札幌100マイル

オランウータン飼育日記&円山四季だより

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2007年07月 の投稿一覧

換羽時しか見られないペンギンの「ぼっち」



 フンボルトペンギンの換羽が続々始まっていますよ。換羽前と換羽終了後のペンギ

ン達を比較すると面白いと思います。(手前が換羽終了。真ん中が換羽開始。後ろ

が換羽中です)




 手前が換羽終了。後ろが換羽前。泳いでいるのが換羽終了です。




 左から換羽終了。二番目が換羽前。三番目が換羽中。四番目が換羽前です。




 古い羽と新しい羽の間には仕切りがあるようです。細かい羽がついてます。




 換羽の時しか見られない「ぼっち」も今、見ることが出来るかもしれませんよ。「ぼっ

ち」とは、尾羽の付け根の背側に、脂腺(尾腺)という蝋(ろう)分や脂肪分を含む物質

を分泌する腺がありますが、そのことをいいます。ペンギン達は嘴で脂腺からこの分

泌物をしぼりとるか頭に擦り付けて、羽毛に塗りつける。これによって、羽毛の防水

効果を高め、高い浮力を得るのです。だから換羽中の個体は体に脂肪分を塗らない

ので、油っけがなく水に入ると溺れそうになって、すぐ陸に上がるのだろうと思いま

す。やっぱり乾いているほうが抜けやすいよね。この分泌物には抗菌効果があり、棒

カビ剤としても作用します。またこの中にはビタミンDになる前プロビタミンが含まれて

おり、それが日光浴でビタミンDに変化化して、羽づくろいの際に口から摂取されま

す。




 尾の先にあるピンクの「ぼっち」が脂腺(尾腺)です。




 抜けた羽根です。多い時は一晩でこの四倍以上ありましたよ。真ん中にペンギンが

いて、そのまわりにドーナッツ状に羽根がありました。

環境エンリッチメント「テイジロウ画伯 描く。」






 最近は壁や床に描くことが多かったけど、この前は久々に紙に書いてくれました。

二日続けて二枚ずつ描いてくれましたよ。今度、紙の形や大きさ、色、肌触りの違う

紙に描いて貰おうと思います。(そのほうが創作意欲がわきそうです。)紙や床、壁の

他には、丸太に一度描いたことがあります。床に描いた絵を消そうとして、シャツで擦

っていましたが、さすがにクレヨンは消せませんでした。

ゴンの紹介。



 2004年10月4日、ゴンは京都に旅立ちました。京都市動物園のヒロミ宅に同居す

るためです。

 繁殖目的でヒロミとゲンキという魅力的な女性2人との甘い生活が始まりました。ゴ

ンはこの世に生を受けて、群れから離れてからは、今が最高に幸せな時を過ごして

いると思います。あんな素敵な女性二人と生活できるなんて、羨ましいかぎりです。

二人の女性とも相性が良く、子づくりも頑張っているのですが、なかなか赤ちゃんに

恵まれません。残念です。

 本来は群れで生活するものですから、一人や二人で暮らすのはおかしな事なので

す。今がゴンにとっても、最高のエンリッチメントだと思います。

 (見にくくてすいません。左からヒロミ、ゲンキ、ゴンの順番です。)


20070726-03.JPG


 左からヒロミとゲンキです。

道内に生息していないヤブキリが・・・。

ヤブキリの♂。

 最近、帰化植物や帰化動物の話をよく聞くようになりましたが、札幌でもカブトムシ

や雷魚、ツチガエル等、本来生息していなかったものが、繁殖し生息域を拡大してい

ます。

今月の十三日、動物科学館の職員に頼まれて、展示用の昆虫を採集しに行きまし

た。そこでハネナガキリギリスの幼虫を採集したつもりでしたが、成虫になってはっき

り分かりましたが、それはヤブキリでした。幼虫を捕獲した時になんか変な感じがし

ましたが、そのまま持ち帰りました。(幼虫の時は見分けが付きにくい。)採集場所の

隣が造園会社なので、きっと本州から木の苗と一緒に卵で運ばれて繁殖しだしたの

だと思います。

普通は卵であれ、蛹であれ、成虫であれ、冬を越せないのですが、きっと温暖化の

影響もあり、この様な事態になったのだろうと思います。在来種に影響を及ぼすよう

になって来ました。



20070726-01.JPG

テイジロウの環境エンリッチメント(採食について)⑩



 今年は見のつきが悪かったので、たった3個しか収穫できませんでした。でも、グミ

がたくさん生っているので、しばらくはこれでいきます。お盆が終わると、お供えの果

物が手に入るので楽しみにしています。たくさん貰ったときは、冷凍にして保存してお

きます。テイジロウとテナガ達の四人しかいないので、食べきれないからです。

 久しぶりに食べる果物を、見た時の表情がいいのです。本当に美味しそうに食べて

いますよ。いつも何を考えているのかわからない表情ですが、よお~く観察して下さ

い。きっと分かりますよ。



 二十年以上収穫できない梨です。カラスが悪戯で実を全部落としてしまいます。袋

をかけても無駄でした。



 グミです。

もりもり食べる終令幼虫が・・・。(オオムラサキ)

もりもり食べてます。

 もりもり食べている終令幼虫。

 


 おとついまでモリモリ食べていた終令幼虫は、とうとう前踊(ぜんよう)になりました。

もう少しで皮を脱いで、蛹(さなぎ)になります。蛹の中では、すぐに大きな変化が始

まります。幼虫のときの体の仕組みがこわれて、足や触覚などが新しく作りなされて

いきます。蛹の色も変化してきます。




 もう少しでこの様な蛹になります。保護色ですね。


 次は卵と一令幼虫を探します。

あっ、オオムラサキの羽化が始まってる。

羽化の最中です。

 蛹の背の部分が割れてきたなと思ったら、カメラを構えているうちに一気に出てき

ました。


羽が伸びだしています。

 写真を撮っているうちに、蛹から出てきて、くしゃくしゃな羽が下に伸びだしました。

最後まで観察したいけど、これからFMの三角山放送局に行き、動物の話をしてきま

す。


やったね。蝶になってる。

 どうやら羽化に成功したようです。残念ながら羽が閉じていており、表の綺麗な模

様が見えませんが、なんか迫力を感じます。綺麗な羽は吸蜜するときでないと見

れないかな。

オオムラサキ速報。



 目の前にいるオオムラサキを見て、興奮して手がぶれてしまいました。きれいに写

そうとして、脚立を取りに行ってる間に飛んでいっちゃった。遠くに飛んでいく後ろ姿を

見て、僕は、ボーぜんとしてしまいました。非常に残念です。何枚か撮っておけば良

かったな。




 これが抜け殻です。

 次は何とか綺麗な羽をお見せしたいと思います。

オオムラサキの羽化、もう間近。



 これは蛹ですよ。運がよければ、今年もオオムラサキの飛翔が見えるかも知れま

せん。今日から毎朝、写真を撮るために蛹を見にいきますね。何とか撮って皆さんに

お見せしたいと思います。




 こちらは終令幼虫です。ただいまお食事中ですよ。すごい食欲なのは、もう少しで

蛹になるからなのかな。

 エゾエノキの葉の先の部分から、シャリシャリ食べているようです。

身体測定を実施。






 身長1m14cm・座高90cm・両手の幅2m56cm・体重は80キロぐらいあるか

な。どのようにして測ったか分かりますか?

 お嫁さんも来る予定なので、少しダイエットさせようかな。

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