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by 大熊 一精

大熊 一精
プロフィール

1967年生まれ、埼玉県川越市出身。
銀行系シンクタンクに12年間勤務の後、2002年から札幌市に移り住み、現在はフリーランスのコンサルタントとして活動中。 「一日一冊」を目標に、ジャンルを問わずに、本を読んでいます。読書量全体のうち、電子書籍端末で読む割合は3割ぐらい。 札幌市民になってからは、毎年、コンサドーレ札幌のシーズンチケットを購入し、2014年シーズンで13年目。週末ごとに悲しい思いをすることのほうが多いのに、自分が生きているうちに一度ぐらいはJ1で優勝してほしいと願いながら、懲りずに応援を続けてます。
著書「北大の研究者たち 7人の言葉」(エイチエス、2012年刊)


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『若者のすべて 1980〜86「週刊プレイボーイ」風雲録』小峯隆生(講談社)

『若者のすべて 1980〜86「週刊プレイボーイ」風雲録』小峯隆生(講談社)

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甘酸っぱい青春は苦手だけど(自分にそういう想い出がないからか?)、女性がほとんど登場しない成人男子20代のバカ話は大好きです。エネルギーがあり余っちゃってるんだけど、それをどう使ったらいいのか、どこへ持っていけばよいのかがわからない。近年でいえば森見登美彦さんの小説、古くは椎名誠さんの一連の作品が、その代表格でしょう。

今回紹介する作品がそれらと異なるのは、まず、小説ではなくノンフィクションであること(椎名誠は小説とノンフィクションの両方を書いてますが)。主人公(著者)は大学を卒業している(「青春」というにはやや年を食っている)こと。そして、主人公(著者)がお金には困っていないこと。

ノンフィクションなので、当時の実際の風俗(いやらしい意味ではないですよ)が、たくさん出てきます。カフェバーは一応説明がありますが、戸塚ヨットスクールや、夏休みの新島といった、同時代を生きていなかった人にはまったくわからないようなことが、何の注釈もなしに語られていきます。そうそう、カフェバー、あったよね〜、とか、夏目雅子が亡くなったのと三浦和義が逮捕されたのは同じ日だった、とか、そんな記憶が蘇ってきます。

ただ、この本では、時代のアイコン的な事象は、あくまでも飾りです。最近は1980年代が黄金の時代だったといった語られ方をすることが多くなってきて、それは当時バリバリだった人々が往時を懐かしむ年齢になっちゃったってことなのかな?と少し寂しい思いをすることもあるのですが、この本に描かれているのは、時代の風景ではなく、ひたすら著者の日常=週刊プレイボーイの編集部での仕事です。

仕事が忙しすぎて仕事以外の時間がほとんどないから、仕事の話しか出てこない。仕事の話しか出てこないはずなのに、下ネタだらけ。といっても、当時の週刊プレイボーイといえば、表紙や巻頭のグラビアしか印象にない方が多いかと思いますが(と他人事のように書いてますが自分がそうなんですが)、著者はグラビア担当ではなくニュース記事担当なので、そっちの話はほとんど出てこない。

気楽に読める本ですが、文字数は多いです(本文は二段組)。
気楽に読めますが、深いです。

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