札幌100マイル

*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『シアターキノ』タグの付いた投稿

映画 『戦場でワルツを』



戦場でワルツを』といえば、各国の映画賞を総ナメにして
おくりびと』 が受賞した第81回アカデミー外国語映画賞でも
最有力視されていたイスラエル映画。 

元兵士のアリ・フォルマン監督が、自身の経験を基に
1982年にイスラエル軍によるレバノン侵攻の記憶を描いた
ドキュメンタリー・アニメーション。

重いテーマながら、ドキュメンタリーをアニメーションで
表現する斬新な手法が素晴らしい。

冒頭から独特な色調と、そのビジュアルに惹き込まれ、
現実と幻想を織り交ぜた映像から、戦場での兵士たちの
心理状態がリアルに伝わってくる。
音楽も素晴らしく、ショパンのワルツにのせて踊るように
機関銃を乱射するシーンが印象的。

戦争映画を観ていつも思うことは、争いとか殺し合いは
無意味で残酷なこと。 本作の「現実」を突きつける衝撃の
ラストシーンは忘れることが出来ない...。

戦場でワルツを   「公式サイト」
2006年のある夜、旧友に呼び出された映画監督のアリは、26匹のどう猛な犬に
追われる悪夢に悩む話を聞き、それは自分たちが従軍した82年のレバノン侵攻の
後遺症ではないかと疑う。しかし自分に当時の記憶が全くないことに気付いたアリは、
その謎を解こうとかつての戦友たちを訪ねる。


原題:Waltz with Bashir
監督・脚本・製作:アリ・フォルマン
アニメーション監督:ヨニ・グッドマン
出演:アリ・フォルマン/オーリ・シバン/ロニー・ダヤグ/ロン・ベン=イシャイ
    ドロール・ハラジ ほか
上映時間:1時間30分

シアターキノにて上映中

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映画 『ファッションが教えてくれること』



最近ドキュメンタリー映画づいていますが...

ファッション雑誌で最も重要な号といわれる特大「VOGUE」
9月号の制作過程に密着したドキュメンタリーを観てきました。

アメリカ女性の10人に1人が読むという米版「VOGUE」誌の
言わずと知れた敏腕編集長アナ・ウィンター。
プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープが演じたキャラの
モデルとも言われている人物ですが、本人は映画以上!?

自らの長所を「決断力」と即答するアナは、トレンド傾向を
見極めバッサバサ切り落とし、妥協を許さず、ストイック。
気持ちがいいくらいブレがない。 まさに「氷の女王」。
でもサングラスを外した笑顔がキュートでチャーミング。
プリントワンピースの着こなしなどファッションは必見です。

アナが上司だったら怖いし、まわりにグチりまくるかも...
と思っていたらVOGUE編集部員にもいましたよ(笑) 
アナと20年来の付き合いがあり元モデルで現「VOGUE」
のファッションディレクター、グレイス。 アナより感情移入
できたし、グレイスのセンスは抜群だと思う。 そしてアナと
グレイスの対立しながらもお互いを認め合う関係は羨ましい。

映画からアナが教えてくれることは、働く女性必見です。

ファッションが教えてくれること
原題:The September Issue
監督:R・J・カトラー
出演:アナ・ウィンター/グレイス・コディントン/アンドレ・L・タリー
    シエナ・ミラー ほか
上映時間:1時間28分
<公式サイト>

■シアターキノにて上映中

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映画 『キング・コーン』



未来の食卓』 に続き、食に関する映画を鑑賞。

この映画、札幌の上映は11月20日(金)まで1日1回。
忘れないように「コーン観なきゃ」って思っていたら、
チケット購入時に「ヤングコーン」と言い間違い(笑)
自分で言って、ツボに入って笑いが止まらない...。

さてさて本題の映画は、
若者2人がコーンの実態に迫る農業ドキュメンタリー。

ドキュメンタリーといっても、ゆるいタッチでアメリカ大規模
農業を描いているので分かりやすくて面白い。

「自分の体もコーンで出来ているかも...」と考えてしまう
くらい、コーンの真実は大変興味深く、驚くことばかり!

「遺伝子組み換えコーンなんて食べていない」と思って
いても、コーンはあらゆるものに形を変えて、我々の口に
入っているですねぇ...。

ますます食と農業について考えさせられる興味深い作品でした。

キング・コーン/世界を作る魔法の一粒   
原題:KING CORN
監督:アーロン・ウルフ
出演:イアン・チェニー/カート・エリス/カール・バッツ ほか
上映時間:1時間30分
<公式サイト>

■シアターキノにて11月20日(金)まで1日1回上映中。


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映画 『未来の食卓』

 

いのちの食べ方』や『おいしいコーヒーの真実』
などに続き、「食」に関するドキュメンタリーを観賞。

原題は「NOS ENFANTS NOUS ACCUSERONT」
(子供達は私達を告発するでしょう)と強烈なタイトル。

小学校の給食を全てオーガニック化を試みたフランスの
バルジャック村を通して、子供の未来を脅かす食物汚染や
環境汚染を訴えるドキュメンタリー。

映画からは、癌の原因は農薬とばかりに、数字データまで
映し出し、オーガニックを推奨する傾向が気になりましたが、
食料自給率100%以上の農業大国・フランスの現状と
取り組みを知り、改めて「食」について感心が高まったし、
日本の農業について考えさせられたました。

自分もフランス人のように、食や農業について真剣に
語り合いたくなった。 このような気持ちになっただけでも、
この映画を観た価値があったと思う。

印象的だったのが、オーガニック給食を美味しそうに
食べる、バルジャック村の子供達のキラキラした笑顔。
未来まで、あの笑顔を守り続けたい...。

未来の食卓   「公式サイト」
原題:Nos Enfants Nous Accuseront
監督:ジャン=ポール・ジョー
出演:エドゥアール・ショーレ/ペリコ・ルガッス ほか
上映時間:1時間52分

■シアターキノにて上映中

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映画 『湖のほとりで』



『ニュー・シネマ・パラダイス』『ライフ・イズ・ビューティフル』
を抜いて、イタリアのアカデミー賞といわれる「ダヴィッド・
ディ・ドナテッロ賞」で史上最多の10部門受賞した話題作
『湖のほとりで』を鑑賞。2作に比べると、華やかさに欠ける
静かな作品ですが、なかなかの秀作でした。

小さな村を舞台に湖のほとりで、美しい少女アンナの
死体が発見されたことから、事件を追う刑事サンツィオの
捜査を通して、人々の苦悩が露となる物語。

犯人探しをするミステリーというより、家族をテーマに
人間心理ついたドラマ性が強い。

ストーリーは淡々と進むのですが、演出が匠。
意味深でミステリアスな冒頭から惹き込まれ、
登場人物が全員怪しく見えてくるから不思議。
北イタリアの森や湖の景色がただただ美しい。

湖のほとりで   「公式サイト」
イタリアの田舎町の湖のほとりで美しい少女アンナの死体が発見される。
刑事は争った形跡がないことから顔見知りの犯行と推測。捜査を進めるうちに、
住民たちの複雑な人間関係や、知られざる家族の問題が明らかになっていく。


原題:La ragazza del lago
監督:アンドレア・モライヨーリ
原作:カリン・フォッスム
出演:トニー・セルヴィッロ/ヴァレリア・ゴリノ/オメロ・アントヌッティ
    ファブリツィオ・ジフーニ  ほか
上映時間:1時間35分

■シアターキノにて上映中


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