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オランウータン飼育日記&円山四季だより

オランウータン飼育日記&円山四季だより

2008年05月 の投稿一覧

成長が遅いだけ?

 3齢の越冬幼虫が、最初に木に登り始めた個体はかなり成長してました。登り始め

は1、2~1、3cmぐらいの幼虫が多かったな。若葉を食べて1,7cmぐらいになり、

暫らくの間、葉に糸を吹き付けて体を固定していました。最初からチェックしている個

体は4齢幼虫になっており、2,5cmありました。ただ、現在この個体も葉を食べてい

ません。ほとんど移動していません。





 しかし、きれいな黄緑色です。若葉の色だね。今日は暖かかったせいか、グニョグ

ニョ動いていましたよ。



 これは登り初めです。小さいでしょう。








 
 他は変わらずというところかな。終齢幼虫になったらバクバク食べるんだよね。

 
 みんなバクバク食べるようになったら、全部の幼虫に食べさせるだけの葉が足りな

くなると思いますので、一部を分散させなければいけないな。

弟路郎は僕が大好きです。

 僕は毎日、朝早く動物園に来ています。早く弟路郎の顔を見たいからです。

 僕は弟路郎のことが大好きです。弟路郎も僕のことを大好きかもよ。弟路郎が女

の子だったらもっといいのにな。最近、弟路郎も大人らしくなってきて、動きにも男ら

しさが出てきました。なんか匂いも(体臭)きつくなってきたよ。尿のにおいもね。それ

に比べると女のオランウータンは、匂いも(体臭)薄いんだな。いい匂いだよ。尿の匂

いも男のオランウータンと比べるとあまり臭くない。なんか変体っぽいかな。



20080526-01.JPG

 ランチの時間がきたので事務所に戻ろうとしたら、ポールの上にいた弟路郎は慌て

て下に下りてきて、ガラスにピタッ。ずっとこちらを見ています。フリーフライトをする

時も、代番の仕事をしに行く時も、じっとこちらを見ています。

 なんか切ないよ。

オオムラサキの幼虫がほとんど成長していないんだ。

 5月4日、オオムラサキの越冬幼虫が、落ち葉の裏から這い上がり、木を登って若

葉にたどり着いた状態を、確認してから二日後、若葉を食べて4齢幼虫になり、きれ

いな緑色に変化した個体もいました。ところが今現在、まだ木の途中や枝のところに

たむろしている幼虫もいます。若葉にたどり着いている幼虫もほとんど食べていない

ようです。





ピタッと木にふっ付いています。



20080525-03.JPG



 この子達もあまり食べている形跡はないんだよね。だから大きく成長していない。

葉は十分すぎるほど茂っているのにね。緑化した個体もまだ1匹」しか見ていない

し、その個体も大きくなっているようには見えない。(11日に葉を食べて大きくなった

4齢幼虫なんて書きましたが、それからはほとんど成長したようには見えない。)



 ぼやけているけど、こんな感じです。

 
 最終的には大きな幼虫になりますが、考えてみたら、今からガツガツ食べていたら

大きくなりすぎてしまうよね。 急激な成長期って必ずあると思うので、これからも幼

虫達をチェックしていこうと思います。 今年はたくさんのオオムラサキの飛翔を見る

ことができるかも知れません。  すごく楽しみでです。

久々にパパイアを与えました。

 ひと月前ほどに貰ったパパイアが冷蔵庫内で熟成しました。最近は、通常与え

ている果物ばかりあたえていたので、パパイアを与えた時は目の色を変えて食べて

いました。



 早くくれとせがんでいました。いきなり食べないで、匂いを嗅いで確認してからご馳

走です。



 最初からかぶりついたりはしません。少しづつ中の果実を口に含み種だけをきれい

に出していきます。



 満足そうな顔をしているでしょう。久々だものね。



 時には手に出して確認?また口に戻して果実だけを食べます。目の前に置いてあ

る種はどうするのでしょうか。





 中の種が無くなってからガブリといきます。

 掃除をしたら、全部の部屋からパパイアの種が出てきました。その他、ブドウやピ

ーマンの種(ピーマンは決して食べない。)も蒔きちらされていました。







 ブドウ、パパイア、ピーマン。



 これはどう見ても林檎の種だよね。でも林檎の種は出して食べたのを見た事があり

ません。3つあったからね。かぶりついた時に落ちたのかな。

 
 こうして野生のオランウータンも森に種を撒き散らせているのです。便にもたくさん

の種が入っており、そこから色々な植物が生い茂っていくのです。弟路郎のウンチも

そのままにしておこうかな。

 まだ園内に、たくさんのマヒワがいるんだよね。たくさんの種子があるからでしょう

ね。

サブリーダーの真美ちゃん、飼育技術資格認定試験に見事合格しました。

 フリーフライトチームのサブリーダーとして活躍している鈴木真実ちゃんが、難関

の飼育技術者認定試験に同格しました。確か二年か二年半の飼育経験がなければ

受けられない筈だよ。 社団法人 日本動物園水族館協会が毎年行っています。

○×式じゃないから僕にとってはすごく難しかったな。



 見てくださいこの笑顔。嬉しいよね!



 何だろ?銀バッチだね。



 何か書いてるの?平成19年度、・・・。



 これを励みに頑張ってね。

まだ信じられないや。

 今月の10日、バンジョウが亡くなりました。まだ信じられません。臓器には異常が

ないし、普段も元気が無いわけじゃなかったしね。よくわかりません。バンジョウを一

番可愛がっていた新リーダーの足利君が、まだ今も落ち込んでいますよ。元気がな

いんですよね。

 インフルエンザの検査が陰性だったのが幸いです。

マヒワが大飛来しています。

 僕が気づいたのは一週間ぐらい前ぐらいかな。50前後の小さな群れがたくさん来

ています。主にハルニレの高い所に群れでとまっています。体が小さいのと、似た声

の鳥がいるので、なかなか確認できませんでした。





 こんな感じではなかなかわかりませんでした。(だいたいはわかっていたけどね。)



 けっこう近くでも小さいので見えにくいんだよ。数が数だし木の上で鳴きっぱなしだ

から、園内全体が一日中マヒワの鳴き声であふれています。

20080515-03.JPG



 今日の早朝、やっと近くにいるマヒワを写真に撮る事ができたので、早速ブログに

載せようと思い、ミーティング中にやっていたら(見つからないように)また消えちゃっ

た。勿論、僕のミスでね。

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 タンポポの種やヤナギやシラカバの花穂見たいのを突いていました。

20080515-06.JPG

 園内全体で千羽はいると思いますよ。今のところ毎日いますよ。明日は、園内にい

るか判らないけど、見に来る価値はあると思います。こんなにたくさんマヒワを見るの

は初めてのことです。

大変だわオタマの管理。

 今年、「円山動物園の森(仮称)」内に、流水ビオトープと止水ビオトープを作る計

画があるというので、園内で毎年のように産卵しては干からびている,エゾアカガエル

の卵を今回は全部保護しました。(中心部にあります。)


 
20080512-00.JPG
 
4月12日、大きな水溜りにエゾアカガエルの卵塊がありました。アスファルトだから

雪解け水が流れてこなくなったら、直ぐに干上がってしまいます。



けっこう数がいるんだよね。


 すぐに類人猿館内にある、水槽にセッテッイングしました。温度は25度にしました。

(以前、ゴンに魚やオタマジャクシを見せていましたので、水槽などがあるのです。)

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 4月16日、もう卵から出てきました。

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 そして、夕方にはもう泳ぎ始めました。

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 4月21日、元気に泳ぎ回っています。



 小さな足も少し生えてきたし、カエルになる準備もちゃくちゃくと進んでいます。


 ちょっと待った!  カエルに変体した時の、餌の事をあまり考えていなかったよ。

昔は、どうしようもない時は、採集してきた所にかえしに行っていたけど、今回は・・・。


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 取り合えず、餌用のバッタの卵を孵化させようと、卵を常温におきました。これでま

た仕事が増えちゃったよ。  復元プロジェクトの関係でザリガニも繁殖させようと、下

の水槽で飼育していますから、これにも手間がかかりそうです。体が二つあればい

んだけどね。

寒さの影響かな?

 寒さの影響かな?あまり変化がありませんでした。新たに4齢幼虫になったのもい

るけど、木の下側や途中にいる3齢幼虫がたくさんいます。ただ、糸を出している幼

虫が多くなりました。4齢幼虫になる準備でしょう。



 4齢幼虫になったばかりのようです。







 4齢幼虫予備軍です。







 木の下側や中間、枝先の途中にはまだたくさん3齢幼虫が木にへばりついていま

す。

 夕暮れの勤務時間外に写したので、あせっているのか、ほとんどの写真はぼやけ

ていました。残念。こう寒いとやはり昆虫達の動きも悪いようです。

 
 一番最初に4齢幼虫になったのは、かなり大きくなっていました。5齢幼虫にはいつ

頃なるのかな。

青刈りのサトウキビを与えました。

 昆虫館に植えてあるサトウキビを弟路郎にプレゼゼントしました。青刈りなので水 

分たっぷりで美味しそうです。甘みはかなり薄いようなのでいつもよりたくさん与え

ることにしました。



20080414-01.JPG



 さっそく芯を折って食べましたが、いつもと様子が違います。一口食べた後、少し興

奮しながらいきなり巣作りを始めました。その表情は真剣そのものです。かなり集中

しています。





 場所を移動させながら真剣に巣作りをしています。





少しづつ場所を移動させながら巣づくりしています。



 場所を移動し丸太も使用して興奮気味に作っています。



 こんなんで安心しているのでしょうか?満足そうな顔をしています。

20080420-09.JPG

 また移動です。そしてやっと食事にありつきました。満足な巣の中で食べるのです

から、さぞ、美味しいでしょうね。

20080420-10.JPG

 しばらくして見に行くと、巣は隣の部屋に移動していました。ここが一番安らぐのか

な。その日の気分にもよるようです。



 次の日の朝の掃除が大変です。弟路郎が喜ぶ事を、やればやるだけ忙しくなりま

す。でも、それが飼育員の仕事ですから。

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