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コウヒロナガクビの産卵、2016。
Posted by zoozakki on 2016年12月7日(水) 08:30
今年もコウヒロナガクビガメが産卵してくれました。
円山動物園ではこれまで2回の産卵を経験しておりますが、孵化には至っておりません。
それどころか、有精卵かどうかもわかっていないのが現状です。
以前もお話しましたがこの種の繁殖は非常に困難でして、世界的にも数例しか確認されておらず、ここ10年くらいは新たな報告例もありません。
それくらい繁殖の条件がよくわかっていないのです。
コウヒロナガクビはオーストラリア南東部に生息するカメでして、「高温多湿の夏」と「冷涼で乾燥した冬」という中で一年のリズムが組み立てられています。
そしてこのカメが特殊なのは、わざわざ秋から冬にかけて産卵するということです。
まあ冬といってもこの種の生息地はそれほど寒冷な土地ではないので下がっても10度程度ですが、それでも産卵するのに適切な時期とは思えません。
そんな特殊な生態が、このカメの繁殖の難しさに繋がっているわけです。
円山動物園では、ブリスベンの気候を基準に飼育環境を組み立てておりまして、それに従い光周期や水温の年変化を再現しております。
今年の産卵は11月23日で、野生同様に冷涼な環境の中で始まりました。
今回は9卵、見た目は健康そうだけど、どうなんでしょうか。
これまでいろいろな孵化法を試してきましたが、今回は「自然に忠実作戦」で挑むことに決めました。
現在の孵化器の設定温度は21℃、卵の表面温度は20〜22℃の範囲で管理しています。
このまま3ヶ月程度維持し、徐々に温度を上げていく予定です。
まずは有精卵であること、そしてこの孵化法が適切であることを心から祈るのみです。
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