シンリンオオカミのルークの治療
Posted by zoozakki on 2013年4月20日(土) 08:22
4月も下旬になってそろそろ春かと思っていたら、昨日は再び雪景色に逆戻り・・
早く暖かい春が来てほしいものですね・・
エゾシカオオカミ舎のシンリンオオカミのルークですが、二月くらいから、眼の混濁や目脂がひどくなり、皆様にご心配をおかけしておりましたが、一昨日に酪農学園大学の眼科の先生に往診に来ていただき診察していただきました。
イヌやネコなど無麻酔で診察できる動物と違い、オオカミの診察には麻酔が必須となります。今回も人と動物相互の安全確保のため、全身麻酔下での診察となりました。
麻酔をしているため、白目をむいてしまい検眼などが困難な状態での診察となりましたが、眼圧測定や、眼エコーなどいろいろな方法で診察をしていただきました。
眼圧測定
診断の結果、右目第一次硝子体過形成遺残から続発する緑内障と診断されました。
第一次硝子体過形成遺残は、胎児期の眼の形成時の障害です。右目は現在視力がない状態ですが、おそらく出生時から視力はほとんどなかったのではないかと思われます。
右目の緑内障は、眼圧を高めながら肥大化していくか、委縮するかのどちらかの転機をたどりますが、現在はどちらに進むかは全く分からない状態です。眼が委縮した場合は、痛みも収まっていきますが、ずっと眼圧が高いまま肥大化していくと、常に疼痛をともなって苦しむことになるため、眼球摘出が必要となってきます。
今後は、眼内の炎症や出血により痛みがひどいときには投薬で痛みを軽減しながら経過を観察していくことになります。みなさま、あたたかく見守っていただければとおもいます。
最後に麻酔後のルークの写真です。
すやすやと眠ってます。
コメントは受け付けていません。