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ANIMAL FANTASY
Posted by zoosaru on 2009年1月25日(日) 00:03
金曜日、久しぶりに近代美術館に行ってきました。
お目当ては ANIMAL FANTASY イヌイト・アート&動物たち を観るためです。
先週の日曜日、今は富良野と屋久島にに本拠地を置いている天王寺動物園の元飼育係O氏が円山に遊びに来てくれました。
この方、息子が北海道でネイチャーガイド、娘が屋久島でネイチャーガイドをしていて、定年後の今は北海道と屋久島を行ったり来たりの生活を送っております。
うらやましい! (O氏の詳しい話はまた後日詳しく)
さて、このO氏、宮越屋のコーヒーとこの作品展のために札幌に出てきて、そのついでに動物園に寄ってくれたみたいです。
円山を案内し、色々と貴重なご意見をいただいたのですが、次の日富良野に帰る前に電話が。
「朝倉くん、あの作品展は見たほうええで!飼育係なら絶対見るべきやわ!」
尊敬するO氏が言うんですから間違いありません、
子供達は学校ですから嫁を誘うことにしました。
最初は渋っていた嫁ですが、同時にやっている常設展でシャガールも観れるということでOKです。
イヌイト 行くまで色々考えてました。
写真家の故星野道夫さんの本や写真集も結構持ってますし、昨年の10月に知床で椎名誠さんが北極圏の話をしてくれたのも印象に残っています。
アジアからベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸まで広がっていくなか、そこに残っていった人たち。
厳しい環境の中、自分達と自然、動物との関係を作り上げていった人たちです。
さて、いざ ANIMAL FANTASY
美術館に行くと作品を理解しようとして変に疲れたりしてしまう私ですが、この作品達は‘すとん‘と中に入ってきます。
作品の動物達、写実的には表現されていません。
でも、ただ単にデフォルメされるのではなく、生き物として大事な部分であったり、その動物の特徴であったりする場所がしっかりと、温かく表現されています。
ただ「かわいい」や「厳しい」「怖い」じゃないんです。
作品が比較的新しいせいでしょうか、星野さんの写真にある古いトーテムポールの様な荘厳さはありません。
でも同じ環境で生活しているものとして敬っていなければ、もしくはその歴史を引き継いでいなければこうはならないでしょう。
作品の動物の特徴に思わずクスッと笑ってしまいます。うちの子達を思い出しながら。
この作品展、現代の日本の作家さんの作品も結構ありました。
イヌイトとはまた違いますがおもしろかったです。
中でも大森暁生さんの「ぬけない棘の狼」
作品としてのメッセージは他にあると思いますが、このオオカミ、ほんとにオオカミでした。
楠木を削って造られているようなんですが、口元の微妙さが素晴らしかったです。
満足してこの会場を出て、常設展「エコール・ド・パリ 異邦人の夢」と「フレッシュ・アイズ」を観ました。
この 「フレッシュ・アイズ」 北海道教育大岩見沢校と近代美術館との連携で、学生たちが展示の企画から入り、作品選び、展示プランも作り上げたそうです。
当日も担当の学生が小学生の団体に作品の説明、どう思ったかなどファシリテーションしてました。
小学校では事前学習もあるようだし、いいなー 動物園でもやりたいな~
あっ 忘れてました。ANIMAL FANTASY 25日今日までです!これじゃあ紹介になりませんね…
帰り道、嫁も ANIMAL FANTASY には満足してくれていたようですが、ふと思い出し聞いてみました。
「ところでシャガールはどうだった?」
しばらくの沈黙の後
「……色がうすかった…」
ありがたみはありません
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