札幌100マイル

オランウータン飼育日記&円山四季だより

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『環境エンリッチメント』カテゴリーの投稿一覧

困ったもんだ。(1)

 

 以前にも一度載せたけど、前回よりもっと困った状態になってきました。


 朝の清掃時に、裏にある産室というか寝室?というか、清掃の時ぐらいにしか使わ

ない部屋があるんだけど、その中に清掃が終わるまで入って貰わないといけないん

だ。 でも、その部屋は薄暗いし、狭くて何も遊び物も無いし、ハヤトはそこでジッとし

ているのが嫌なんだ。


 扉を開け、レンボー親子を呼ぶとレンボーはハヤトをつかまえ、背中に乗せて入っ

て来ます。 たまあにハヤトが嫌がり逃げる時がありますが、必ずつかまり連れてい

かれます。




 ところが今回



 ハヤトはレンボーにつかまりそうになりながらも、レンボーの手の届かない所へ逃

げちゃいました。 仕方がないのでレンボーは、一人で小部屋に入っていきました。









 レンボーが入っちゃったので、展示場に戻ろうとするハヤト君。

 ちょっと一人で不安そう。







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 暗すぎてレンボーの姿が見えない。(実際はこんなに暗くないよ。)

 レンボーはイライライライラ、苛々。







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 キョロキョロしながらレンボーの方へ行くハヤト。







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 待ちきれなくなったレンボーは・・・。


 
 



 
 

検証(1)

 
 本当は一つ一つ検証しなければならないんだよね。


 
 環境エンリッチメント。
 
 これは、動物園ですごす動物たちを取り巻く環境の質を出来るだけ高めていこうと

するものです。

 動物の行動を活発化させる。 勿論、その動物にあった行動をだよ。



 オランウータンの場合、その一つとして、野生と同じく採食時間を長くするということ

がすごく重要だと思います。でも、ただ、長く時間をかけさせるだけでは駄目だと思い

ます。 やったことに対して「検証」しなければ、ただの自己満足、マスターベーション

にしかならない。



 動物園にいる動物は、どうしても異常行動やその中の常道行動をしがちです。それ

らをなくすために色々と努力しています。 人工的でも野性の生活に近づけることが

大切なのです。








 





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 食べ物を探している弟路郎です。



 これら以外にも色々と試みていますが、自分自身いい結果が出ていると思っている

ので良しとしていますが、実際のところどうなのか?本当は「検証」しなければならな

いと思っています。 でも、時間が無いし、あっても「検証」の仕方がわからない。 や

っぱり、専門の先生にしてもらわなきゃぁね。 

 そんな暇ないか。


 以前にゴリラのゴンに「浮き球のフィーダー」って事で、大学と共同研究したことは

あるけどね。 あれは、きちんと論文になったよ。 有効だと実証されたので、そのま

ままオランウータンに使っているよ。




 もう寝なきゃ。  

 
 外は雪が降りっぱなし、朝起きたら除雪をしなければならないな。 

 
 もう何年もお雑煮を食べていないな。 

 朝食に作ってみようかな。 でもカレーの残りがあるからお昼にしようか。


 
 寝ようか。

ハヤト君に道具を使わせる。出来るかな~。

 

 ハヤトも学習しながらいろんな事をクリアしてきました。 もうそろそろ高度なやつに

挑戦させようと思います。







 穴の中の食べ物なんて、レンボーより上手に取って食べれるよ。

 手が小さいからね。













 よくあの体勢で食べれるよね。

 穴のそこまできれいに取って食べちゃうんだ。









 慣れたもんだよ。

 穴の表面に出ているやつは、直接口を使って食べちゃうし、そうじゃないやつは、細

くて長い指を穴に突っ込んで、穿って食べます。





 ただね、僕はもうそろそろ道具を使って食べて欲しいんだよ。


 穴がレンボーや弟路郎用に大きく開けてあるから、ハヤトのように細くて長い指なら

道具を使わなくても楽に食べれるんだ。 

 
 道具を使う必要が無い。

 
 
 道具を使わないと食べ物を得ることが出来ないようにすればいいんだよね。



 




 そこで


 弟路郎の所に設置してあるこの「丸太」と同じ物を設置すればいいんだわ。

 穴が貫通しいて、真ん中辺りに凹みをつけて、そこに落花生なんかを入れるんだ。

落花生を取るためには棒なんかで押し出さないと、中の物を得ることが出来ない。



 今のハヤトならきっと出来るだろう。




 
 


 でもさ

 

 よく考えたら、今使っている丸太に小さな穴を開けてやればいいんだね。



 そうしたら、新しく丸太を設置する必要が無い。

 小さい穴を穿るための細い枝を用意すればいいだけだからね。



 

 でも、「押し出して取らせる」 のもハヤトにやらせたいなぁ~。



 いずれにしても週休明けになっちゃうわ。

来年の今頃。












  今のハヤトに比べると

 ○ 毛の密度が薄い。
 
 ○ 毛の色が薄い。

 ○ 毛が柔らかい。

 ○ 体が小さい。

 















 一年前のハヤトと比べたら。
 
 ○  逞しさが増したね。

 
 ○   動きが激しくなってきたので、毛が途中で擦り切れるようになってきた。(特 

    に髪の毛だ~!)

 
 ○  枝毛が多くなった。

   
 ○  お腹側の毛も濃く多くなったからか?蒙古斑みたいなものが見えなくなってき

    た。 もしかしたら薄くなったかも知れない。











 上が一年前のハヤト。

 下が今日のハヤト。


 かなり違うね。



 来年の今頃は、どんな感じになっているかなぁ~。

 楽しみだよ。

今年第一号。

 
 今年第一号の寄附が昨日ありました。

 ありがとうございます。

 
 今年は辰年なので竜の柄の布がプレゼントされました。

 


 早速与えましたが、色が派手なせいか、ハヤトも興味心身です。













 レンボーは興奮しながらも、ベッドに使ったり、被ったりと忙しそうです。 ハヤトはこ

の布の派手さに心惹かれるのでしょうか。 じっと見ています。









 真剣にやっているわ。









 ハヤトは僕に怒られ、しぶしぶ戻って行きます。









 そして、また布を見にレンボーのところへ。











 椰子の実だよね。今はこんな感じで売っているんだね。 もしかしたらこの実は、中

に入っているジュースを飲むだけの売り物? ココナッツバターも内側についている

からそれも使う? 判らないなぁ~。

 そうか、こんな時にネットで調べるんだね。












 やっぱり犬歯を使っているよ。








 ココナッツの先を齧って小さな穴をあけ、チュウ~チュウ吸っていました。







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 美味そうに飲むわ~。







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 この後が大変でした。

 皮が無いので表面が乾燥して硬くなっているようで、齧ってもなかなか割れないん

だわ。 それで何度も床に打ち続けたり、コンクリートの角や壁、鉄柱にガンガンぶつ

けていたわ。 


 僕は過保護だから、後一分経っても割ることができなかったら、僕が割っていたか

もね。







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 指や歯を使って削り取って食べました。

 彼女は本当に椰子の実が大好きみたいです。 現地でも食べていたみたいだから

ね。







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 ハヤトも食べれます。

 

 小さなうちから色んな物を食べさせるようにしているからね。 

 年間、百種類以上の食べ物を与えているよ。

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