札幌100マイル

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円山動物園オフィシャルブログ 円山動物園で飼育しているホッキョクグマの情報をお伝えします!

by shimizu

プロフィール

札幌市円山動物園

清水 道晃

こども動物園での臨時職員、非常勤職員を経て、平成23年より、正規職員として円山動物園勤務。
エランドを担当後、平成24年度から、ホッキョクグマなど世界の熊館の動物を担当。


投稿したブログ数:174件

キャンディ

デナリの記事を書いていて思い出しました。
キャンディの事をブログで報告してませんでした。

先日飼育員カフェの時だったっけな・・・
どこかでキャンディについての話をした際にすっかり皆様にも報告したつもりでした@p@;







繁殖目的の為、2011年から2年間の契約で豊橋総合動植物公園よりお借りしているキャンディですが、なんと契約延長が決定しましたー!

去年は自分の中でのララスイッチとキャンディスイッチの切り替えがうまくいかず、キャンディの心理を読み取るまでに至らなかったので今年こそなんとかキャンディと腹の中まで一緒にしてキャンディスイッチをしっかりONにしたい。

昨年末の出産と死亡のお知らせでは本当にざっくりとしか記載されていなかったので改めて説明すると

寝室で1頭目を出産し、口に咥えて産室へと運んできました。
その後、体を舐める等のケアをし育てようとしている行動もありました。
それからすぐに1頭目とは反対側に2頭目を出産、羊膜に包まれた状態でモニターで見る限り呼吸も確認できず鳴き声も聴こえない為、恐らく死産だろうという判断でした。
そこからキャンディは2頭目に出産した仔に執着してしまい、そちらに集中しているうちに徐々に1頭目の仔の鳴き声が小さくなっていきました。

今回の出産にあたってキャンディが初産であった事もあり、育児放棄の可能性が高かった為、人口保育の準備も念の為していましたが、今後もしまた繁殖の機会があった時にキャンディにとっては失敗の経験も大事だという考えで、よほどの事が無い限りは子供を取り上げる事はしないでおこうという予定でした。

が、完全な育児放棄というわけではなく、1頭は死産でもう1頭はもうほとんど鳴き声が聴こえない状況だった為、一旦キャンディを外に出し子供を病院へ運び回復させてまた戻すという方法を選びました。

すぐに病院へ連れて行き体温を暖め必死の回復を試みましたが、既にキャンディによって圧迫されほぼ虫の息だった事もあり2時間後に死亡を確認。
2頭目の仔も蘇生を試みましたが復活には至りませんでした。

この時のキャンディの行動を見て思った事は
まず間違いなく自分の産んだ子供だと認識していた事
更に子供を病院へ連れて行った際気付いたのが、1頭目に産んだ仔の体はしっかりと産後のケアをされていてとても奇麗な状態だった事

残念な結果ではありましたが、この状況を見て得た事は次回に繋がる非常に大きな成果だったとも思っています。

ホッキョクグマの繁殖に関してはララの繁殖方法や環境を基準にしていましたが「ホッキョクグマの繁殖」というくくりではなく、「ララの繁殖」「キャンディの繁殖」といった個体に合わせた環境を造り上げていかなければならないと実感しました。
今年はキャンディの産室を改修する予定もあり、頭の中でイメージもできています。
何よりもまずは交尾してもらわないとなので
腑に落ちませんがジェラシーを押さえつつ、デナリにはがんばってもらいたいと思います。


って、
こう書いているだけで気が張りつめて目つきが鋭くなってきたので
クールダウンしつつ、あせらずじっくり向き合いたいと思います。

やたら長くなってしまいましたがそんなわけで皆様今年もキャンディに暖かい声援をよろしくお願いします。


破滅的暴風雪の中お昼寝中のキャンディ

あ、デナリにも黄色い声援を!

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