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オランウータン飼育日記&円山四季だより

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2007年04月 の投稿一覧

テイジロウの環境エンリッチメント(採食について)③

                                    


上部の鉄製餌入れに、白菜やレタスを入れます。元々樹上生活者なので、手や足の

握力は強くて、長い時間ぶら下がっている事もできます。          

                                                    q                                    

1分もかからずに、中のりんごを食べてしまいました。                                                                

テイジロウの環境エンリッチメント(採食について)②


ミルクに蜂蜜を混ぜたものを、ペットボトルに入れて凍らし、週に一回ほど与えています。

木の枝を探してきて適当に折り、中の物をつつきながら食べたりしています。こ
の中に水を入れて、よく振ってミルクを溶かし、飲んだりもしています。(そうすること
で採りやすくなる事を分かっているようにみえます。)枝の先が丸くなると、折って先
の尖ったやつで突付いて食べています。

道具を使って食べるのが得意な弟路郎です。

   テイジロウの環境エンリッチメント(採食について)①

食事の回数を三~四回に増やしました。そして、食べ物をあちらこちらにばら撒いたり、上部にある鎖や鉄棒等に挟んだり、ふっ付けたりしました。(移動しながら探させ食べさせる。)食べ物を一ヵ所にドサッと置くより、時間もかかって良いよね。

テイジロウの環境エンリッチメント(採食について)

野生動物の一日の大半は、食べ物探し(採食) です。  人間にとって朝食が重要なように、動物
も大切であり  大きな楽しみ事なので、食べ物の入手も含めて 採食に時間を掛けることはその
楽しみを持続させることになります。
テイジロウには、知能の高さを生かしたエンリッチメントを行なっています。
食べ物を与える時に一度に全部あげても、あっという間に食べてしまいます。そうすると時間を持
て余してしまい、ぼんやりしたり、悪戯を身に付けたりすることもあります。


次回からは、採食時間を長くさせる工夫について、紹介していきたいと思います。
写真を載せる方法も只今勉強中なので もうしばらく待ってください。

「環境エンリッチメント」とは?

動物園で過ごす動物達の取り巻く環境の質を出来るだけ高めていこうとするものです。
今も昔も飼育員達は、動物達が暮らしやすいように気をつけてきました。 しかし飼育員にとっての手軽さや衛生管理の手軽さが優先されていました。しかし動物行動学・心理学が進むにつれて一般の人達も動物愛護の意識も高まり、動物園で生活する動物の取り扱いに関しても最近ではよく関心が払われるようになってきました。 
  どういう事を動物達にしてあげればいいのでしょうか?
住環境を整えたりや餌の改善など、いろいろあると思いますが  僕はとりあえず、自分に出来る事からしていこうと思いました。
 動物園にいる動物達の健康を良い状態に保つために、個々の種レベルに野生での生息環境の要素を加えたり、それぞれの飼育施設の構造や、そこで飼育されている個体の経歴・個性などを考慮して整えてゆきます。

自己満足で終わらせないように、行なった事についてレポートを作成し、行動パターン ・時間 に着目し、野生での行動と比較します。

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