『シアターキノ』タグの付いた投稿
映画 『牛の鈴音』
Posted by bluestar on 2010年4月3日(土) 00:44
韓国で大ヒットしたという、老牛と老夫婦の日常を
描いたドキュメンタリーをやっと観賞。
静かで地味ですが、じんわりと味わい深い作品。
老牛とお爺さんの絆に悲しくも温かい気持ちになりました。
毒舌で愚痴りまくるお婆さんがイイ味を出していて、
牛とお爺さんの関係に嫉妬する姿が微笑ましい(笑)
ボロボロの体でひたむきに働き続けるお爺さんの
「生きているうちは働く (中略)、死んでからゆっくり
休めば良い」というセリフが胸を打つ。
なんだか、生きることの意味を問いかけられている
ような作品でした。
【牛の鈴音】
79歳の農夫・チェ爺さんは、通常15年ほどの寿命しかない牛と30年もともに仕事を
している。周りの農家が耕作機械を使うなかで、チェ爺さんは頑固に牛と畑を耕し
続ける。ある日、獣医から牛の寿命が迫っていることを告げられたチェ爺さんは、
献身的に牛の面倒を見続け、遂には自分の体調まで崩してしまう。
監督・脚本・編集:イ・チュンニョル
出演:チェ・ウォンギュン/イ・サムスン
上映時間:1時間18分
「公式サイト」
■シアターキノ にて上映中
過去の映画レポはこちら★
映画 『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
Posted by bluestar on 2010年3月25日(木) 00:31
花沢健吾氏の人気コミックを、「銀杏BOYZ」の峯田和伸くん
主演で映画化した青春映画。 原作は未読です。
ちなみに三浦大輔監督って道産子なのね...急に親近感!
映画は、笑わせてもらいました。 面白かった~!
主人公・田西くんのダメダメっぷりがとことん痛々しい...
でも一生懸命な姿はなんだか憎めなくって愛おしい(笑)
男子だったらもっと共感できて楽しめるんだろうなぁ。
役者やってる峯田くんって、妙に存在感があって
魅力的なのですが、本作の田西役も見事にハマっています。
峯田くんを取り巻くキャスティングもこれまた絶妙で、
松田龍平くんのイヤな奴っぷりや、プチエロ?なYOUさん、
リリーさん&小林薫さんの力の抜け具合が最高~っ。
カラオケで熱唱するシーンも好きですが、ケビン・ベーコンの
『狼の死刑宣告』 に続く、『タクシードライバー』のオマージュが
良かったなぁ。
【ボーイズ・オン・ザ・ラン】
玩具メーカーに勤めるサラリーマン・田西は、実家暮らしで彼女いない歴29年の
冴えない男。同僚のちはるに密かな恋心を抱いているものの、積極的になれず
全く相手にされていない。仕事先で出会ったエリート営業マンの青山の手ほどきで、
ちはるとの距離を縮めようとする田西だったが...
監督・脚本:三浦大輔
原作:花沢健吾
出演:峯田和伸/黒川芽以/松田龍平/YOU
リリー・フランキー/小林薫 ほか
上映時間:1時間54分 <R-15>
「公式サイト」
■シアターキノ にて上映中
過去の映画レポはこちら★
映画 『フローズン・リバー』
Posted by bluestar on 2010年3月24日(水) 12:54
サンダンス映画祭でグランプリに輝き、アカデミー賞
オリジナル脚本賞、主演女優賞にノミネートされた話題作
『フローズン・リバー』 がやっと札幌公開。
すごい...。
ドキュメンタリーを観ているかのようなリアル感。
経済的、精神的にも追い込まれた2人の女性のギリギリの
選択から目が離せない。
タランティーノが大絶賛したというのも頷ける秀作映画。
これは観て良かった!
アメリカとカナダの国境付近の町を舞台に、家族を
守るため犯罪に手を染めながらも必死に生きていく
2人の母親の姿を描いた社会派映画。
冒頭から老婆のようなくたびれ感をみせる主人公・レイ役の
メリッサ・レオ。 圧巻の演技に女優魂をみせつけられた。
重く寒々しいトーンで厳しい現実を淡々と描いていますが
時折みせる目線は女性監督らしく温かい。
人物や情景描写が素晴しく、タイトルにもなっている
「フローズンリバー」=「凍りついた大河」は主人公の心のよう。
雪解けを思わせる希望に満ちたラストシーンが素晴しい。
【フローズン・リバー】
ニューヨーク州最北部の町で暮らすレイは、新居購入のための資金を夫に持ち逃げ
され、息子2人と路頭に迷ってしまう。支払いに追われるレイは、モホーク族の女性
ライラと組んで不法入国斡旋のビジネスを開始。それぞれ複雑な事情を抱える2人
は、反発し合いながらもこのビジネスを続けていく。
原題:Frozen River
監督・脚本:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ/ミスティ・アップハム/チャーリー・マクダーモット
マイケル・オキーフ/マーク・ブーン・ジュニア ほか
上映時間:1時間37分
<公式サイト>
■シアターキノ にて上映中
過去の映画レポはこちら★
映画 『ニューヨーク,アイラブユー』
Posted by bluestar on 2010年3月7日(日) 22:48
パリを舞台にしたオムニバス映画 『パリ、ジュテーム』 の
第2弾は、眠らない街・ニューヨークが舞台。
日本からは岩井俊二氏、女優のナタリー・ポートマンら、
世界各国から集まった10人の一流監督が独創的なタッチで
さまざまな愛の形を描き、11人目の監督ランディ・バルスマイヤーが
それらの物語を繋ぎ合わせていくアンサンブル・ムービー。
監督&キャストの豪華さもさることながら、それぞれの
エピソードが魅力的で、1本の美しい作品に仕上がっている。
マンハッタンのセントラル・パークからブルックリンの
ブライトン・ビーチまでの街並みも堪能でき、NYへ
行きたくなること間違いナシ。
注目は3年ぶりの監督作品となる岩井俊二氏のパート。
オーランド・ブルームとクリスティーナ・リッチの共演で
顔の知らない男女の交流をロマンチックに描く。
オーリーが10代のころから着用しているという自前の
Tシャツにも注目です(笑)
N・ポートマンが初監督・脚本に挑戦したパートは
ほっこり心温まるお話。 主演作よりこっち方が好み。
それぞれに想像力を掻き立てられるエピソードの中で
最も印象的だったのが、シェカール・カプール監督の
元オペラ歌手(ジュリー・クリスティ)とホテルマン
(シャイア・ラブーフ)の話。
2人の不思議な関係が美しく幻想的でした。
ちなみに第3弾の舞台は 「上海」 。
『上海,我爱你 (シャンハイ、ウォーアイニー)』ってかんじでしょうか?
これまた楽しみですっ。
【ニューヨーク,アイラブユー】
原題:New York, I Love You
監督:姜文(チアン・ウェン)/ミーラー・ナーイル/岩井俊二
イヴァン・アタル/ブレット・ラトナー/アレン・ヒューズ
シェカール・カプール/ナタリー・ポートマン/ファティ・アキン
ジョシュア・マーストン/ランディ・バルスマイヤー
出演:ヘイデン・クリステンセン/レイチェル・ビルソン/アンディ・ガルシア
イルファン・カーン/ナタリー・ポートマン/オーランド・ブルーム
クリスティナ・リッチ/マギー・Q/イーサン・ホーク/ロビン・ライト・ペン
クリス・クーパー/アントン・イェルチン/オリヴィア・サールビー
ジェームズ・カーン/ブレイク・ライヴリー/ドレア・ド・マッテオ
ブラッドリー・クーパー/シャイア・ラブーフジュリー・クリスティ
ジョン・ハート/カルロス・アコスタ/ジャシンダ・バレット/テイラー・ギア
ウグル・ユーセル/スー・チー/バート・ヤング/イーライ・ウォラック
クロリス・リーチマン/エミリー・オハナ/エヴァ・アムリ/ジャスティン・バーサ
ほか
上映時間:1時間43分
<公式サイト>
■シアターキノ にて上映中
過去の映画レポはこちら★
カテゴリー: 映画 '10|タグ: NY, オーランド・ブルーム, クリスティナ・リッチ, シアターキノ, ナタリー・ポートマン, ニューヨーク,アイラブユー, 中央区, 岩井俊二, 映画, 札幌, 洋画
コメントorトラックバックはまだありません
コメントorトラックバックはまだありません
映画 『パレード』
Posted by bluestar on 2010年2月26日(金) 00:38
吉田修一氏原作の 『パレード』 を行定勲監督が映画化。
『パレード』 といえば、第60回ベルリン国際映画祭で、
国際批評家連盟賞を受賞しましたねぇ。
若松孝二監督の 『キャタピラー』 で最優秀女優賞を
受賞した寺島しのぶさん共々おめでとうございます!
原作をほぼ忠実に描いた本作は、都内のマンションで
奇妙な共同生活を送る男女を描いた人間ドラマ。
本心を偽り表面的な人間関係を保っている若者たちの
姿を、覗き見しているような不思議な感覚で鑑賞。
微妙な距離感や空気感まで伝わってきて
結末を知っているにもかかわらず、ゾワゾワ怖い...。
そしてキャスティングが絶妙。
貫地谷しほりちゃんや小出恵介くんは自然体でリアリティ
のある演技が◎。 未来役の香里奈ちゃんが予想外に良かった。
男娼という難役にチャレンジした林遣都くんは今後の活躍が
ますます楽しみっ。
小説を読んでいないと後半の展開を唐突に感じたり、
???な点も多いかも知れませんが、観た人がそれぞれ
違った感じ方や解釈をできるところが、この作品の魅力。
■コチラのサイトでキャラクター診断をやってみると
ワタシの闇に潜むキャラクターは 「サトル」 でした。
ある意味当たっているかも...ミステリアスではないけどね。
【パレード】 「公式サイト」
都会の片隅でルームシェアをする、健康オタクの会社員・直輝、自称イラストレーターの
未来、無職で恋愛依存症の琴美、大学生の良介の4人のもとに、男娼をしている謎の
少年・サトルが転がり込んでくる。時を同じくして、町では女性連続暴行事件が多発していた。
監督・脚本:行定勲
原作:吉田修一 (第15回山本周五郎賞受賞「パレード」)
出演:藤原竜也/香里奈/貫地谷しほり/林遣都/小出恵介 ほか
上映時間:1時間55分
■シアターキノ にて上映中
過去の映画レポはこちら★