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by 大熊 一精

大熊 一精
プロフィール

1967年生まれ、埼玉県川越市出身。
銀行系シンクタンクに12年間勤務の後、2002年から札幌市に移り住み、現在はフリーランスのコンサルタントとして活動中。 「一日一冊」を目標に、ジャンルを問わずに、本を読んでいます。読書量全体のうち、電子書籍端末で読む割合は3割ぐらい。 札幌市民になってからは、毎年、コンサドーレ札幌のシーズンチケットを購入し、2014年シーズンで13年目。週末ごとに悲しい思いをすることのほうが多いのに、自分が生きているうちに一度ぐらいはJ1で優勝してほしいと願いながら、懲りずに応援を続けてます。
著書「北大の研究者たち 7人の言葉」(エイチエス、2012年刊)


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『夕張再生市長 課題先進地で見た「人口減少ニッポン」を生き抜くヒント』鈴木直道(講談社)

『夕張再生市長 課題先進地で見た「人口減少ニッポン」を生き抜くヒント』鈴木直道(講談社)

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著者は現職の夕張市長。どうせ選挙対策だろう、などと色眼鏡で見ることなしに、とにかく、読んでみましょう。実際に現場で奮闘してきた人の言葉には、第三者が書いた記事や論文には絶対に出せない迫力があります。

副題の「課題先進地」とは、夕張市が直面している課題は、やがて全国各地の自治体が直面することになるであろう課題である、との意味です。すなわち、人口減少、超高齢化、税収の激減、その結果としての財政難、そして財政難に伴う市民生活の破綻…

30歳という若さで夕張市長になる著者は、当初は、東京都からの派遣職員という形で夕張市役所に赴任します。夕張市の厳しい財政事情はもちろん承知していたものの、実際に夕張で生活を始めてみて《一八年後、たとえ計画通りに財政再建がなったとしても、まちが疲弊し、住民が笑顔で毎日の生活を送れなくなってしまっていたとしたら、まさしく本末転倒である。》(p.42-43)ことに気づきます。

そこから何をしたのか、なぜ市長になったのか、市長になって何をしたのか、等々は、本を読んでいただきたいのですが、国と地方自治体の関係や、地方財政の制度上の問題もさることながら(それはそれでとても重要なことなのですが)、結局は「人」であり、粘り強く信頼関係を築き上げていくしかないのだということが、読み終えてもっとも強く感じたことでした。

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