冬ならではの光景
Posted by winterpj on 2014年1月29日(水) 15:43
皆さんこんにちは。
↓の写真、冬ならではの光景なんですが、なんだかわかりますか?
分からないですよね。少しアップにしてみましょう。
猛禽者の檻の上に誰か乗っているような・・・?
正解は雪下ろしです。
猛禽者の天井の網は雪が降ることを考え少し広めに作られているのですが、それでもやっぱり雪が積もってしまいます。
円山動物園の屋外檻は積雪も考えかなり頑丈に作られているのですが、やはり積もりすぎてしまうと檻ごと落ちてしまうということもあるため、積もってきたら雪下ろしを行います。
普段は非公開になっている猛禽類野生復帰施設のケージ類も同じです。
積雪寒冷地ということで、ほかの動物園では考えなくてもいいことなんかもでてくるんですね。
寒さが動物に及ぼす影響なんかも考えなければなりません。
たとえば、この子。モップじゃないですよ。
誰か分かる人はなかなかの円山動物園マニアかもしれません。
正解はナマケグマのゴマキです。
彼女は昨年まで世界のクマ館で年中暮らしていたわけですが、世界のクマ館はかなり寒い施設なので、冬の寒さが少し心配で、今年は暖房の効いた熱帯動物館で過ごしてもらうことにしました。
今年は暖かい館内でゆったり過ごしているように感じられます。世界のクマ館から熱帯動物館への移動は彼女にとって多少の負担があったかもしれませんが、結果的には移動させてよかったなと思っています。
ただ、飼育的にはもともと独特の臭いがあった熱帯動物館に、別種の新しい臭いが加わって慣れるまでにしばらくかかりました。。
ところで熱帯動物館が少し様変わりしたのにお気づきでしょうか?
檻の色が変わったような・・・?
これはモンキーハウス改修のための準備です。
もうしばらくしたらモンキーハウスの改修工事が始まります。
その間モンキーたちが熱帯動物館に仮住まいすることになるため、改修を行っているのです。
たとえば強度の弱そうな網や、モンキーがすり抜けてしまうそうな目の粗い網などに、目が細かく強い強度の網を重ねて脱走事故が起きないようにしなければならないわけです。
とりあえず網の強化や隙間をふさぐ工事が終わったので、今度は動物舎内の木組みを行います。
木組みとはおサルさんたちの行動の幅が三次元的に広がるように木を組んであげることです。
ただ、木を組み合わせればよいというものではなく、おサルさんたちの動きを考えて、作業の際の飼育員さんたちの死角をなくしたりということも考えながら組まなければなりません。
それに彼らは小さな体に似合わず力が強いので、頑丈さも求められます。
なので、木組みの作業はまるで大工仕事です。
チェーンソーなんかも使います。
おサルさんたちが引越ししてきたら、アジアゾーンに動物が引越ししたことで少し静かになっていた熱帯動物館がまた騒がしくなりそうです。
しばらく騒がしいと思うけど、勘弁してね。