んでおり、
(エゾシカ、アオダイショウ、サケ、ヤマブドウ、キツネ、オオワシ、タンチョウ、ネズミ、エゾモモンガ)
発射された人形と落ちた所の生物の関係を考えてもらうという内容です。
引っ張る、発射するという楽しみを加えたにせよ、ちょっと難しいかなと思っていました。
例えば、
カエルを選んだとします。
写真のようにアオダイショウの上に落ちれば簡単です。関係は食べられるというもの。
では、これがネズミの上に落ちたらどうでしょう?
お互いに食う、食われるの直接の関係はありません。
しかし、アオダイショウを絡めカエルとネズミをその餌と考えるとどうでしょう?
カエルの数が増えると、アオダイショウは簡単に捕食できるカエルを食べ物として選びます。
するとネズミの捕食割合が減り、ネズミの数も増えていくことになります。
この様に一見関係なさそうでも実はつながっていると言う事をヒントを聞きながら気づいてもらえれば成功です。
結果、子だもたちの反応はどうだったかというと、思ったよりずっと良かったです。
小学校の3年生ぐらいからは 「へー」 という顔をして2回目、3回目にチャレンジしてました。
2つ目のプログラムは
「世界最強の生き物を探せ」です。
これは 「クマムシ」 という変わった生き物を顕微鏡で探してみようというプログラムで、
色んなやつがいるもんだということを感じてもらおうと思ってました。
このクマムシ、1mmにも満たない小さなやつなんですが、環境が悪くなると
乾眠と言って酒樽みたいな形になります、こうなると最強です。
100度の熱に耐え、マイナス50度の寒さも平気、電子レンジでチンしても大丈夫、放射線も利きません、
3年、5年はそのままでも生きています。
なのに水をかけると3分で動き出し、指で潰すと死んじゃいます、変わったやつです。
これは大人にも大人気でした。
また、結構クマムシを知っている子供も多くびっくりしました。
そして最後は
「いろ 色 どうぶつ」 動物塗り絵です。
動物の形だけ書いてあって中身を塗り絵してもらいます。
基本的には好きな色に塗ってもらうのですが、塗る前に動物の情報を伝えます。
例えばフンボルトペンギンには
・巣はトンネルを掘ったり小石を集めた物です。
・周りにはほとんど雪はありません。
・海で泳ぐ時、敵は下から襲ってくるようです。
という情報です。
その中で、もし君がペンギンならどんな体の色にする?と問いかけてみました。
実はこれ、今動物園で作っている小学校低学年用のワークブックのプログラムなのですが、
内部では 「ちょっと低学年には難しいのでは?」 という声が出ていてついでに検証してみました。
結果
ほとんどの子供達は色んな理由に基づいた絵を描いてくれました。
絵の下にある理由を書く欄には、きれいだから、夜動くから、草の生えている所にいるからなど
様々なコメントが!
上の写真は「海を泳いでる時分かりにくくするためお腹を青くした」ペンギンです。
「動物の模様にはなんか理由があるんだ」 これに気づいてもらえればこのプログラムは成功です。
この体験屋台、5時間の間に約300人の方が訪れ楽しんでくれました。
動物園ブースにも100人近い人が来てくれて3人のスタッフは最後へろへろです。
でも、閉場した後の出展者全体のスタッフミーティングで出た、「今日一番ためになったことは?」
の質問には3人とも「来場者の反応を感じられたこと」でした。
また皆さん参加してください。
1日たち、喉の嗄れはなんかカゼっぽくなってきました。
頭もちょっとボーとしてます。
でも今夜は昨日の反省会、出ないわけにはいきません。
家に帰り、車を置いて、清田方面へ・・・
仕事です、仕事ですから・・・
円山動物園 と にしおこっぺ
Posted by zoosaru on 2009年2月2日(月) 23:33
1月29日 酪農学園大学の先生、うちの園長と3人で西興部村に行ってきました。
円山動物園と西興部村の相互協力協定を締結するためです。
くわしくはこちら
調停式自体にはあまり関係ない私ですが、せっかくだからということで西興部の小学生にお話することを仰せつかりお偉いさん二人に同行です。
そんな大事な締結を控えた1月28日、
遅ればせながら動物園の新年会でした。
「朝倉、お前明日西興部行くんだろ、運転するかもしれないし 3杯までな!」
園長、課長からキツイお達しです。
「分かりました、当然です。」 気持ちの良い返事を返します。
最初の15分でビール3杯、ストップ!OK 条件クリアです。
よし!紹興酒これも3杯 ストップ
次は泡盛これも3杯・・・
29日早朝、酪農大の先生の運転で出発です。
昼前には西興部に着き準備を始めます。
西興部の小学校は二つ、児童は合わせて50人でした。
行く前にどうやって動物園のこと、動物のことに興味を持ってもらおうかと考えたのですが、
行き着くところはやっぱり自分が経験した話と実物をつかったプログラムになりました。
どうだったでしょうか、楽しんでくれたでしょうか、動物園のこと、動物のこと、少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。
また今度行きます。
今回の西興部、個人的にもう一つ目的がありました。
それは森の美術館「木夢(こむ)」に行くことです。
ここは木製遊具あふれる、遊べる美術館です。
エゾシカ・オオカミ舎を造る時に参考にしたのですが、来たのは初めてです。
この木の砂場、設置したかったのですが予算的にアウトでした。
「子供達に北海道の森を伝える」というアイテムとして最高だったんですが。残念
でも、そんなことを考えながら横を見ると
園長が真剣に写真撮ってます。
みなさん、もしかしたら・・・ 期待しましょう!
実は初めての西興部村だったのですが、思っていたよりずっと楽しめる場所でした。
「今度子供を連れてまた来よう!」 そう思えること、結構大事な基準です。
調査が先か、遊びが先か また報告します。
オオカミとシカと寝る
Posted by zoosaru on 2009年1月15日(木) 19:20
昨日から今日にかけて
円山動物園ナイトキャンプ 冬バージョンが開催されました。
小学生32人が園内でお泊りです。
今回はちょっと変えてみました。
今までは子供達の活動は午後からで、最初のメニューが飼育員と一緒の動物調査だったのですが、
今回は午前中から来て大人のチームリーダーと共に、私からの挑戦状にチャレンジしてもらいます。
サルチームの名前は 「キングコング」 子供達が決めたチーム名です。
「キングコングチーム」の面々
8名の小学生に出した挑戦状とは
「新米ボス、中松(ちゅうまつ)を探せ!」と
「さるが何していたか私に教えなさい」の2つです。
子供達用の研究ノートを作る時に 「いやー 難しいですよ個体識別は」 と言っていたのですが、チャレンジすることが大事だし、さるをしっかり見てくれるだろうとこの課題にしました。
なんせ大きな声では言えませんが、うちの係長も・・・・・・・・
16時 子供達と合流です。
「朝倉先生、あれでしょ中松!」 8名の小学生あっさり識別です。 うちの係長の立場は・・・
合流してからは実際サル山の中に入ってもらいさるの仲間入り。
そして、外から観察&質問タイムです。
いやー 識別力だけではなかった、観察力もたいしたもんです。
次々と鋭い質問が出てきます。
前回までとはちょっと違いました。
子供達はこの後、
調べた事を発表する準備、今日分かったことでみんなに伝えたいことはなんだろう?
子供達は真剣に話し合っていました。私は横でニヤニヤ笑ってます。
その後ナイトツアーをしてオオカミ・エゾシカ舎にお泊り。
そして今日も、朝6時半のモーニングプログラムから昼前のお母さん達への発表会まで、びっちり動物園を堪能してくれました。
いいなー こんな子達が将来飼育係になってくれたらなー
教えがいがあるだろうなー
最後にキングコングチームが作ってくれたニホンザルの秘密看板です。
しばらくは正門横の動物園センターに貼ってありますので皆さん見に来て下さい!
秘密が詰まってます。
エクセレント
動物園でのプロジェクトワイルド&ウエット
Posted by zoosaru on 2008年12月14日(日) 17:12
昨日、園内でプロジェクトWILD・WETのエデュケーター講習会が開かれました。
プロジェクトWILD・WETとは「野生動物、自然資源」「水」に関する教育プログラムで、対象は幼稚園児から
高校生までです。
そして、エデュケーター講習会とは、このプログラムを実施する先生になるための講習なのです。
詳しくはこちらをご覧下さい。 WILD WET
講習は講師が参加者にプログラムを体験させた後、班ごとに別れ自分達が選んだプログラムを他の参加者にやってみるという流れで、1日がかりの講習です。
私もWILDは2年前、WETは去年受講しました。
動物ガイドで慣れているからと高をくくっていましたが、まったく違う物でした。
ガイドはこちらの知識、答えを上手に相手に伝えるのが目的、
でもWILD・WETはその答えを参加者に出してもらうことに重点を置いています。
あえてこちらから答えは言わない(出さない)のです。
最初は日本人には向かないんじゃないか?とも思いましたが、実際にやってみると、子供達から杓子定規じゃない色々な答えが出てきます。しかもそれが自分の体験から出た自分の言葉なのです。
(今動物園で作っている小学生用の環境教育教材に、プロジェクトWILD・WETの要素を取り入れています。
楽しみながら、自分の考えを出せる教材目指してます!)
この日講習を受けた40名の皆さんお疲れ様でした。
ぜひ動物園を舞台にプログラムやってみてください。
動物園でのプロジェクトWILD・WETのエデュケーター講習 良い感じです!
馬の結果 そして・・・
Posted by zoosaru on 2008年10月21日(火) 16:35
10月19日、お馬でお出迎え『ぱっぱかウォーク』開催しました。
天気も良く暖かい散歩日和です。
私は先行部隊で早めに円山公園に行き、小田桐さんと打ち合わせ、そして早く来てくれた方のお相手が役目です。
「あのねーもうすぐお馬さんが来るんだわー」
「名前はカエデちゃんって言って、まだ1歳になってないんだよー」
「そうですねー、大体30分ぐらいで動物園に着くと思います」 と早く着いた方は30分前には来ていただいていたので、説明をしていたのですが・・・ カエデちゃん なかなか来ません・・・
子供達は出発場所が公園ですから、周りで遊び始め遠くの方まで行ってしまい、お母さん方はちらちら時計を見始めています。
やばい!俺のトークじゃ間が持たない! カエデー はやくー たすけてー
その時です、円山の木々の間からカエデが表れました。
「みんなー カエデちゃん来たよー!」双眼鏡を手にして、ちょっと目の潤んだ僕が叫びます。
うま強いっ! あっという間に人が集まりだし、子供達はカエデを迎えに走り出します。
お馬でお出迎えではなく、お馬をお出迎えになってます。
公園の方に作って頂いた別荘に入ると、カエデも落ち着きみんなでカエデちゃんに触ってみました。
さあ いよいよ出発!約30名の参加者です。
今まで訓練で歩いてはいましたが、子供達に前まで囲まれ、しかも触られながら歩くのは園外だけでなく、園内でも経験がありません。
カエデは時々立ち止まり考え、それを自分の中で消化してからまた歩き始めていました。
その後、木道の前でちょっと休憩し、カエデちゃんにおやつの人参をあげたり、公園職員の小田桐さんに公園や木の話を聞いたり、途中すれ違う人にも笑顔で見られるような良い感じの催しになったと思います。
動物園正門前に着くと、みんなでもう一度カエデに触りながらお別れを言って、いつもならここから開始の動物園。
参加してくれた子供達、疲れて早めに帰っちゃうかなーと思っていたのですが、夕方元気に走っているのも目にしました。参加してくれたお母さんにお話し聞くと、いつもより長くいてくれたようです。
子供達の中に何か残せたでしょうか?
「つながり」 「つなぐ」 ということに最近こだわっています。(円山動物園的に言うと絆ですね)
今回は公園、森の中、動物園、そして仲介者としてお馬さんに頑張ってもらいました。
楽しみながら、何の違和感も無く、自分と色々なものとのつながりを感じてもらえる、そんな催しが好きです。
そんな経験を重ねていけば、いつの間にか子供は良い子になるんだと思っています。
そう、重ねれば、重ねれば、重ねれば・・・
と言う事で、 お馬でお出迎え『ぱっぱかウォーク』 重ねちゃいましょう!
次回開催日時決定です!
開催日は 11月 1日(土曜日)
3日(祝日・月曜日)
9日(日曜日) の3回
集合場所、出発時間は前回と同じ
円山公園事務所前 11時 出発です。
悪天候の場合、木道でお馬さんの足がすべるため中止にさせて頂きます。ご容赦ください。
それでは皆さんにお会いできることを楽しみにしております、 カエデちゃんと一緒にね!