札幌100マイル

*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『シアターキノ』タグの付いた投稿

映画 『今度の日曜日に』



今度の日曜日に
ソラは、日本で映像の勉強をする憧れの先輩ヒョンジュンを追って韓国から日本に
留学したが、家庭の事情で休学して韓国へ戻ったと聞き、ショックを受ける。やがて
秋になるが、ソラはいまだに日本での生活に馴染めず、映像実習の課題の題材も
決められない。そんな時、トイレでドジな用務員の中年男・松元と出会う。


韓国から留学してきた女の子と、ちょっと風変わりなおじさんとの
心の交流を描いたハートフル・ストーリー。

宣伝はほとんどされていない作品ですが、「あらすじ」に惹かれ
観賞を決定。 シンプルなんだけど、人の優しさと思いやりが
詰まった作品にウルウルほっこり。 良い作品に出会えて良かった。

タイミングよく、本編上映後にけんもち監督のティーチインが行なわれ、
久しぶりにパンフレットを購入してサインまでもらっちゃいました。
監督の物腰柔らかな感じは、作品のイメージとピッタリ。

ドジで風変わりな中年男・松元を演じるのは、市川染五郎さん。
歌舞伎界のプリンスにおじさんの役はどうかと思ったのですが、
清潔感があって、チャーミングで、優しさが滲み出てくる、この3つを
兼ね備えた染五郎さんは、監督の狙い通りにハマっていてびっくり。
イメージを覆す、ダメダメで素朴な染五郎さんもアリですね(笑)

ソラ役には、映画初出演の歌手ユンナちゃんが好演。 
講師役で登場する竹中直人さんがいつもより控えめな演技にホッとした。

長野県ののどかな風景や、アイテムとして登場するガラス瓶など
素朴で爽やかな映像が美しい。やさしく心温まる映画に癒されました。

監督・脚本:けんもち聡
出演:ユンナ/市川染五郎/ヤン・ジヌ/チョン・ミソン
    竹中直人/大和田美帆/中村俊太 ほか
上映時間:1時間45分
<公式サイト>  シアターキノ にて公開中  


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ドキュメンタリー映画 『ハーヴェイ・ミルク』



ショーン・ペン主演の映画 『MILK』 を観てから、公開を楽しみにしていた
ドキュメンタリー映画 ハーヴェイ・ミルク

1984年アカデミー最優秀ドキュメンタリー賞をはじめ、各賞を受賞。
当時の生々しいニュース映像、関係者のインタビューやミルクの貴重な映像が
満載の素晴らしいドキュメンタリー。

この作品を観ると、映画 『MILK』 が丁寧に作られていることがわかって
大変興味深い。  
『MILK』 以上に、キャンドル・マーチのシーンは感動的で胸が熱くなった。

<延長上映決定> 5月22日(金)まで、シアターキノで1日1回上映中。 お見逃しなく!

原題:The Times Of Harvey Milk
監督:ロバート・エプスタイン/リチャード・シュミーセン
製作年: 1984年
上映時間:1時間27分
「公式サイト」

映画 『いとしい人』



いとしい人
エイプリルは39歳の小学校教師。養父母に育てられたエイプリルは、「自分は絶対に
自分で子供を産み、自分で育てる」と決めていて、年下の夫ベンとの間に早く子供が
授かりたくてたまらない。しかしある日、ベンは突然家を出て行ってしまう。その翌日
には養母が亡くなり、絶望の淵にいたところに、実母と名乗る女性が現れる。


『恋愛小説家』でオスカー受賞のヘレン・ハントが、監督デビューを飾り
製作・脚本・主演をこなしたアラフォー女性ドラマ。

39歳のヒロインが恋愛、妊娠などに悩みながら幸せを求めていく姿を描いている
のですが、デリケートな問題を含めいろいろ詰め込んだ割りにキレイにまとめ
すぎたかな...今ひとつ盛り上がりに欠ける仕上がり。

ヘレン・ハントが役柄の39歳より年上だから仕方ないのかもしれないけど、
お疲れ顔で老けて見えたのがちょっと残念。
アラフォーの自分からするとスクリーンの中では夢が欲しいわけで...。
それに比べ、実の母親役のベッド・ミドラーがとてもチャーミング。
惜しげもなく?披露する脚線美がうらやましい。

エイプリルと絡む男性陣は、大人になりきれずお子ちゃまな夫・ベンに
マシュー・ブロデリック。 キャラがぴったりハマっているだけに、
『ウォー・ゲーム』や『フェリスはある朝突然に』の頃を想うと複雑。
エイプリルと急接近する教え子の父親でバツイチのフランクに
真面目な役はお手のもの、コリン・ファース。 歩き回る姿はツボ。

ラストも今ひとつしっくりこないのですが、キャスティングに拍手!

原題:Then She Found Me
監督・脚本・製作/ヘレン・ハント
出演/ヘレン・ハント/コリン・ファース/ベット・ミドラー/マシュー・ブロデリック
    ベン・シャンクマン/リン・コーエンほか
上映時間:1時間40分
<公式サイト>  シアターキノ にて公開中  


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映画 『悲夢 Himu』



悲夢 Himu
深夜に元恋人を追って車を走らせていたジンが、突然路地から飛び出してきた車と
衝突する夢を見る。そのリアルな夢に胸騒ぎを覚えて記憶を頼りに車を走らせると、
彼が夢で見たのと寸分違わぬ事故が起きていた。そこで警察に拘束されたのは
ランという女性だった。


韓国の鬼才キム・ギドク監督が日本人のオダギリジョーをどう撮るのか
興味津々で観賞。 ラブ・ストーリー? ダーク・ファンタジー?
一言で表現しがたい不思議な映画。

男(オダギリジョー)が見た夢の中の行動を、女(イ・ナヨン)が夢遊病状態で
行動を起こすというストーリーは面白く、二人の衣装が白と黒だったり、
夢と現実、男と女が対照的に描かれているのが印象的。
部屋や衣装、景色など色彩感覚は本当に美しい。

でも普通にオダジョーは日本語をしゃべり、他の登場人物は韓国語を
話すのに会話が成り立つという違和感...。
そしてオダジョーの睡魔と闘う姿に苦笑い。コメディじゃないよね?

切なく痛々しいシーンも多いけど、美しいラストに救われた。
このギドク作品も万人受けするとは言いがたいなぁ...。

原題:SAD DREAM
監督・脚本・撮影:キム・ギドク
出演:オダギリジョー/イ・ナヨン/パク・チア/キム・テヒョン ほか
上映時間:1時間33分
<公式サイト>  シアターキノ にて公開中  


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映画 『キャラメル』

caramel

キャラメル 
ベイルートにあるエステサロンに集う女性5人は、触れられたくない痛みを抱えて生きていた。
不倫の恋に悩むラヤール、フィアンセに過去を隠すニスリン、美しい女性に心惹かれるリマ、
若さに執着する女優志望のジャマル、人生を諦める初老のローズ。ニスリンの結婚式を
前にそれぞれの人生が動き出す。


レバノン特有の宗教や文化を背景に、ベイルートのエステサロンに集う、
不倫、結婚、同性愛、老いなどの悩みを抱えた女性たちの日常を
ユーモアたっぷりにサラリと描いた物語。

「レバノン映画」初鑑賞です。
中東のレバノンといえば紛争国家の印象が強かったのですが、一転したかも。
女性の悩みは世界共通なんだなぁと共感しまくり、期待以上の作品。
SATC』にペドロ・アルモドバル監督テイストをプラスしたかんじでしょうか? 
これは観て良かった。

監督・脚本・主演を務めたナディーン・ラバキーは「世界で最もパワフルな
アラブ人100人」の女性としてはトップの5位に選ばれた、美人で才女。
なんと彼女以外の出演者は「素人」だというから、これまたビックリ。

女性監督らしく、ガールズトーク満載、繊細に可愛らしく描かれた女性達が
とても魅力的。 姉の介護に追われる初老ローズのエピソードは切なくて涙。
ラストの黒髪を切った女性の笑顔が印象的。

物語の象徴となっている「キャラメル」の利用法が面白い。
音楽も良く、華やかな小物や衣装も見所。
甘く切なく、あたたかい気持ちになれる女子におすすめの映画です。

原題:Caramel
監督:ナディーン・ラバキー
出演:ナディーン・ラバキー/ヤスミーン・アル=マスリー/ジョアンナ・ムカルゼル
    ジゼル・アウワード/アーデル・カラム/シハーム・ハッダード
    アジーザ・セマアーン
上映時間:1時間36分
<公式サイト>  シアターキノ にて公開中  


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