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映画 『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』
Posted by bluestar on 2009年10月1日(木) 12:36
今年は太宰治の生誕100年を記念して、『斜陽』 『パンドラの匣』と
次々に映画化されるなか、第33回 モントリオール世界映画祭で
最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻』 を試写会で観賞。
小説家として秀でた才能がありながら酒、借金、浮気と
どうしようもないダメ男・大谷と、その妻・佐知の物語。
原作未読のため、お堅く重苦しい話なのかと思いきや、
面白く見応えがあり、キャストも魅力的。
古き良き日本がいっぱい詰った奥深い作品でした。
正直、大谷と佐知の夫婦関係は理解しがたいのですが
男女の関係なんて他人には分からないものなので
客観的に楽しませていただきました。
男女で受け止め方も違ってくるのではないでしょうか?
男性の理想の女性像ともいえる「佐知」を、強くしなやかに
演じる松さんがとっても良い。凛とした美しさにうっとり。
ダメダメ男でありながら、何故か憎めない魅力的な
大谷を浅野忠信くんが好演。 お二人ともハマリ役。
サブタイトルの「桜桃とタンポポ」ってなに?と思ったら、
痛みやすいけれど甘みがあって愛される「桜桃」を大谷、
どんな環境でも対応して成長し、華やかではないけれど
誠実な美しさを持った「タンポポ」を佐知に例えているそうです。
なるほど、深いですねぇ。
【ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~】 「公式サイト」
戦後の混乱期、酒飲みで多額の借金をし浮気を繰り返す小説家・大谷の妻・佐知は
夫が踏み倒した酒代を肩代わりするため飲み屋で働くことに。生き生きと働く佐知の
明るさが評判となって店は繁盛し、やがて彼女に好意を寄せる男も現れ佐知の心は
揺れる。そんな中、大谷は親しくしていたバーの女と姿を消してしまう。
監督:根岸吉太郎
原作:太宰治 「ヴィヨンの妻」
脚本:田中陽造
出演:松たか子/浅野忠信/室井滋/伊武雅刀/広末涼子
妻夫木聡/堤真一 ほか
上映時間:1時間54分 PG12
■10月10日(土)より、札幌シネマフロンティア ほか全道でロードショー
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映画 『悪夢のエレベーター』 100マイル試写会
Posted by bluestar on 2009年9月30日(水) 12:31
突然ですが、この映画のタイトルって間違いやすいと思いませんか?
「悪夢」を「悪魔のエレベーター」と思い込んでいました...。
ワタシだけ?と思っていたら、ググるとヒットするんですねぇ、これが。
(※製作サイドの皆様ごめんなさい。)
余計な話はさて置き、
累計50万部突破の木下半太氏の「悪夢」シリーズの第一作を
放送作家と役者の顔を持つ堀部圭亮氏が長編映画初監督。
エレベーターという密室に閉じ込められたワケありの
男女4人が繰り広げる笑いと恐怖のサスペンス・コメディ。
書きたいことはいろいろあるのですが、伏線張りまくりの
作品なので、ネタバレ厳禁!! 口コミも難し~いっ。
大ドンデンありの良く出来たストーリーにグイグイ
引きこまれました。
ナニが真実でナニが嘘なのか?
騙されているのか?いないのか? 翻弄されまくり。
面白いので騙されたと思って、とりあえず観て!(笑)
演技派の内野聖陽さんを筆頭に、モデル出身のイケメン
斎藤工くんやモト冬樹さんなど個性的な俳優陣が頑張って
いる中で、存在感バツグンだったのが佐津川愛美ちゃん。
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』でも存在感があった彼女。
本作ではゴスロリファッションのインパクトもさることながら
主役の内野さんを食っちゃってますから...末恐ろしい女優さんだわ。
個人的ツボは、マンションの管理人・望月を演じた大堀こういちさん。
一度見たら忘れられない...夢に出そう...。
映画観賞後、続きが気になったらコチラへ★
【悪夢のエレベーター】 <公式サイト>
エレベーターに閉じ込められてしまった、何だかワケあり気な男女4人。
助けを呼ぶこともままならない非常事態、なぜかお互いの秘密を暴露
しあっていくハメに…。それぞれが不信感を抱く中、ついに事件は起こる
監督:堀部圭亮
原作:木下半太 「悪夢のエレベーター」
出演:内野聖陽/斎藤工/佐津川愛美/モト冬樹/大堀こういち
芦名星/本上まなみ ほか
上映時間:1時間45分
■10月10日(土)より、スガイシネプレックス札幌劇場 にてロードショー
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映画 『空気人形』
Posted by bluestar on 2009年9月27日(日) 23:15
ファンタジー・ラブストーリーと思いきや、そこは是枝監督...
想像以上に衝撃的で、じわりじわりと考えさせられる奥深い作品。
心を持ったリアルドール(空気人形)を通して、空虚で孤独な
現代人を淡々と描いた切ない物語。
空虚感を抱える人々にしみじみ共感...。
ヒロインの「空気人形」を演じた ペ・ドゥナは、彼女以外に
考えられないくらいのハマリ役。 『子猫をお願い』を観て以来、
透明感に溢れ、年齢不詳の可愛らしさが魅力的だったけど、
こんなにスタイルがよかったっけ?と思うほど、スラリとした
抜群のプロポーションを披露し、大胆かつチャーミングに
「空気人形」を好演。 人形しか愛せない孤独な中年男を
演じた板尾創路の存在感も見逃せない。
印象的だったのが、空気人形の抜けてしまった空気を
憧れの男性に吹き込まれるシーン。
体と心も満たされて、とっても官能的。
是枝監督作品の『誰も知らない』『歩いても 歩いても』
とは、また違った魅力のある本作。
ワタシは好きな作品ですが、好みが分かれそう...。
【空気人形】 「公式サイト」
古びたアパートに暮らす秀雄の等身大の空気人形が、本来持ってはいけない
「心」を持ってしまう。秀雄が出掛けた後、一人で街に出るようになった彼女は、
やがてレンタルビデオ店で働く純一に想いを寄せ、その店でアルバイトを始めるが...。
監督・脚本・編集:是枝裕和
原作:業田良家 (短編漫画「ゴーダ哲学堂 空気人形」)
出演:ペ・ドゥナ/ARATA/板尾創路/高橋昌也/オダギリジョー
富司純子/余貴美子/岩松了/寺島進 ほか
上映時間:1時間56分 R-15
■シアターキノ,ユナイテッド・シネマ札幌 ほか全道で上映中
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蠍座 『重力ピエロ』
Posted by bluestar on 2009年9月23日(水) 08:55
原作ファンのため、映画を観ようか迷っているうちに見逃して
しまった『重力ピエロ』。 蠍座さんの上映に感謝感謝。
祝日なこともあり、初日から超満員。(座席数68+パイプ椅子)
※10月5日(月)まで上映中。
映画は、伊坂作品の世界観を出すのは難しいだろうけど、
原作にはないエピソードを織りまぜて、良い部分が出ていた
ので満足。「兄弟愛」には感情移入...ウルウルです。
キャスティングはとっても良かったなぁ。
兄・泉水役の加瀬亮くんと、弟・春役の岡田将生くんは
カッコイイ兄妹だし、その父親役の小日向文世さんは
ひょうひょうとした演技がとってもイイ。
★北海道のPR大使「ゆとり旅案内人」だったんでね。
道産子なのは知っていたけどPR大使だったとは知らなかった!
【重力ピエロ】 「公式サイト」
大学院で遺伝子の研究をする兄の泉水と、芸術的な才能を持つ弟の春。2人は
仙台の街で起こる連続放火事件と、現場近くに必ず残されるグラフィティアートの
関連性に気付き、事件の謎解きに乗り出すが、そのことで24年前から今へと繋がる
家族の謎が明らかになっていく。
監督:森淳一
原作:伊坂幸太郎
出演:加瀬亮/岡田将生/小日向文世/鈴木京香/渡部篤郎/吉高由里子 ほか
上映時間:1時間59分
映画 『サマーウォーズ』
Posted by bluestar on 2009年9月18日(金) 12:31
オータムになりましたが、『サマーウォーズ』を観てきました。
アニメに疎く、細田守監督の前作 『時をかける少女』の
若者の言葉遣いに違和感があり、その流れで本作は
ノーマーク。 さらりとスルーする予定でしたが、評判が良く
鳩山総理も観たというので、今更ながら観賞してみることに。
こんなに面白くて号泣する映画だったとは...まさに予想外。
ノーマークだったことを後悔。 急いでリピートしなくっちゃっ。
ストーリーは、気弱な高校生と田舎の大家族が、デジタル
ネットワーク上の異変がもたらした世界の危機に立ち向かう
お話。 この説明では?だろうけど、とりあえず観て観て!
バーチャルなネット世界と現実世界(日本の田舎の大家族)
という対極の組み合わせが面白く、デジタルな時代になっても
家族の絆や人とのつながりの大切さを改めて感じました。
夏の匂いまで伝わってくるような懐かしい田舎の風景など
映像美が素晴らしく、大家族のキャラ設定も面白い。
家族が食卓を囲む何気ないシーンがお気に入り。
一族の大黒柱・栄おばあちゃんの言葉が心に沁みます。
その言葉を聴くだけでも価値のある作品かも。満足満足。
【サマーウォーズ】 「公式サイト」
数学が得意だが気弱な高校2年生の健二は、憧れの先輩・夏希に頼まれ
夏休みの間、彼女の実家で夏希のフィアンセとして過ごすことに。そんな時
健二はネット上の仮想空間OZで起きた事件に巻き込まれ、その影響が現実
世界にも波及。夏希の一家ともども、世界の危機に立ち向かう。
監督・原作:細田守
脚本:奥寺佐渡子
声優:神木隆之介/桜庭ななみ/谷村美月/仲里依沙 ほか
上映時間:1時間54分
■ユナイテッド・シネマ札幌 ほか全道で上映中
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