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ニッポン超越マニア大全(北尾トロ、文庫ぎんが堂)
Posted by 大熊 一精 on 2014年11月25日(火) 19:46
ニッポン超越マニア大全(北尾トロ、文庫ぎんが堂)
2014年11月刊。
登場するのは、さまざまな分野の「マニア」である24人。マニアな人々にインタビューする著者は、彼らに感心しつつも少し呆れる、でもけっしてバカにすることはしない、という、絶妙な立ち位置を保っているのが素晴らしい。
素晴らしいのは登場するマニアの方々も同様で、その多くは何らかのコレクターであるのですが、50歳を過ぎてから趣味に走った方も、子供の頃からマニア道まっしぐらの方も、職業生活はしっかりとやっていらっしゃる(まあ、そうでないと、金銭的に続かない、という面も大きいとは思いますが)。さらに素晴らしいのは、多くの方は妻子がいらして(この本に登場する24人のうち女性は1名のみ)、ご家族の理解を得ている(らしい<中には「あきらめられている」らしき方も見受けられますが)。
上の写真にあるように、帯には4人のマニアが紹介されていますが、私がいちばん気になったのは、ここには載っていない、消防車が好きで古い消防車(ホンモノ)を9台も所有している方でした。この方は小学生の頃からの消防車好き。なぜ他の自動車(たとえばパトカー)ではなく消防車だったのか?との問いかけに対しては《緊迫感かな。火事を消し止めたり誰かを助けるために働くクルマでしょ。緊急事態が発生し、サイレンを鳴らして現場に行く。その姿がカッコよかったんですよね。》と答えていらっしゃる。その感覚はわかるようなわからないような、だけれども、明確な言葉にできるのが素敵です。