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オランウータン飼育日記&円山四季だより

オランウータン飼育日記&円山四季だより

2008年08月 の投稿一覧

さて、どうする?弟路郎。

 今日は朝から雨です。(8月27日)  こんな日は弟路郎も暇なんです。

 
 今日は前から考えていたエンリッチメントをやってみようかな。

 だいたい、弟路郎がどうするのか予想はできるけど、やってみないとわかりませ

ん。



 長さ60cm・太さ4cmぐらいのゴムホースの中に、パンとサツマイモの蒸したものを

詰めました。   さて、どのようにして中の食べ物を取り出すでしょうか?



 枝をホースの中に入れて、ホースを取ろうとしています。でも枝が折れちゃった。


 
 けっきょくシャツを使って取りました。



 まず、じっと見て、匂いを嗅いでいました。



 次に中を覗いていました。



 やっぱり齧りました。思ったとおりです。でも中々ちぎれません。



 最近、ずるいんだよね。取ってくれと人に頼もうとしている。





 僕は枝を使って、穿ったり、押し出したりして欲しかったので、簡単な、長さが半分

のホースを与えました。 そしたら直ぐに枝を使って食べる事ができました。その調子

で長いホースもやってくれたらなと思い、また長いホースを与えました。



 そしたら何か考えているふうでした。穴を見ながら、短いホースと同じやり方では無

理かな?なんて考えているのかな。



 けっきょく、ホースの途中に開けた穴に枝を突っ込み、穿って食べることにしたよう

です。



 これが一番いい方法?



 最後は、中の食べ物が取り易くなったので、枝でほじくって食べました。


 たったこれだけで、弟路郎は大喜びです。その後もホースを宝物のようにしていま

す。 でも明日には飽きるでしょうね。

インドガンの雛も若鳥になっていました。

 春に孵化したインドガンの雛も、いつの間にか大きく成長していました。





 真ん中にいるのが今年の春に孵化した個体です。お父さんやお母さんに比べると

一回り小さいけど、りっぱに成長してました。(手前にいるのがお父さんだと思いま

す。)



 やっぱりお母さんのそばがいいのかな。


 
 園内の木々もうっすらと黄色く色づいてきました。もう秋ですね。

 インドガンの雛も大きくなる訳だ。



20080825-05.JPG

 ナナカマドやマユミの実や葉も色濃くなってきましたよ。

20080825-06.JPG

 ミズナラに、いつの間にかドングリがついていました。 動物たちの為に、ドングリ採

集の準備をしようかな。

 

 一年が経つのって早いものですね。特にこの数年はすごく早く感じます。一日三十

時間ぐらいあればいいのにな。 ふと、そう思いました。

 

こういうのを見ると止められないんだよね。

 8月21日のことです。   ゴンの屋外放飼場に、2メートルぐらいに伸びたアカザ

が、たくさん生えていたので与えることにしました。   人間も食べれるのだから弟

路郎も食べるかもよ。食べなくても巣材にでもするだろうという感覚で与えました。



 待ちきれないと言う感じだったので檻越しに与えました。



 まずちょろっと食べてから、っと思ったら、いきなり興奮しながら真剣に巣作りに取

り掛かりました。茎を折って差し込んだりして、丸く枝を組んでいっています。



 場所が気に食わないのか、アカザを隣の部屋に運びました。



 ところが、この部屋も気に食わないのか、また、隣の部屋に運んでしまいました。



 あ~あ、明日の掃除が・・・。  でも、これが飼育員の仕事ですからね。

 

 興奮しながらも真剣に作る弟路郎の姿を見ると、僕は嬉しくなっちゃうんだよね。

 少しは暇つぶしになったかな?刺激になったかな?ってね。喜んでくれるのなら僕

は満足です。

 
 さあ、次は何をしてあげようかな。

弟路郎の足に注目。

 僕はオランウータンの手みたいな「足」に興味があります。チンパンジーの足も,

手と同じように物をつかんだりできますが、完全な樹上生活者のオランウータンと

は、ちょっと違うんだよね。







 リアルな写真でしょう。僕にはどうみても足には見えません。特に2枚目の写真は

手のようにしか見えません。



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 しっかりと握っています。

20080410-05.JPG

 鎖の間に挟まっているパンを食べながらも、足で宝物のビニール袋を握っていま

す。





 こんな時でも足でビニール袋を握って離しません。取られることはないのにね。


  
 容器に入った水に警戒しながらも、すぐに高い所に逃げれるように鉄柱を足で握っ

ています。生き延びるための本能でしょうね。



背伸びをしています。 

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手だか足だか判らないや。

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 おっちゃんこ座りです。可愛い座り方でしょう。   よく見ると足の側面を地面につ

けています。だから歩く時、すごく不恰好で不安定、チンパやゴリラのように早く走れ

ないのです。  完全な樹上生活者の足ですね。

 主に樹上で生活するチンパンジーだって、人間と同じ、歩く時は足の裏を地面につ

けているよね。同じ類人猿のゴリラも同様です。



まさしく樹上生活者。こんなのおてのものだよ。リンゴなんか食べるのに三十秒か

からないよ。


 足は手に比べて握力は明らかに弱いですが、人間よりは高いと思います。一度、

片足でロープにぶら下がったのを見た事がありまが、弟路郎は体重が百キロを超え

ているんだよね。


 新しい何かを発見するかも知れないので、これからも足に注目していこうと思いま

す。

最近よくやっていること。

 どんな意味があるのかな?最近よくするんだよね。



 これは弟路郎が作ったベッドですが、大きなプラスチックの容器を布で包んでいま

す。



 毛布を剥ぐと中に容器があります。





 その他、シャツの中に容器を入れたりもします。

 これはやはり僕の真似ですかね。僕もこのようにする時があるからです。中に食べ

物を入れて、シャツや布で包んだり、袋などに入れたりして与えています。いつも僕

のする事をじっと見ているからね。


 こんな時いつも思うのは、「動物たちと話がしたい」 ということです。できるだけ弟

路郎が望む生活をさせたいからです。野生の生活はわからないから、ボルネオに帰

りたいとは言わないでしょう。言われても困っちゃう。


 担当者を変えれっ!て、言ったりしてね。
 

 
 

驚いたというより気持ちが悪かった。



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 これ何だか判りますか?触った感じはざらざらしていました。

 謎の生物?

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 その名は「シャチホコガの幼虫」でした。ちなみに成虫はごく普通のガに見えまし

た。 幼虫は鯱鉾に似たポーズをとります。擬態だね。  ヨーロッパではこの姿をエ

ビに見立てて、ロブスターモスと言うそうです。  この絵は前胸部の足が長すぎた

かな。


 動物園の正面入り口の所にいたそうです。大きさは4~5cmごらいあるかな。
 

 新種のガもまだたくさんいるそうです。もっと変わったガがいるかも知れないね。

弟路郎君、いつかやると思いました。

 弟路郎の暇つぶしかな。とうとう穴掘りを始めました。

 左の展示場奥は火山灰土がひいてあり、その上に芝生を張っていますが、上には

庇があって雨が振ってもガードされています。水を撒いてあげていますが足りないの

かな。それに日当たりも悪い。だから根の張りが良くありません。引っ張るとすぐ抜け

るので、面白がってよく引っ剥がしていました。 土がむき出しになっているので、い

つか穴を掘るのではと思っていました。





 穴の直径は約五十cm、深さは約三十cmありました。


12日と13日は、朝からよく左の展示場の左奥の草の上に座っていることが多く。な

んか怪しい感じでした。12日は小さな石を持っていました。勿論、取り上げました

が、13日もまた怪しい動き。   人用扉のガラス窓から覗いてみると。やっていまし

た!



 大きな石で、土を叩いたり掘ったりしていました。じっくり真剣にやっていましたよ。



20080817-04.JPG

 石とバナナを交換しました。

 やれやれ。


 とりあえず土で埋めて、水を撒いてぐじゃぐじゃにしておきました。今日まで何もしな

いとこをみると飽きたかな。  映画の大脱走みたいにはならないでしょう。

 

テナガザルの環境エンリッチメント 1

 忙しさにかまけて、テナガザルのエンリッチメントについては、殆どやっていません

でした。毎日のようにやらねばと思いながらも一日が終わってしまうの繰り返しでし

た。 今までに行ったことと言えば、給餌回数を増やして、与える食べ物の種類をふ

やしたり、たるんだロープをつけたり、日陰部分を作るために桑の木を1本植えたり、

窓のところに休息台を設置したぐらいです。



左側に座っているのが母親の「グレコ」です。右側にいるのが娘の「ユリ」です。



 この子が息子の「タロウ」です。

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20080813-02.JPG

 このままでは、いつまで経っても現状維持なので、ブログにテナガザルのエンリッ

チメントをやります。と載せることにしました。 そしたら、やるしかないですからね。 


 第一弾!  管理の吉野さんに植えてもらったミズナラです。この木が生長したら

日陰部分ができ、ドングリが生って食べれるようになります。(何年かかる?) 檻側

に生える葉っぱは、食べられますが、反対側はお客さん側に伸びるから、食べられ

ないので木は死なないはずです。

 第二段は既に仕込みの最中です。 

 第三弾は今、考えていますよ。

 

なんせ狭いので、あまりごちゃごちゃさせると、雲梯(うんてい)ができなくなるので

す。 それが難しいところです。

孵化しました。小さくてめんこいです。

 今年も昨年に引き続きクジャクの雛が孵化しました。卵を産んでは取り上げていた

けど、最後の卵を抱き始めたので、自然孵化させることにしたようです。だから、今年

も一人っ子です。



 この写真は今日写したものですが、お母さんが警戒して子供を守るので、なかなか

うまく撮れません。
  
 

 4日に孵化して5日の日に写真に撮りました。左側にいるのが昨年孵化した子供で

す。大きさはお母さんと変わりませんよ。今日(10日)に見に行ったら隣に移されて

いました。きっと、やきもちでもやいて、雛にちょっかいでもかけたのかな。それとも今

回は、相当お母さんがピリピリしているから、安静にするために分けたのかも知れま

せん。



 お母さんはガッチリ守っていますよ。威嚇の鳴きが凄い迫力です。尾羽を立てて向

かってくる時もあります。

 お父さんは全く知らん振りしています。まるで他人みたいですよ。

手製「箒」を作ります。

 オランウータンの屋外放飼場は、主にイネ科とマメ科牧草を混播して植えていま

す。雨とその後の好天続きでグングン伸びています。  そこで困ったことがおきまし

た。残餌やサトウキビの吸ったカスや糞便を、長く伸びた草が邪魔して取りづらくなり

ました。色々な箒を試してみましたが、なかなか使いやすいのが無いのです。 そこ

で、現地の動物園で使っている箒を作ろうと思いました。実際に使わせて貰ったら、

最高に使いやすいのです。 その箒は、一般の市民が使っている箒を柄を短くして使

っています。



 ヤシの葉の茎?を使って作ります。写真の真ん中の芯を、たくさん作って乾さなけ

ればなりません。これが、実際にやってみたら大変です。 


 いつ完成するのやら。  完成したら実際に使っているところや、使い心地を報告し

たいと思います。

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