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オランウータン飼育日記&円山四季だより

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『ゴリラ』カテゴリーの投稿一覧

寒がりだった「ゴン」

 寒がりだった「ゴン」ちゃん。 

 4月~5月頃、気温が上がり始め13~14度ぐらいになる日、ゴンにとっては「微妙

な温度」で外に出ようか出ないか迷います。 外に出てから温度が下がり、中に入り

たい時に入れてくれない。(他の仕事があって入れられない。) そんな事があると翌

日暖かくても前日の事を思い出すのか外に出ない事もあります。春と秋はいつも悩

んでました。  ゴンも僕もね。





 そんなゴンですが、真冬の風が無くて陽が照っている日は違います。お昼ご飯を与

えにいくと、外に出せと僕にアピールします。カウンター扉を開けてあげると、喜んで

出て行きます。 長い時は十三時から15時半ぐらいまで外に出っぱなしです。
 
 寒い筈なんだけどね~。 外の空気をたくさん吸って、広い空間を眺めたい。眼を

細めて遠くを見ています。 時には朝から外に出る時もありました。


 雪を食べたり、雪ダルマを作ったりした事もありました。信じられないでしょう!

 
 いろいろと思い出してしまいます。

 

ゴンちゃん安らかに。



 とうとう逝ってしまいました。 覚悟はしていたけど、京都市動物園から連絡がきた

時、なんか力が抜けたというのか、頭がボ~っとしちゃいました。

 
 ゴンと出会ってからのことが、次から次と脳裏に浮かんできます。 初めてゴンと

会った時、ゴンも僕もまだ子供でした。 三時間も四時間もずっと僕はゴンを見つめ

ていました。 何時間もずっと・・・。 その時、ゴリラの担当者が手招きして、僕を調

理場に入れてくれました。  この時、僕の人生が決まったのかも知れません。

 

 飼育員になって三年半、僕は突然ゴンの担当者になりました。 あれからいろんな

事がありました。  メリーが亡くなって、ゴンは、それこそ、これ以上悲しいことがな

いというような高い声で、一日中泣いていました。食欲も落ちて、下痢になり・・・。この

ままじゃゴンは変になってしまう。 それからと言うもの僕はゴンのためにできること

は何でもしようと心に決めました。 

 こうしてゴンの独身生活は始まったのです。


 
 独身生活に十分慣れた頃、京都市動物園に繁殖目的で行くことになりました。


 
 京都での五年間は、「ゴンにとって人生の中で一番幸せだった」と僕は思っていま

す。僕がどうしてもやりたかった飼育法をしていてくれて・・・、そして、あんな魅力ある

美しい女性達と暮らせて、本当に幸せだったと思います。残念ながら赤ちゃんには恵

まれませんでしたが、あんなに喜んでいるゴンを見たことはありませんでした。やっ

ぱり群れで生活している動物は、群れで生活させないといけないなとゴンを見ていて

僕はそう思いました。







 ゴンが京都に行った時、そのままの調理場です。 養命酒を毎日お猪口に一杯、ゴ

ンの日課でした。 

 
 京都市動物園の皆さん、特にゴリラ担当者、獣医さん、ゴンの面倒をみるのは本当

に大変だったと思います。 ゴンを幸せにしてくれて感謝しています。

 本当にありがとうございました。


 残された「元気」ちゃんが心配です。

ゴンの近況パート2

 ゴンは幸せものだよ。 愛する女性達と、こんな環境のいい所で一緒に暮らしてい

るんだからね。 羨ましい限りです。  京都動物園は動物たちの為の環境作りをし

ていますね。人間側から考えると、管理するのが大変だと思いますよ。すごい!



 ヒロミ達は、ゴンがブッシュの中へは追いかけてこないのを知ってか、ちょっかい出

してゴンちゃんが追いかけてくるとすぐ茂みの中へ隠れ、ゴンちゃんもそれ以上深追

いしません。 ブッシュが役立っていますね。






 よくこれだけ植えたものです。最初の年はせっかく植えた植物も引っこ抜かれてい

ました。こんな状態にするのには、かなりの努力が必要だと思います。きっとたくさん

の人達の協力があったのでしょうね。

 このような環境を作るのは、野生のゴリラの生息環境を考えると当然のことなのか

も知れませんね。僕も弟路郎のために住みやすい生活環境に努めようと思います。

 
 もう少ししたら弟路郎の屋外にたくさんの植物を植えていこうと思います。今の環境

を維持、発展させるためには、これから毎年、継続してやらなければいけない事だと

思います。 百人の人達が毎年2本ほど木を植えたら、2百本になります。そのうち

生き残るのが何本かわからないけど、そう考えていったら、もっと住みよい環境にな

るのだけどね。   

 僕は既に100本ほど苗を作ったのでもう少ししたら植えようと思います。



 こんな感じでゴン達は毎日平穏に暮らしています。

 前回も今回も写真は全部京都市動物園の提供です。




 最後に一枚。

久々!ゴンの近況、パート1です。

 京都市動物園からゴンの写真とメールが届きました。

 紹介しますね。

 治療等で一人暮らしをしていたゴンですが、久し振りにヒロミとゲンキと3頭同居

しましたが、何事もなくスムーズにいったようです。 元気そうなゴンの写真を何枚か

紹介します。



 大好きなクローバーを食べています。  美味そう!  なかなか質のよいクローバ

ーですよ。



 円山にいる時もこんなポーズをしていたよ。




 こんないい所に住んでいるなんて最高だね。



 爺ちゃんなんて言わないで!  まだまだ元気だよ。  どうです、この面構えだも

のもてる訳だよね。

 京都では、茶髪の「ゴン」って、有名なんだよ。

 
 とにかく元気ですよ!!

最近のゴンの写真が手に入りました。紹介しますね。

 知り合いの高木さんが京都にいる「ゴン」を見に行きました。その時の写真を紹介し

ようと思います。

20080327-00.JPG

 ゴンとゲンキです。もしかしたら倦怠期?



 まあ、いいじゃないか、ちょっとこっち来てよ。って感じかな。



 何、話してんだか。



 ヒロミ(左)、ゲンキ(右)も毛並みがいいね。



 何を考えているのかな?



20080327-06.JPG



 何か探し物かな?

20080327-09.JPG

 なに食べているのかな。



20080327-12.JPG

 円山にいる頃の得意のポーズです。

20080327-13.JPG

 植物に囲まれているゴンはやっぱり幸せに見えます。これが自然だよね。



 ゴンは日本の動物園のゴリラの中で、今一番幸せな生活を送っていると僕は思い

ます。やっぱり群れで生活する動物達は、群れの中で生活するのが一番いいんだと

思います。

20080327-14.JPG

 何じゃ、これは?


 京都のゴリラの担当者の話によると、最近、少々倦怠期みたいだそうです。暖かく

なり植物も生育してしてくる事でしょう。気分を変えて頑張って欲しいですね。

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