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円山動物園ブログ

円山動物園の動物の近況や出来事などを綴ります

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トビの放鳥

円山動物園では、猛禽類の保護事業を行っています。
本園には、たびたび怪我などして飛べなくなった猛禽類が保護されてきます。
今までは獣医さんが治療し、傷が治ったらすぐに自然に戻していましたが、実はそれではちゃんと野生に戻れないことがわかってきました。
人間に例えると、病み上がりの人をいきなりフルマラソンに出すようなものだからです。

そこでこれからは、怪我が治った鳥たちに、きちんと訓練をして、放鳥をする事にしよう。そうすれば、野生に還ってから生き延びる可能性が増えると考えました。
円山動物園ではそのための訓練施設を建造し、保護されてきた鳥を放鳥に向けて訓練をしています。

訓練施設で飛行訓練中のトビ。




その施設から、野生に復帰する第1号として、本日トビが放鳥されました。

放鳥する場所。



近くには防風林があり、トビがとまれます。



記念すべき放鳥の瞬間!




このトビには、発信機がつけられ、酪農学園大学の協力により、3ヶ月間見守られることになっています。無事に野生に還っていることを祈るばかりです。

発信機の電波を拾うアンテナ。




今回の放鳥は、まだ小さな一歩に過ぎませんが、猛禽に訓練を実施して放鳥するというやり方が、どのくらい効果的であるかを試す最初の一歩です。
この経験を生かし、今後も円山から、数多くの猛禽類が、野生に復帰することでしょう。

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