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脱皮。
Posted by zoozakki on 2017年5月3日(水) 11:59
「羨ましい・・」
気持ち良さそうに脱皮しているアオダイショウの様子を見ていると、つい心の声が口から出てしまいます。
爬虫類は、人類がどうあがいても絶対に手に入れる事ができない能力をたくさん持っておりまして、その中でも最も羨ましい習性の一つがこの脱皮です。
少々の怪我や肌荒れなんかも、脱皮を繰り返すことで綺麗に治ってしまうんだから、こんな素晴らしいことはありません。
彼らに「美容」といった概念は今後も無用でしょう。
そんな習性からヘビは古来より「再生」「不老不死」というイメージを持たれ、医療・医学のシンボルとされてきました。
特にギリシア神話に出てくる名医アスクレピオスの杖が有名で、WHOをはじめ様々な医療機関のマークとして使用されています。
ちなみに上の画像は脱皮前のアナコンダくんです。
ヘビは脱皮が近くなると体全体が濁り、ツヤもなくなります。
たまにこの状態のヘビを見て「なんか顔色悪いね、このヘビ」とヒソヒソ話している来園者の方を見かけますが、なかなか鋭い観察眼です、たしかに健康そうには見えません。
またこの時期はヘビも非常に神経質になっておりまして、餌も食べませんし(食べる個体もいます)攻撃的になる個体もいます。
この状態は脱皮直前まで続きまして、肌の濁りが消えクリアーに戻ったらその後脱皮が始まります。
ヘビは脱皮が始まるまでの準備期間はかなり長いのですが、脱皮自体はあっという間で早ければ10分程度で終わってしまいます。
だから多数のヘビと日々戯れている僕であっても、脱皮中のシーンに出くわすことってなかなか難しいんですよ。
ほんと世間は彼らのことを、やれ下等生物だとか、やれ手足がなくて気持ち悪いとか言いたい放題ですが、ヘビは進化の過程で無駄を削ぎ落としてこの形態になったわけです。
進化の過程でこれほど思い切った選択をし、これほど地上生活に適応していった生物が他にいたでしょうか。
シンプルにもほどがあるってくらい、ヘビにはもうこれ以上削るところがありません。
まさに最終形態、斬新すぎます。
断捨離の極み、進化の極み、下等どころか世の中で最も洗練された生物と言っても過言ではないと、僕は個人的に思うのです。
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