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by 大熊 一精

大熊 一精
プロフィール

1967年生まれ、埼玉県川越市出身。
銀行系シンクタンクに12年間勤務の後、2002年から札幌市に移り住み、現在はフリーランスのコンサルタントとして活動中。 「一日一冊」を目標に、ジャンルを問わずに、本を読んでいます。読書量全体のうち、電子書籍端末で読む割合は3割ぐらい。 札幌市民になってからは、毎年、コンサドーレ札幌のシーズンチケットを購入し、2014年シーズンで13年目。週末ごとに悲しい思いをすることのほうが多いのに、自分が生きているうちに一度ぐらいはJ1で優勝してほしいと願いながら、懲りずに応援を続けてます。
著書「北大の研究者たち 7人の言葉」(エイチエス、2012年刊)


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『炎上 1974年富士・史上最大のレース事故』中部博(文藝春秋)

『炎上 1974年富士・史上最大のレース事故』中部博(文藝春秋)

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2012年4月刊。前回取り上げた『日本のモータースポーツ黎明期物語 砂子義一伝説』から時代が下って、日本国内でもプロフェッショナルによって行われる自動車レースがビッグイベントとして成立するようになった時代の話です。

ひとつのレース大会で、ふたりのレーシングドライバーが事故死したことはある。一九九四年(平成六年)のF1グランプリ第三戦サンマリノ・グランプリで、このときは予選と決勝でそれぞれ死亡事故が発生した。したがって同時にふたりのレーシングドライバーが命をうしなったわけではない。(中略)自動車レースの世界史で、ひとつの事故で、ふたりのレーシングドライバーが事故死したレースは、ほかにないのであった。そのことで自動車レースの世界史に記録されるべき事故だった。しかもそれが、当時の日本最高峰の自動車レースで発生したことは、日本のレースファンの心にえぐるような衝撃をあたえた。
(p.13)

この事故では、事故の原因を引き起こしたとされる出場選手(レーシングドライバー)の一人が、業務上過失致死傷罪の疑いで書類送検されています(のち不起訴)。レース中の事故というのは、普通に考えれば偶発的でやむを得ないことであり、それが罪に問われるというのは、なんとも妙です。

それがゆえに、なのでしょう。この事故については、映像が残っていないなど、これだけの大事故であるにも関わらず、きちんとした検証が行われていない。少なくとも、現在、検証できるような資料が残されていない。

なぜ、こんなひどい事故が、おきたのだろう。

長い間そんな疑問を抱いていた著者は、何年もの時間をかけて、丹念に、資料を集め、レースに出場していたレーサーから粘り強く証言を引き出し、事故の全容を解き明かしていきます。

この本は、労作かつ貴重な記録であると同時に、謎解きの本でもあります。

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