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オランウータン飼育日記&円山四季だより

オランウータン飼育日記&円山四季だより

2008年12月 の投稿一覧

静か過ぎます。

 昨日(29日)から動物園は閉園しています。年に三日間だけの閉園です。

 掃除のおばさんやおじさんも、売店の人達もいません。大雪でないので管理や事

務の人達もいません。なんかすごく寂しいですよ。シーンとしています。時おり、オオ

ワシやニホンザルが鳴いています。

 
 飼育員は普段となんら変わりなく働いています。







 弟路郎もテナガ達もいつもどうりの生活です。 鳶のデュークだってお客さんがい

なくても、トレーニングで空をグングン飛んでいました。


 本当に静かだわ。 気持ちが悪いぐらい静かです。

 

 考えてみたら、僕は動物園で働くようになって二十数年、一度も元旦に休んだ事が

ありません。明日も明後日も新明後日も仕事です。 

 
 今日は早く帰ろうかな。

クリスマス。

 今日はクリスマスです。
 
 弟路郎に何かご馳走をあげたいなと思いましたが、めぼしいものはなし。どうしよう

か考えながら動物園に行ったら、机の上に真っ赤な袋が置いてありました。僕ので

は絶対にありえないから、これは弟路郎のだ!

正解でした。 富山の干し柿です。 

東京からわざわざ、レデイーや弟路郎に会いに来てくれたファンの方からのプレゼン

トです。 ありがたいことです。

 
 さっそく弟路郎に与えることにしました。



干し柿を食べるのは、ほぼ一年振りかな。大好きな干し柿ですから見た瞬間、目の

色が変わりました。 僕も一口食べたかったな。勿論、テナガ達にもお裾分けしまし

た。 

ちなみに生食する柿も大好きですよ。そう言えば今年はあたってないかな。





 
 大切に大切に少しづつ味わって食べていました。 キャベツなんかを食べている時

と食べ方がぜんぜん違うんだよね。


20081226-03.JPG

 そしていつもどうり種を出していました。 でも、全部食べ終わるまで、ヘタと種を左

手で大切に持っていました。 何か意味があるのかな?


 来年はお小遣いをちょっと奮発して豪華にいきましょうか。


 話は変わりますが、昨日は暖かくて雨が降っていたのに、今朝になったら三十cm

ぐらい雪が積もっていて驚きました! 今日は人によっては飼育員というより、除雪

作業員と言う感じの人もいました。いずれにしても除雪作業に追われる一日でした。

家に帰っても除雪をする人もいるのではないかな。

 しんどい一日でした。

エゾエンマコオロギの孵化準備。

 9月下旬に採集したエゾエンマコオロギもたくさんの卵を産卵してくれました。 

 

11月初旬に最後の雌が死んでしまい、産卵したたくさんの卵をシャーレごと冷蔵

庫に入れ低温処理をしました。(確か3度だったかな。)  これから目覚めさせようと

思います。  




 乾燥させないように砂を湿らせておきました。 温度は3度に設定です。冬の状態を

想定して低温処理しました。 一応、失敗した時の保険で、もう一つのシャーレは冷

蔵庫の中で保存させる事にしました。 バッタ類の昆虫を冬季に孵化させ、育てるの

は小中学生の時、以来だから自信がないのです。 

 
 孵化させて早く成長させ、たくさん産卵させるのです。 そして、次に孵化させる時

は、自然のコオロギが孵化する時季にあわせて孵化させ、弟路郎の屋外放飼場に

放すのです。 残りのコオロギギは以前に生息していた場所に放そうと思います。 

来年の秋には園内でエゾエンマコオロギの鳴き声が聞こえることでしょう。 
 



 この容器の中には数百個の卵が産み付けられているでしょう。 たぶん2~3週間

ほどで孵化すると思います。 




 あと3ヶ月もしたらこの様な状態になるでしょう。 

 弟路郎の外放飼場にはエゾスズはたくさんいましたから、来春、暖かくなったらす

ぐに鳴き出す個体もいるかも知れないよ。エゾスズは成虫で越冬する個体もいるか

らね。


 オランウータンのために、コオロギを繁殖させて放飼場に放したりする飼育員もあ

まりいないかも知れないね。(やっぱり変かな?)  

 
 来年はザリガニやカナヘビ、色々な昆虫類、カエル等も放してみようと思います。本

当は、ウサギや鳥なんかも弟路郎と一緒に生活させたいのだけどね。

最近、容器に水を入れて遊んでいます。

 
 じっとある容器を見つめていた弟路郎は、その容器を口にくわえて歩き出しました。

そして隣の隣の部屋に行き水を汲んできました。



 


 何をするのかじっと見ていたら、何見ているんだよ!っと言う感じでこちらを見てい

ます。






 しきりに水を口に含んでは、また容器に戻してを繰り返していました。 何が面白い

のかな? しばらくの間やっていましたよ。 そして次は・・・。


20081214-04.JPG

 シャツを容器の中に入れてジャブジャブしているのです。何をしているのかしばらく

眺めていたら、今度はお掃除です。床を拭いて?いました。 そしてその汚い水

に・・・。




 小松菜を, その汚い水で洗って?食べていました。


 この後は何をするのかな? 時間がないのでここまでしか観察できなかったけど、

一日いっぱい観察したらもっと面白いことをするのを見れるかも知れないね。 あれ

もやっぱり僕のしている事を真似しているのかな。  水を吸って口からジョ~っと出

したりしているのは、明らかに遊びだよね。 それとも泡を見て楽しんでいるのかな。


 何でもいいから暇つぶしになっていればいいんです。 

 
 昨日、弟路郎ファンのファミリーから、キウイと梨とマンゴウの差し入れがありまし

た。 今日、一度に全部与えたところ、すっごく喜んでいました。毎日、一種類ごとに

与えようと思いましたが、たまにはいいかな。  

 食べている姿を載せようと思いましたが、全部ぶれちゃってダメでした。  すごく美

味しそうに食べていたのでお見せしたかったです。
 

弟路郎のお昼ね。

 早寝、遅そ起き、昼寝が大好きな弟路郎です。

 
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いつもこんな感じでお昼寝しています。 

 
 野生のオランウータンは、毎日、樹上に木の枝で巣を作り休息します。

 
 弟路郎は本能でガラクタ?を使い巣を作っているのでしょうね。 たまあに台の上に

作る事がありますが、殆ど床に作っています。 上に作ったほうが眺めもいいし、敵

から身を守る事を考えても、また、本能のことを考えても上に作る方がいいと思いま

す。でも飼育下では、床に作った方が楽だし安全だよね。だって下に落ちる心配がな

いもの。 

 
 今まで体の回りに何も無い状態で、弟路郎が寝ている姿を見たことがありません。

 

パッションフルーツの差し入れです。

 

 ボランティアの方にパッションフルーツを頂きました。勿論、弟路郎への差し入れで

すよ。 僕は実際に食べたことがないので、匂いや味はわかりません。食べ方もどの

部分を食べればいいのかも判りません。 弟路郎の食べ方をみて勉強しようと思い


ます。

 


 もしかしたら弟路郎も初物?人差し指と親指ではさんで取りました。いつも初めて

食べる時は慎重にしているからね。




 最初は匂いをしきりに嗅いでいました。そしてかるく歯を立ててから、また匂いを嗅

いだりしてました。実に穴をあけて匂いを嗅いでから、中にぎっしりと詰まった種の塊

から、一粒?の種だけを口に含み、そのまわりについている果肉を食べてからぷっと

一粒出しました。 それから種の塊を口に含んでから、果肉をきれいに食べてから種

をまとめて出していました。






 いつもどうり果物の種を撒き散らしていました。




 けっこう気に入っているようで、もう一個確保してから食べていましたよ。剥いた皮

の内側も食べていました。 美味しいのでしょうかね? 蜜柑の皮の内側も食べてい

るから同じ感覚なのかな。






 じっくり味わって食べていました。 




翌日の朝、皮と種のみを残していました。 

 弟路郎は、蜜柑の皮とかは食べないから、そのまま与えらる事ができます。 類人

猿は果物を食べるときに、皮をむいて食べることが多いのですが、問題なのは最終

的に残ってしまった皮を食べてしまう事があるのです。残留農薬の事を考えると皮

をむいて与える方が安心できます。  だから普段は皮をむいて与えていますよ。 
 

 そういえば今シーズン、まだ柿を食べさせていなかったかな?仕事帰りに何個か買

ってあげようかな。 

さっそく与えてみました。

 

 西洋タンポポ、エゾノギシギシ、ヘラオオバコの3種を朝一番で与えました。 いき

なり手に取って根の部分を噛み砕いたりしていました。食べ始めるのかなと思った

ら、正直者の弟路郎はあまり美味しくなかったのか、他の食べ物を食べ始めました。

(せっかくカメラを構えているのだから、内心、すぐに食べてくれるのを期待していまし

た。)








 温室の中では美味しそうに見えたけど・・・。 屋外放飼場にいる時は、生えている

やつを自ら千切って食べていたんだよね。 柔らかかったから?


 食べるかどうか待ってられないので、(あまり時間が無いので)  他の仕事をして

から再度見に行ったら全部食べていました。 あまり好んではいないのは確かみた

いだけど、春までたまあに与え続けようと思います。




 タンポポを少し栽培しようと思います。   確かテナガザル達は喜んで食べてくれ

たんだよね。






 残念ながら写した写真は全部ぶれていました。  タンポポを手に取りながらも、他

の食べ物を探しています。  

 
 

明日は蜜柑温室産のタンポポを与えようかな。

 

 冬場はやっぱり大変だわ。食事に飽きさせたくないから毎日の献立で頭を悩ませ

ています。人間と同じく食事に変化をつけないといけないからね。

 

 夏場はけっこう色々な食べ物を採集して与えたりもしていましたが、冬場は雪が

積もってなかなか採集できません。 




 今まで気がつきませんでした。僕が担当している昆虫館には蜜柑温室があって、そ

こには雑草のタンポポが生えているのです。 農薬をかけていないので、安心して食

べて貰うことができます。

 
 早く与えたいよ。 

 採れたての新鮮なタンポポ、見ただけで美味そうに見えます。  早く食べる姿を見

たいな。 早く明日にならないかな。すごく楽しみです。  

これが人間だったら、サラダに炒め物、タンポポコーヒーに、根はキンピラだね。まだ

まだ作れそうです。


  

 

絵が完成するまで。

 初めて絵を描かせた時に比べて、描くまでに時間をかけるようになってきました。 

大人になってきたからでしょうか。現在は、描くのも絵の具の調合もじっくり時間をか

けてやっています。




20081127-00.JPG

 何度も色を混ぜ合わせたり筆でかき混ぜていました。




 まず原色の黄色から描き出しました。






 そしてその黄色の上に緑色で塗りつぶしていました。




 今度は調合した絵の具を使って本格的に描き始めました。




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 何度も真剣に混ぜたり、擦りつけて描いていました。




 わかりますか?この真剣な表情、集中してじっくり描いていますよ。  右手で絵の

具を混ぜながら、左手で絵を描いています。   弟路郎はどっちが利き手?かな。


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 出来上がりました。 弟路郎は何を表現したかったのでしょうか。

 題名は・・・。 

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