札幌100マイル

*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『映画 ’10』カテゴリーの投稿一覧

映画 『海炭市叙景』



函館出身の作家・佐藤泰志氏の遺作を、帯広出身
ノン子36歳(家事手伝い)』 の熊切和嘉監督が映画化。

北海道・函館をモデルにした架空の地方都市(海炭市)を
舞台に、さまざまな事情を抱えながらも必死に生きる人々の
姿を繊細に描いたオムニバス・ストーリー。

観光都市のイメージが強い美しい函館を描くのではなく、
ありのままの地方都市の姿を淡々と映し出した秀作。

原作同様に、そこに住む人々の生活感や重く張りつめた
冷たい空気感までもが伝わってきて、この物語が現代を
生きる者にとって決して他人事ではないという現実が身にしみる...。

ストーリーは重いですが、ジム・オルークの音楽が良く、
かすかな希望を感じさせるラストが美しい。 

海炭市叙景
北国の小さな町・海炭市の冬。造船所では大規模なリストラが行われ、職を
失った颯太(竹原ピストル)は、妹の帆波(谷村美月)と二人で初日の出を見る
ため山に登ることに...。一方、家業のガス屋を継いだ晴夫(加瀬亮)は、
事業がうまくいかず日々いら立ちを募らせていた。そんな中、彼は息子の
顔に殴られたようなアザを発見する。


監督:熊切和嘉
原作:佐藤泰志
出演:谷村美月/竹原ピストル/加瀬亮/三浦誠己/山中崇
    南果歩/小林薫  ほか
上映時間:2時間32分
「公式サイト」

■シアターキノ にて上映中


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映画 『トロン:レガシー』



1982年に世界初のCGを導入したジェフ・ブリッジス
主演作 『トロン』 の続編。

父親が創造し「トロン」と呼ばれるコンピューターの
世界へ導かれた若者が、命を狙われながらも人類の
存亡を賭けた死闘に挑むSFアクション大作。



オリジナル版 『トロン』 は未見。

3D元年の去年(2009年)、『アバター』 に
衝撃を受けてから早1年...
ドキドキワクワクの
初・IMAX3Dで鑑賞。


まぁ、ストーリーは置いといて(苦笑)...
CGと3Dのクオリティーが高い! 改めて3Dの進化を実感っ。

2Dと3Dの使い分けが絶妙で、近未来の映像美に釘付け。
必要な武器を創りだす「バトン型ツール」が欲し~っ。 

注目は、ケヴィン・フリン役のジェフ・ブリッジスが、35歳
当時の顔で自然に演技していること。 このCGは、『ベンジャミン・
バトン 数奇な人生』のブラピ以上のクオリティー。

サイバーな世界観を彩る音楽も◎
劇中にもチラッと登場するダフト・パンクのクールな
サウンドもカッコイイのですが、ゲームセンターで流れた
ジャーニーの「Seperate ways」と、ユーリズミックス
Sweet Dreams」にしびれた~っ!(分かる人は分かるよねぇ♪)
サントラにこの2曲は入っていないのが悲しい。

さて、IMAX3Dについて少々。
座席は後方ではなく、スタッフさんおすすめのセンターを選択。
はじめはスクリーンが近すぎる気もしたのですが、
スクリーンに包まれるような臨場感を味わうことができました。
メガネもフィット感が良く、掛け心地が良かったです。
しかしメガネonメガネの相方は、フィット感が悪く不評...。
映画を見る本数が多い人間には、料金も少々ネック。

大画面で観る価値のある作品ですが、過度の期待はしないように!


トロン:レガシー
デジタル業界のカリスマ、ケヴィン・フリンが謎の失踪を遂げてから20年たった
ある日、27歳に成長した息子サムに父ケヴィンからのメッセージが届く。サムは、
父ケヴィンの消息を追って父のオフィスに足を踏み入れるが、そこには衝撃的な
真実が待ち受けていた。


原題:Tron: Legacy
監督:ジョセフ・コジンスキー
音楽:ダフト・パンク
出演:ジェフ・ブリッジス/ギャレット・ヘドランド/オリビア・ワイルド
    マイケル・シーン/ブルース・ボックスレイトナー ほか
上映時間:2時間17分
「公式サイト」

■札幌東宝プラザ,ユナイテッド・シネマ札幌,札幌シネマフロンティア
 ほかで上映中 


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映画 『わたしの可愛い人-シェリ』



-上映は終了しましたが、備忘録として-

フランスの女性作家コレットの同名の原作を映画化。
1906年のパリを舞台に、元ココット(高級娼婦)と
親子ほども年の離れた青年との恋を描いたラブストーリー。

一番の見どころは、レアを演じるミシェル・ファイファー
豪華な衣装と50代とは思えない美貌とスタイル。
なぜかレアの元ライバル・コレットがキャシー・ベイツ(笑)で
その息子シェリが 『プライドと偏見』『縞模様のパジャマの少年
ヴィクトリア女王 世紀の愛』 のルパート・フレンド

プライドの高いレアが、シェリと別れて初めて知る苦しみや
老いの不安は切ないのですが、年下男シェリの魅力が
感じられず、いまひとつ入り込めなかったなぁ。

わたしの可愛い人-シェリ
1906年パリ、名うてのココット(高級娼婦)のレアは恋に落ちる危機を何度も切り抜け、
今は優雅な引退生活を送っていた。一方、彼女の元同業の友人はある打算を秘めて、
問題児の一人息子シェリをレアに託す。数週間で別れるつもりが6年も二人は共に
暮らすが、年ごろになったシェリに結婚話が持ち上がり、レアは動揺する。


原題:Cheri
監督:スティーヴン・フリアーズ
原作:コレット
出演:ミシェル・ファイファー/ルパート・フレンド/フェリシティ・ジョーンズ
    キャシー・ベイツ/イーベン・ヤイレ/アニタ・パレンバーグ ほか
上映時間:1時間30分  <R-15>
「公式サイト」


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映画 『うまれる』



-上映はとっくに終了しましたが、備忘録として-

「赤ちゃんは親を選んで生まれてくる」という子どもの
胎内記憶をモチーフに、4組の夫婦の姿を通して、
妊娠から出産、そして出産と隣り合わせにある不妊や
流産・死産といった命のドラマをめぐるドキュメンタリー。

豪田監督の男性目線で撮られた本作は、押しつけ
がましさがなく、優しさに溢れている。

出産未経験のワタシも、生まれてくることの意味や
家族のあり方や自分の生き方、人とのつながりに
ついて深く考えさせられ、涙があふれた。

「うまれる」って素晴らしい!
両親に感謝。 命の尊さに感謝。

うまれる
伴 真和(31歳)、まどか(31歳)夫婦は、結婚して約1年。妊娠6カ月のまどかは、
初めてのお産が楽しみな反面、さまざまな不安も抱えている。なかでも一番の
心配は、自分が果たして良い親になれるのかどうかということ。いつも笑顔の
彼女だが、実は幼い頃に母親から虐待された辛い経験を持ち、彼女が中学生
のときに離婚して家を出た母親とは絶縁状態だ。


企画・監督・撮影:豪田トモ
プロデューサー:牛山朋子
ナレーション:つるの剛士
上映時間:1時間44分
「公式サイト」


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映画 『彼女が消えた浜辺』



浜辺にバカンスに訪れた若い女性の事件をきっかけに、
人間の複雑な内面が暴かれるヒューマン・ミステリー。

2009年ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を
受賞したイラン映画。

イラン映画といえば、『運動靴と赤い金魚』 や
アッバス・キアロスタミ監督の『友だちのうちはどこ?』
など、子供を主人公にした素朴な作品のイメージが強い
のですが、本作は中流階級の男女がバカンス先で事件に
巻き込まれる心理サスペンス。

タイトルから期待した、ミステリー要素は物足りない
ですが、登場人物の心理描写は秀逸。
イランの文化や習慣、価値観なども興味深い。

それにしても、セピデー役のゴルシフテェ・ファラハニーや、
エリを演じたタラネ・アリシュスティが本当に美しい。
レバノン映画の 『キャラメル』 といい、アラブ系は美女が
多いですねぇ。

彼女が消えた浜辺
テヘラン近郊の海辺のリゾート地にバカンスに訪れた男女の中に、セピデーが
誘ったエリもいた。トラブルに見舞われながらも初日は楽しく過ぎ、2日目に
事件が起きる。海で幼い子どもがおぼれ、何とか助かったものの、エリの姿が
こつ然と消えてしまっていた...。


英題:About Elly
監督・脚本:アスガー・ファルハディ
出演:ゴルシフテェ・ファラハニー/タラネ・アリシュスティ
    シャハブ・ホセイニ/メリッラ・ザレイ ほか
上映時間:1時間56分
「公式サイト」

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