札幌100マイル

円山動物園ブログ

円山動物園の動物の近況や出来事などを綴ります

2016年07月06日 の投稿一覧

オニオオハシ

ブログをご覧の皆様

いつも円山動物園を応援していただきありがとうございます。

 

“少し”うれしいお知らせです。

熱帯鳥類館のバードホールで飼育中のオニオオハシのトト(♂)とポコ(♀)に6月26日、待望の産卵が確認されました。

彼らは2013年に円山動物園に仲間入りしましたが、国内でも飼育個体数が少なく、繁殖がうまくいっている動物園も少なかったことから、導入当初から円山動物園でも繁殖を目指したいということで、繁殖行動を誘発できるようバードホール内の室温や人工降雨の量を生息地に照らし合わせて少しずつ調整したり、造りの違う2つの巣箱を設置するなどして準備してきたところでした。

来園当初の2羽

来園当時のトトとポコ

 

 

一般的にオニオオハシは性成熟するまで3~4年かかるとされており、今年が3才の年にあたることから、観察にも熱を入れていた矢先、トトとポコは札幌の春の陽気に誘われたのか、2月頃から求愛行動が見られ3月下旬からは活発に巣箱に出入りする様子が観察されるようになりました。4月には交尾も観察されたことから期待が高まったところでしたが、その後1度繁殖行動が落ち着いてしまっていました。

160401-111636-巣箱に出入りする2羽

巣穴に出入りするトトとポコ

160331-134027-掘られた巣材

職員が巣箱に詰めたウッドチップを掘り出して、自分たちの使いやすいように巣を作ります。

 

 

ところが6月に入り、またトトがポコに猛烈な求愛を開始して巣箱を活発に出入りし始め、6月20日頃から巣箱内での滞在時間が長くなるなど、明らかな行動の変化が見られるようになったため、6月26日、2羽が巣を離れたところを見計らって巣箱の中を確認したところ、5つの卵を確認することができました。

 

ただ、産卵があったとしても必ずしもうまくいくとは限りません。無精卵の可能性もありますし、何らかの理由で巣や卵を放棄してしまうということが起こらないとも限りません。

円山動物園としてもオニオオハシの産卵は初めての事例でしたので、彼らがどの程度お客様の存在に影響を受けるか推し量ることができず、今回は2羽に安心で落ち着いた環境を提供できるよう、バードホールは観覧中止とさせていただきました。

飼育職員も現在は極力巣には近づかず、遠くからのビデオ撮影で、トトとポコの巣への出入りを見ながら、しっかりと抱卵しているかを確認しています。

今のところ、2羽は協力して卵を守り温める姿をしっかりと見せてくれています。

160401-112419-オニオオハシ夫婦

仲の良い夫婦

何とか皆様に“とても”うれしいお知らせができるよう今後も工夫していきたいと考えています。

皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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