札幌100マイル

*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『シアターキノ』タグの付いた投稿

映画 『セラフィーヌの庭』

またまた、映画レビュー放置している間に早いもので、
もう11月...あわてて10月に観た映画をUPです。

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セザール賞主要7部門独占受賞をはじめ、世界各国の
映画祭で多数の賞を受賞した、フランスに実在した女性画家
セラフィーヌ・ルイと、ドイツ人画商ヴィルヘルム・ウーデの
出会いから30年にも渡る交流を描いた物語。

色鮮やかで力強いタッチの絵に魅了されると共に、
純粋で繊細な心を持ったセラフィーヌを自然に演じる
ヨランド・モローが素晴らしい。 
彼女の演技を観るだけでも、この作品を観る価値あり。

映画を観るまで 「セラフィーヌ・ルイ」 を知らなかったのですが、
家政婦として働き、孤独で貧しい生活を送るなかで、自然を
愛し、鳥や植物と語り合いながら独学で絵を描くセラフィーヌが
興味深い。
ルソーやピカソを発掘した画商ヴィルヘルム・ウーデに才能を
見いだされて絵を描き続けるが、晩年は世界大恐慌の影響もあり
精神のバランスを崩してしまう。

本能のままに絵を描いていたセラフィーヌにとってウーデとの
出会いは果たして幸せだったのだろうか?
安らぎに満ちたラストシーンから、幸せだったと信じたい。

セラフィーヌの庭
1912年、フランス・パリ郊外のサンリス。貧しく孤独な女性セラフィーヌの日々を
支えていたのは、草木との対話や歌うこと、そしてなによりも絵を描くことだった。
ある日、彼女はアンリ・ルソーを発見し、ピカソをいち早く評価したドイツ人画商
ヴィルヘルム・ウーデに見出され、その後、彼の援助のもと、個展を開くことを夢
見るようになる。そんな中、第一次世界大戦が起こり…。


原題:Serahphine
監督:マルタン・プロヴォスト
出演:ヨランド・モロー/ウルリッヒ・トゥクール/アンヌ・ベネント
    ジェヌヴィエーブ・ムニシュ/ニコ・ログナー/アデライド・ルルー
    セルジュ・ラヴィリエール/フランソワーズ・ルブラン ほか
上映時間:2時間6分
「公式サイト」

■シアターキノ にて上映中


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映画 『ぼくのエリ 200歳の少女』



2008年のトライベッカ国際映画祭で最優秀作品賞を始め
世界中で60もの映画賞を受賞。

スウェーデンの人気作家 ヨン・アイビデ・リンドクビストの
ベストセラー小説「モールス」を映画化したスウェーデン発の
ヴァンパイア映画 『ぼくのエリ 200歳の少女』。

スウェーデン映画といえば、大好きなラッセ・ハルストム監督作品や
ロッタちゃんシリーズなど、子供映画はハズレなしだし、最近では
ミレニアム』 が大当たりということで、札幌上映初日に鑑賞。

レビューを放置していましたが、この作品は観て良かった。
ヴァンパイア映画なので残酷なシーンもありますが、ホラーと
いうより、12歳の少年の初恋を描いたラブストーリー。

いじめられっ子の少年オスカーと、孤高のヴァンパイア・エリ。 
孤独な二人の運命的な結びつきを詩的に描いた本作は、
美しくも残酷で切ないヴァンパイア映画の秀作。 
(同じようなヴァンパイアものでもコチラとは大違い...。)

冒頭から闇夜に舞う雪が美しく幻想的で、映画全体を包み込む
ような、北欧スウェーデンの寒々しい空気感がたまらない。 
雪と血、オスカーの金髪とエリの黒髪など、コントラストも美しい。

お互いを受け入れたオスカーとエリの絆と、今後の運命を
予感させるクライマックスからラストのシークエンスが印象的。

これからオスカーが辿るであろう運命を思うと、ラストの幸せそうな
笑顔が切なすぎる。

残念だったことは、「200歳の少女」というネタバレ邦題と、ある
秘密が隠されている下半身のモザイク処理...。

そうそう、ハリウッド・リメイク版 『Let Me In』 の予告映像を観たの
ですが、ただのホラーのよう...やっちゃいましたねぇ。
やはりアノ北欧の空気感を描くことはできないだろうなぁ。


ぼくのエリ 200歳の少女
内気で友達のいない12歳のオスカーは、隣の家に引っ越してきた少女エリに
恋をする。しかしエリの正体は、人間の血を吸いながら町から町へと移り住み、
200年間も生きながらえてきたバンパイアだった。


原題:Let the Light One in
監督・編集:トーマス・アルフレッドソン
原作・脚本:ヨン・アイビデ・リンドクビスト(「モールス」)
出演:カーレ・ヘーデブラント/リーナ・レアンデション/ペール・ラグナル
    ヘンリック・ダール/カーリン・ベリィクイスト/ペーテル・カールベリ
    イーカ・ノード/ミカエル・ラーム/カール=ロベルト・リンドグレン
    アンダージュ・テー・ペードゥ/パレ・オロフソン  ほか
上映時間:1時間55分   <PG-12>
「公式サイト」

■シアターキノ にて上映中


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『息もできない』 特別上映とゲストトーク@シアターキノ



本日より、「SAPPORO SHORT FEST 2010」 が開幕しましたねぇ。

ホワイトロックシアターの初日プログラムも魅力的でしたが、
シアターキノで SAPPORO SHORT FEST 5周年記念特別上映
息もできない』 上映と、監督・主演ヤン・イクチュン氏&主演女優
キム・コッピさんのゲストトーク に参加してきました。

客席には、映画 『レインマン』 のオスカー脚本家であり
SSFの国際審査委員である バリー・モロー氏の姿がっ! 感激です!

実は、映画 『息もできない』 を観るのは3回目。
監督・主演・脚本・編集・制作をこなした才能溢れるヤン・イクチュン氏と
主演女優のキム・コッピちゃんの来札を楽しみにしていたんです。

映画は、3回目も涙・涙・涙...素晴らしい作品です。

映画上映後にヤン監督とコッピちゃん登場。
映画では、いかにもなチンピラを演じていたヤン監督ですが、
キャップにメガネを掛け、チェックのシャツにジーンズ姿の監督は
普通のお兄さん風。 コッピちゃんは、水玉ネイビーのワンピース姿
が清楚でカワイイ女の子といったイメージ。

「皆さん、ありがとうございます。 はじめまして、キム・コッピです。」
と流暢な日本語で挨拶をしてくれたコッピちゃん。 

通訳さんを交えてのトークは、映画の根底にある韓国の歴史的な
背景や家族、暴力描写についてなど真摯に語ってくれました。

お茶目なヤン監督の、KISSネタは笑えました。
今回、SSFの審査員として来札されたヤン監督。
映画祭で見かけたら 「KISSして下さい」って言ってました(笑)

ヤン・イクチュン監督&キム・コッピさん、カムサハムニダ!


■『息もできない』 は、シアターキノにて10/9(土)~15(金)アンコール上映決定!

映画 『シングルマン』



世界的ファッションデザイナー、トム・フォードが初監督
したことで話題の 『シングルマン』 を初日鑑賞。

1960年代を舞台に、長年連れ添った最愛のパートナーを
亡くした心の傷が癒えない大学教授の1日を描いた物語。

なんてスタイリッシュで美しい大人の映画なんだろう。
初監督作品とは思えないトム・フォードの世界観に陶酔。

映画 『007/慰めの報酬』 でもダニエル・クレイグが
トム・フォードのスーツをスマートに着こなしていましたが、
本作・主演のコリン・ファースのエレガントなスーツ姿に
うっとり。 格好良さ2倍増し。

メガネや時計といった小道具もセンスが良く、主人公の
家や家具、クラシックな車など、隙のない美的センスに脱帽。

繊細な人間描写や感情を表現した映像の色使いも素晴らしく
魅せられました。

知的で繊細なジョージを演じるコリン・ファースの安定した
演技が素晴らしく、ジョージのかつての恋人チャーリーを
演じるジュリアン・ムーアもセクシーで美しい。

ジョージの教え子のケニーを演じているニコラス・ホルト
『アバウト・ア・ボーイ』 のアノ小太りの男の子だったとは...
大人になったねぇ。
ニコラス以外も、ジョージのパートナーを演じたマシュー・グードや、
本作が映画初出演となるモデルのジョン・コルタジャレナら、
美しい男たちが登場...女子は目の保養にオススメかも(笑)

シングルマン   
時代は1960年代前半。大学教授のジョージは16年間共に暮らしたパートナーを
事故で失い、人生最後の日だと思って世界を眺めている。しかし、新たな出会いを
重ねるうちに内面に変化が生まれていく。


原題:A Single Man
監督・脚本・製作:トム・フォード
原作:クリストファー・イシャーウッド
出演:コリン・ファース/ジュリアン・ムーア/ニコラス・ホルト
    マシュー・グード/ジョン・コルタジャレナ ほか
上映時間:1時間40分
「公式サイト」

■シアターキノ にて上映中


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映画 『瞳の奥の秘密』



アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』 に引き続き、
またまたアルゼンチン映画。

第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したことくらい
しか予備知識を持たず鑑賞。
 
これは素晴らしい! 重厚で見応えがあり、評判通りの秀作。
...今年のベスト級かも。

ひとつの事件に係った人々の人生を丁寧に描いた
ミステリー仕立ての愛の物語。

25年前に起きた暴行殺人事件を軸に、過去と現実、
二組の愛の物語が交錯する巧みな構成。
当時のアルゼンチンの政治情勢も影響し、意外な展開へ。

現代と25年前の役を自然に演じる主演の2人が素晴らしい。
列車を追いかけるシーンやサッカー場のシーンなどカメラ
ワークが巧みで、伏線の張り方もお見事。
「A」が使えないタイプライターなど、スペイン語が分かれば、
もっと楽しめたのになぁ...。

二人の男性の異なる愛のカタチが、深い余韻を残します。
秋の夜長にじっくり観たい大人の映画です。

瞳の奥の秘密   
2000年のブエノスアイレス。刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、25年前に担当
した未解決の殺人事件についての小説を書くことを決意する。事件当時の職場を訪れ、
元上司の検事補イレーネと再会したベンハミンは、イレーネとともに当時の捜査を振り
返りながら、殺人事件の裏側に潜む謎に迫っていく。


原題:El Secreto De Sus OJos
監督・製作・共同脚本・編集:ファン・ホセ・カンパネラ
出演:リカルド・ダリン/ソレダ・ビジャミル/ギレルモ・フランチェラ
    パブロ・ラゴ/ハビエル・ゴディノ/ホセ・ルイス・ジョイア ほか
上映時間:2時間9分    <PG-12>
「公式サイト」

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