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オランウータン飼育日記&円山四季だより

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『環境エンリッチメント』カテゴリーの投稿一覧

夢にまで見たドリアン。

 
 昨日、ついに生ドリアンが手に入りました。 夢にまで見たあの生ドリアン。 一個寄

贈されました。 見るのは(食べるのは)3~4年ぶりかな。






 立派なドリアンです。この段階からあの独特な臭いが漂います。










 レンボーも気になるようです。 でもレンボーはタマン動物園で食べていた可能性が

高いので今回は我慢して貰いました。 野生のオラン達の大好物ドリアンを早速、弟

路郎に与えました。





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 見るだけでなかなか食べようとはしません。 棘みたいな突起がものすごく硬いし

ね。 とにかくドリアンを摘まんで僕の所まで移動するばかりなのです。 きっと、持て

余しているのかな。 僕が右に行けば右に移動するし、左に行けば左に行きます。

ずっとその繰り返しなくです。 たぶん包丁で切って食べやすいようにして欲しいので

しょうか。 でもさ、あの硬い椰子の実だって簡単にさばくのにね。




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 ちょっとだけ齧ったけど、齧った瞬間、あの独特な臭いが展示場内に・・・。

 弟路郎はドライドリアンやチップスで、あの匂いは知っているし喜んで食べていたか

らね。 




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 もっと熟させてから与えることにしました。 一週間後ぐらいにね。

 与え方を少し考えた方がいいみたいだわ。 レンボーにもあげようか。


 
 ◎ さっき調理場に言ったらワヤ! 

 
 部屋全体があの独特な臭いに包まれて・・・。

 
 一週間この匂いの中で・・・。  

 
 参ったなぁ~。

実践。

 
ハヤトはいつもレンボーお母さんがしていることをジッと見ています。そしていつの

日にか実践しています。 まだまだ技術が伴う高度な事は出来ませんが、レンボー

や弟路郎が出来ないような事を将来はやってくれそうな気がします。









 まずはよく観察をします。 

 







 そして、実践です。




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 レンボーお母さんが他に食べ物を探しにいっている間に・・・。




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 やってる事がレンボーと同じです。




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 ニンジン、リンゴ、サツマイモ等硬い物でも、前歯で削り取るようにしている内に少

しずつ食べれるようになってきています。 大人のウンチに比べるとまだそんなに臭

くありませんが、ハヤトもだんだん匂いがきつくなってきています。 (オランの体臭も

ウンチも思ったほど臭くないですよ。)

肥り過ぎ②






 「一斉開花」の後には、果物はとても少なくなり、その間、オランたちは、木やツル

の若葉や樹皮を食べて、体にため込んだ脂肪をちょっとずつ消費しながら「飢え」を

しのぐのです。そんな中、一斉開花に関係なく一年中、実をつける果物があるので

す。 それがイチジクなのです。 熱帯雨林には数百種のイチジクがあると言われて

います。 だけど、量が少ないからあくまでも非常食なんだよね。 スマトラオランウ

ータンが住んでいるスマトラ島には、栄養に富んだ火山性の土壌がいつも豊富な果

物をもたらすから、ボルネオオランウータンみたいに「食いだめ」をする必要がありま

せん。 

一方、火山のないボルネオ島は土がやせていて果物が少ない時期が長いと言われ

ています。 果物がいつもたくさん生っていれば、チンパンジーみたいにグループを

作って長い時間一緒にいられるのにね。 現にスマトラ島では数頭で何日も一緒に

行動することがよくありますが、ボルネオ島ではほとんどありません。

 食べ物で調整する他に、もっと動きたく細工が必要かな。 暇つぶしだね。 

 
 でも、今でも忙しいのにこれから半端じゃない超忙しさが待っているからね。どうな

るのかな・・・。 なる様にしかならないか・・・。











 この頃はまだスマートだったな。

肥り過ぎ ①

 
 「肥り過ぎ」  オランの担当者が毎日たくさんの果物を与え過ぎた結果、肥り過

ぎ、 つまり今の弟路郎みたいになっちゃいます。

 蛇や猛獣、人間など命を狙う動物もいなく、食べ物の心配もなく、怪我や病気も治

してくれる。  生活空間がコンクリート張りで、暇で刺激が少なく退屈な生活だけ

ど・・・ね。








 どうしても食べ物にウエートをおいてしまう。 食べてる時が飼育下で一番嬉しそう

だから・・・。 勿論、美味しい果物を食べている時だよ。

 でも、これじゃ~ダメだよね。 



 日本と違い、東南アジアでは、お目の降り方も気温も一年中ほとんど変わりませ

ん。 季節がはっきりしないため、植物も決まった時期に花を咲かせません。 日本

のように厳しい冬もなければ、実りの秋もありません。 でも、数年に一回、大豊作の

年があるのです。 それは「一斉開花」といって、木々が一度に花を咲かせて、たくさ

んの実をつけることがあります。 主にエルニーニョ現象が原因で起きる異常な乾燥

や低温が合図になって、起きるといわれています。 だいたい3~5年に一回起きま

す。 事前にはわからないみたいですね。

 この「一斉開花」の年には、オランたちは大好物のドリアンなど美味しい果物を、こ

こぞとばかりに毎日たくさん食べ、体脂肪として体にため込んでしまいます。 これを

食いだめといいます。 類人猿でこの様な食いだめが出来るのはオランウータンだ

けです。 だから、動物園みたいな施設では、果物の与え過ぎで普段80~90キロぐ

らいの成獣オスが、200キロを超しちゃうことがあるのです。


 現在、弟路郎もレンボーも少しずつ減量させていますよ。 与えている種類は同じ

で、与え方も同じだよ。 樹皮や野菜等の割合を多くしてってます。 



 


 太らせてゴメン。 レンボーについてはハヤトがいるから、けっこう難しいよ。 でも、

次の出産の事も考えないといけないからね。

 

マスク。

 
 肺がゼイゼイ、ゴロゴロしています。 熱も下がりません。 完璧に風邪でしょう。 

明日は朝一で病院だわ。  

 
 ◎ 彼らに風邪をうつしたら大変です。 さっそくマスクをしました。 






 やっぱりいつもと反応が違います。 

 じっと僕を見る二人。

 でも直ぐにばれちゃいます。 変装してもすぐわかるよ。







 やっぱりマスクが気になります。






 気になる。  

 でも、そこまでだよ。 うつっちゃいます。






 あとはいつもどうりです。

 今日も大暴れしてくれるのかな。

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