お別れのご挨拶
Posted by zoozakki on 2017年4月17日(月) 17:41
お久しぶりの投稿です。メガネ獣医3号です。
随分と間を開けた後の投稿であるのにも関わらず何なのですが、
4月の人事異動により、8年間勤務した円山動物園を離れることとなりました。
これまでお世話になった皆様、どうもありがとうございました。
思い返せば、まさに光陰矢の如しな動物園生活でした。
動物園に来た当初は右も左もわからず、ただおろおろとしておりましたが
円山動物園の諸先輩方からの指導、全国の動物園スタッフとの交流、
大学の教員の方々や野生動物研究者との繋がり、その他にも様々な方々との関係を通じ、
最近になって、ようやく少しは動物園の人らしくなってきたように思っておりました。
本当にたくさんの方に支えていただいたのだと実感しています。
円山動物園に足りないものを少しずつでも補っていこうと、
努力してきたつもりでございます。
直近の事例としてはハズバンダリートレーニングを取り入れた
動物たちの健康管理の進展が挙げられるでしょうか。
ホッキョクグマの採血トレーニングは以前にもご紹介したのですが、
キャンディの採血成功以来、他の個体にもチャレンジしていましたが
苦戦が続いておりました。
継続した挑戦の甲斐あって、ようやくつい先週のことですが
ララからも採血することができました。
円山動物園のホッキョクグマたちの多くは高齢の域に差し掛かっています。
血液検査によって健康状態が詳しく把握できれば、
老いゆくクマたちのこれからのケアを充実させていくことができます。
ホッキョクグマに限らず、これからも動物たちの高齢化は進行しますので、
今後も重要な取り組みとなるはずです。
研究・調査・教育分野にも少しは貢献できたのではないかと。
妊娠には至りませんでしたが、アムールトラの人工授精にチャレンジできたことは
将来的に円山動物園での希少動物繁殖への一助となるはずです。
ブログや動物園HPでもたびたび紹介していましたが、
野生コウモリの調査事業に関われたのは幸せでした。
動物園内の冬眠ねぐら発見に立ち会えたのは、中々に得難い経験だったと思います。
これからも、札幌市内の野生コウモリ情報が円山動物園から発信され続けることでしょう。
動物園内での講演に限らず、学会シンポジウムなどでお話しすることもありました。
ブログをご覧の皆様の中にも、私の話を聞かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
その節はお世話になりました。
私が獣医実習を担当した学生さんと、他の動物園の同業者として再会するなど
年月の流れをしみじみと感じる出来事もありました。
振り返れば、円山動物園ひいては野生動物保全のために、
もっともっと貢献できることがあったのではないか、努力が足りなかったのではないかと
自責の念にもかられます。
しかしながら、
マルチな機能を持つ動物園の中でマルチな分野へマルチな形で関わることができ、
大変に刺激的かつ充実した日々でありました。
今後は動物とは基本的に関係のない職場となりますが、
かつて在籍した↓の彼のように、陰ながら円山動物園を応援していきたく存じます。
繰り返しになりますが、私の円山動物園での在職中に関わったすべての方々へ、
いくら感謝しても感謝し尽せないのですが、
感謝の念を表明する以外他になすべきことが見つかりませんので、
何度でも深く感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
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