札幌100マイル

オランウータン飼育日記&円山四季だより

オランウータン飼育日記&円山四季だより

2008年09月 の投稿一覧

久々!ゴンの近況、パート1です。

 京都市動物園からゴンの写真とメールが届きました。

 紹介しますね。

 治療等で一人暮らしをしていたゴンですが、久し振りにヒロミとゲンキと3頭同居

しましたが、何事もなくスムーズにいったようです。 元気そうなゴンの写真を何枚か

紹介します。



 大好きなクローバーを食べています。  美味そう!  なかなか質のよいクローバ

ーですよ。



 円山にいる時もこんなポーズをしていたよ。




 こんないい所に住んでいるなんて最高だね。



 爺ちゃんなんて言わないで!  まだまだ元気だよ。  どうです、この面構えだも

のもてる訳だよね。

 京都では、茶髪の「ゴン」って、有名なんだよ。

 
 とにかく元気ですよ!!

花のある生活。

 アメリカのゴリラなどには、よく花を見せたり、たくさんの花を食用として与えている

ようです。  弟路郎にも、花を食べたり観賞して貰うために、たくさんの花を植えまし

た。 秋になってたくさんのムクゲの花が咲き出しました。ところが咲き出すと、花を

採って捨ててしまうのです。食べるのならいいのですが、捨てられるの花が可哀相

かなと思いましたが、たんに採りたい、採って遊びたいのなら、それもまあ、いいの

かなと思うようにしました。





こんなに綺麗に咲いているのに勿体ないな。




20081008-10.JPG

20081008-11.JPG

無残だ。 でも採りたかったのだから、しかたがありませんね。 確かヒマワリの花

もそうだった。


でも、野草類の花は採ったりしなかった筈です。 園芸種は大きい花や、目立つ花

が多いので、興味がわくのかな。 でも、最近は採らなくなりました。食べても美味し

くない?採るのに飽きた? 来年は、春や夏、秋の花をもっと充実して、弟路郎に見

て貰おうと思います。 花を植えると蝶や蛾、虻などたくさんの虫達が集まってくるん

だよね。枯れた枝にはトンボ。大きなハルニレにはアカアシクワガタ。草の中にはエ

ゾスズが鳴いています。本当は、鶉やウサギなども放し飼いにしたいんだよね。 弟

路郎はきっと喜ぶと思います。 

 さあ、来年の為に花の種と苗の用意を使用かな。 

20081008-12.JPG

昆虫館のナナフシがピンチ!

 4月に昆虫館を担当した時には、草の中やハイビスカス、ランタナの木にけっこうな

数のナナフシがいました。大、中、小と揃っていましたよ。餌は当園ではハイビスカス

の葉を餌として食べさせています。  

 飛翔室で自然繁殖させています。





どこに居るのかわかりますか? 上の写真はメスです。大きさが雄の倍はあるか

な。下の写真は雄です。細くて小さいよ。 このように飛翔室で放し飼いにしていま

す。

 

 ところが最近、ナナフシの数が激減したのです。考えられるのは外敵の蜘蛛です。

それも「蜘蛛の巣を」かけないで獲物を得る蜘蛛です。ライオンのように獲物に飛び

かかって掛って捕食したりします。小さくて敏捷です。ジャンプ力が凄くて、30cmぐ

らいはピュッと飛ぶのではないかな。  それと、カナヘビです。誰かが放したのでし

ょうね。




 アマミナナフシは単為生殖できるので、メスさえ確保すればいいのです。では、オ

スは何のためにいるのかな?(勉強不足でスイマセン。)






 こんな感じで卵を産ませました。

 9月の2日から卵を採集しだして、9月23日現在で109個も採卵できました。



 糞も卵もゴチャゴチャです。 卵は植物の種子に擬態しているといわれています。

卵だと、やはり食べられやすいのでしょうかねえ。



 糞の中から卵をより分けます。 あとは孵化を待つのみです。



 いつ卵から孵ってもいいように、ハイビスカスの苗でもつくろうかな。いつでも新芽を

食べれるように細工しなくちゃならないね。



 今日やっと問題の蜘蛛を捕獲しました。



 脱皮中の子供ですよ。上側が古い服です。 生まれた時が長さ1cmぐらいかな。

飼育箱である程度大きくなってから飛翔室に放していこうと思います。







 これはお母さんですが、けっこう大きいでしょう。 あの足の先が、葉や枝にビタッと

ふっついて、風が吹いても落ちないようになっています。


 
 上の写真は雌で体の色が木の色に似ていますが、手で持っている雌は、葉っぱの

所にいたから緑色になっています。
 
 ナナフシは植物の枝に擬態したり、保護色になるから見つけるのが大変に難しい。

だから苦労して見つけた時の感動が最高にいいのかな。 けっこう人気があるんだ

よ。

 ハイビスカスはたくさんあるから、ナナフシの餌に困る事はないでしょうから、がん

がん増やしてみますね。

帰化動植物・カブトムシ発見。

 札幌市内でも今では珍しくなくなったカブトムシ。 9月30日、前田森林公園の近く

の前田公園で採集しました。オスで弱っていました。 もういなくなる時季だものね。

大きさは7cm弱の小振りです。

 本来道内には生息していない昆虫ですが、実は三十年以上前から繁殖しており、

分布域を拡げています。昔は林業の町に行くと捕獲することができましたが、現在で

はそれとは関係なく、札幌市内でもたくさん生息するようになりました。 





ちょっと小さめだけど、北海道産はこんなものかな。もっと小さなカブトムシもたくさ

んいるよ。

 子供の頃、欲しくてどうしようもなかったな。 お小遣いでインコやブンチョウ、ハトの

餌や魚の餌を買ったりしていたから、高価なカブトムシはどうしても買えなかった。ク

ツワムシも欲しかったな。仕方がないので、クワガタムシやコガネムシ、セミなどをた

くさん捕まえて飼っていました。 僕にとっては憧れのカブトムシでした。



 子供にとっては、今も憧れの的のようです。自分で見つけたから尚更嬉しかったよ

うです。 

 昔とちがって現在は、外国産の様々なカブトムシが売られています。捨てられたり

して、日本産カブトムシのように、将来、外国産の様々なカブトムシが繁殖して、北海

道の自然を破壊するようなことにならなければいいのですが・・・。


植物だって帰化しているのがたくさんあります。 園内にもけっこうありますよ。



 真ん中の木がシンジュです。その上の若草色の木はニセアカシヤです。右端がセ

イヨウグルミです。高さが20メートルほどに伸びています。成長が非常に早く、丈夫

で繁殖力も旺盛です。



 ライオンの屋外にも生えています。種が飛んできたのか、鳥の糞の中に入っていた

のか、いつの間にかこんなに大きくなっていました。



 人止め柵の中にも生えていました。札幌市内のいたる所に生えているんじゃないか

な。



 これはニセアカシヤです。高さ20メートルはあるかな。市内の街路樹としても名が

しれています。



 手前がニセアカシヤの幼木で一番奥がシンジュの幼木です。どこからでも生えて

きます。根元から切っても切ってもなかなか死にません。 ちなみに日陰部分に生え

ている草は、イワミツバと言って、これも帰化植物です。(食べれるよ。)

 カエルにバッタにカブトムシ。たくさんの生き物達が帰化しています。今、すごく問

題になっているのはウチダザリガニですが、繁殖力が強く、池や湖、川だどに生息し

ている魚や色々な生き物を片っ端から食べていっています。水草なんてあっと言う間

に食べつくしちゃうよ。このままだと近い将来、在来のニホンザリガニは絶滅してしま

うでしょうね。

 

採集してきました。

 昔の動物園みたいに昆虫復活だ!

 僕が飼育員になった頃は、園内には十数種類のバッタ類が生息していました。キリ

ギリスにトノサマバッタ、エゾエンマコオロギ、クサキリ等たくさんいましたよ。園内整

備等いろいろ行う内に、ほんの数種類に減ってしまいました。勿論、数も激減しまし

た。  それを復元していこうと言う事で、園内の一部に草原(くさはら)をつくりました。

すると、建物の淵などで細々と生活していたバッタ達も、移動してきて繁殖しだしまし

た。 でも園内で絶滅したコオロギは復活しようにも・・・。そこで、エゾエンマコオロギ

を復活させるべく、繁殖作戦を展開しようと思います。   (本当は弟路郎の屋外施

設に放そうと思っただけなんだけどね。) 

まずは、コオロギ採集です。





 石など隠れる場所が無い原野みたいな所だから、採集するのに苦労しました。最

終的には♂12匹、♀7匹を採集しました。



 この歳になっても昆虫採集は楽しいわ!

  
 昆虫館は年中暖かいから、卵を産ませて低温処理をして、早く孵化させ、短期間で

成虫にして、またたくさん産卵させての繰り返しをします。そして、野生のコオロギに

合わせて成虫にさせるのです。さて、上手くいくでしょうか?上手くいったら今度はキ

リギリスです。これはかなり難しいよ。何故かと言うことを説明するのも難しいです。





 19日に採集して20日の今日、セッテッイングしました。 このシャーレの砂の中

に卵を産み付けるのです。1個ずつ丁重に生んでいきます。  
 
 弟路郎の屋外施設に色々な生き物を同居させたいです。 来年の秋にはコオロギ

の歌を聴かせてあげたいです。 待ちきれない?何匹か放そうかな。

またやっちゃいました。

 18時過ぎからやっていたのに、一瞬で全部消えちゃいました。すごくショックです。

ブログの途中、調べ物をしてから消していったら、間違えてブログのやつも消しちゃっ

た。 力尽きました。もう帰ります。  明日は週休だけど小遣いもあまりないし、昆虫

採集にでも行こうかな。

姫リンゴ食べ放題。

 ボランティアの方に姫リンゴを貰いました。枝に鈴なりに生っているので、そのまま

与える事にしました。かなりの量がついていましたよ。



 夕食時に与えました。

 今日は特別に姫リンゴの食べ放題です。



 普通のリンゴに比べればかなり小さいけど量があるからね。大丈夫かなと少し不安

になりました。



連続10個を平らげましたが、食べ方がイマイチ汚いんだよね。食べるけど大好きと

言うわけでもないみたいです。



 食べた後はこんな感じです。 翌朝までにそこそこ食べたようですが、たくさん残っ

ていたので再度与えました。  屋外では、気が向いたら食べたり、長いこと口の中

に入れていたりしていました。 相変わらず種は出しているので、そこから発芽したり

してね。 まるで野生の状態と同じになっちゃうよ。 



 屋外で色々な果物等を食べているので、吐き出した種が発芽して、それこそ、野生

と同じで、それが育って将来、実が生るようになったりしたら、素晴らしいんだがね。

採って直ぐ食べる。やっぱ新鮮が一番だよ。

 前にも一度チラッと載せたけど、やっぱり自分で食べたくて、選んで採って食べる

のが一番新鮮で一番美味しいと思いますよ。



 ぎゅっと腕を伸ばして枝をつかみます。そして、



 枝を引っ張って新芽を食べます。



 これも腕を伸ばして食べています。



 これは、数分前に採集してきて与えたヤナギです。(ヤナギでも種類によって嗜好

性が違います。) 新鮮で美味しいはずですが、自分で採って食べる方が美味しそう

に食べています。それに、生えている木の葉を食べる場合い、完全に枯れるまでは、

今のところ食べていません。 



 あれっ、これは以前にも一度のせたっけ? ぶら下がりながら食べています。



 枝を折って、ゆったり食べます。


 
 これは秋グミの実を食べているのかな?もっと実が小さな時は、実をとって口で飛

ばして遊んでいました。葉は食べないよ。この百十種の中には、多少毒を含んでいる

木も植えているからね。 嫌いな葉もあるしね。



 危なっかしいよ。一番高いポールの上だからね。



 これは、毒のあるツリバナだから、穴ほじくり用の枝を取っているのかな。

20080914-10.JPG

 このイタヤカエデは、お気に入りの木の一つです。ある程度若芽が生えてきたら、

こうしてぶら下がって食べていますよ。 よく枯れないもんですね。

  
 このようにしたいから、雪降る前と来春に、作った木の苗を植えていきます。何でも

そうだけど、継続して維持していくのは、けっこう大変だよ。僕は植物が大好きだか

ら、ぜんぜん苦にならないけどね。  業者任せだとお金がかかるからね。  明日も

種と木の実採集、木の苗作りをしようかな。弟路郎のためにね。

 
 腹が減ったよ。もう駄目です。帰ろう。


 

弟路郎のベッドの紹介です。

 弟路郎は毎日ベッドを作ります。 

 色々な物を集めてきては自分の周りに円を描くように作ります。毎日違うベッドを作

る訳ですが、やっぱり色々と考えて作るのでしょうか?何をどのように並べて使おう

か?なんてね。





20080911-02.JPG





 どうです、色々な物を使っているでしょう。 

 今度、絵画展じゃないけど、ベッド展でも開こうか。

 
 出来上がったベッドの中で何を考えているのでしょうか。

  
 ブログのネタはまだあるけど、なんか書くのが疲れてね。  眠たいんだよ。だか

ら、ベッドで誤魔化したさ。 こういう時は書かないほうがいいのかな。

20080911-07.JPG

 こんな感じで寝ちゃいますね。今日は早く寝ようかな。

 (左側が頭だよ。)

 

最近、弟路郎の視線が気になってね。

 最近、弟路郎はポールの上によく乗っているんだけど、たんに景色がいいからだけ

ではなくて、実は高い所から僕を探しているのです。以前にも話したことがあるけど、

淋しくて僕を探しているんだよね。そばにいて欲しいのです。僕を見つけるとそわそわ

します。そばに近づくとすぐに下に降りてきます。代番など他にも仕事があるから、あ

っちこっち行ったりするけど、そのつど彼も移動したり、近くに寄ってきたりと忙しそう

です。代番でチンパンジー館や熊館に行くと、その方向に近いポールの上で僕が戻

るのを待っているんだよね。



 チンパンジー館に行った僕を待っていて、待ちくたびれている弟路郎です。





いつもこんな感じで僕を探しています。



 熊館に行った僕が戻ってきたら、こちらをじっと見ていました。近くに来てから爬虫

類の方に向きを変えたら、僕が見えなくなるので、慌ててポールの上に仁王立ちしま

した。そしてこの様に僕を見ているのです。なんかいじらしいよ。

 これがポールの上に立っている弟路郎です。小さくて見えづらいかな。もう一枚あ

るけど、ぼやけているんだよね。



 いつも、ぼやけてる写真が多いけど、これはかなりでしょう。


でも、よくあんな高い所に立つよね。僕も試した事があるけど、登るとポールが揺れ

て、足が震えて立てませんでした。おまけにポールが揺れるのです。  元々オラン

ウータンは樹上生活者だから、高い所は平気です。敵から身を守り、たくさんの食べ

物がある、そういう所でなければ野生では生きていけません。でも、飼育下では、樹

上でなくても生きていけます。樹上より地上の方が安全ですからね。だから、景色を

見るとか、食べ物があるとか、理由がなければ高い所に居る必要がありません。ただ

本能があるので高い場所は必要です。体の構造もそうなっているしね。  「猿も木

から落ちる。」 実際、他の猿で落ちたのを何度か見たことあるけど、弟路郎は僕に

似てドジだから、万が一落ちても怪我をしない高さにしました。  それでもかなり高

いんだよね。


 淋しいんだよね。  もっとスキンシップの時間を増やしてあげないといけないね。も

っと努力しなきゃいけないや。反省! もし、弟路郎にお嫁さんが来てくれたら、もう

僕には、今みたいにかまってくれなくなるかも知れません。
 
 

 明日も視線を感じながら働きますね。

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