札幌100マイル

*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『ラブストーリー』タグの付いた投稿

映画 『新しい人生のはじめかた』



近頃、熟女パワー炸裂の大人のラブストーリーが続々
公開されていますが、米国を代表する名優ダスティン・
ホフマンと、英国を代表する演技派女優エマ・トンプソン
の2大オスカー俳優共演は見逃せません。

物語は、娘の結婚式に出るためにNYからロンドンへやって
来たハーヴェイ(ダスティン・ホフマン)と、40代でシングルの
ケイト(エマ・トンプソン)の交流を描く。

期待通り、安心して観ていられる心地よさとリアリティに
ほっこり癒されました。

派手な演出はないけれど、ロンドンの美しい街並みや風景も
アクセントとなり、男女の恋の駆け引きやセリフのやり取りに
グッときた。 ケイトの気持ちに共感っ。

本作は、ダスティン・ホフマン久しぶりの恋愛ものですが、
あの名作 『卒業』 のベンを彷彿させるシーンにニヤリ。
そういえば 『(500)日のサマー』、『恋するベーカリー』 でも
ビデオ映像で 『卒業』 が使われてたっけ。 
さすが名優、リスペクトされてますねぇ。

72歳になってもチャーミングなダスティンが演じる
ハーヴェイの結婚式のスピーチが素敵です(涙)

新しい人生のはじめかた  「公式サイト
離婚してニューヨークで気ままな一人暮らしをしているCM作曲家のハーヴェイは、
イギリスに暮らす一人娘の結婚式のためロンドンへと向かう。しかし、娘からバージン
ロードは義父と歩くと告げられ、絶望的な気持ちなる。一方、気むずかしい母親を抱え、
未来に期待することなく孤独な人生を送る女性、ケイト。やがて、ひょんなことから出会い
一緒にロンドンの街を散歩するハーヴェイとケイトだったが...。


原題:Last Chance Harvey
監督:ジョエル・ホプキンス
出演:ダスティン・ホフマン/エマ・トンプソン/アイリーン・アトキンス/
    キャシー・ベイカー/リアン・バラバン/ジェームズ・ブローリン/
    リチャード・シフ/ブロナー・ギャラガー ほか
上映時間:1時間33分

シアターキノ にて上映中 


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映画 『海角七号/君想う、国境の南』



台湾映画興行収入の記録を塗り替えたという
大ヒット作 『海角七号』 を鑑賞。

60年間届かなかったラブレターがつなぐ、
終戦直後と現代の台湾を舞台にした恋物語。

前半は、大雑把でベタな展開に「期待ハズレ」と
思いきや、後半からテンポが良くなりグイグイ
惹き込まれ、ラストは感動。 
濃すぎるけど憎めないキャラ達と音楽がイイ!

「終わりよければ全てよし」って感じの映画です(笑)

主演はミュージシャンで映画初主演のファン・
イーチェンと日本人女優の田中千絵さん。 
台湾で大人気の日本人ということで名前を聞いた
ことはあったのですが、メイクアップアーチスト・
トニー田中の娘さんなんですねぇ。

海角七号/君想う、国境の南   「公式サイト」
台湾最南端の町・恒春、ミュージシャンとしての成功を夢見ながらもうだつの
あがらない生活を送る青年・アガは、父親の計らいで郵便配達の仕事に就くことに。
日本統治下の住所「海角7号」宛ての小包を手にしたアガだったが、現在、それは
存在しない住所だった。


原題:海角七號
監督・脚本:ウェイ・ダーション
出演:ファン・イーチェン/田中千絵/中孝介/シノ・リン/
    レイチェル・リャン  ほか
上映時間:1時間55分

シアターキノ にて 2月19日(金)まで上映中

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映画 『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』



今年は太宰治の生誕100年を記念して、『斜陽』 『パンドラの匣』と
次々に映画化されるなか、第33回 モントリオール世界映画祭で
最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻』 を試写会で観賞。

小説家として秀でた才能がありながら酒、借金、浮気と
どうしようもないダメ男・大谷と、その妻・佐知の物語。

原作未読のため、お堅く重苦しい話なのかと思いきや、
面白く見応えがあり、キャストも魅力的。
古き良き日本がいっぱい詰った奥深い作品でした。

正直、大谷と佐知の夫婦関係は理解しがたいのですが
男女の関係なんて他人には分からないものなので
客観的に楽しませていただきました。 
男女で受け止め方も違ってくるのではないでしょうか?

男性の理想の女性像ともいえる「佐知」を、強くしなやかに
演じるさんがとっても良い。凛とした美しさにうっとり。 
ダメダメ男でありながら、何故か憎めない魅力的な
大谷を浅野忠信くんが好演。 お二人ともハマリ役。

サブタイトルの「桜桃とタンポポ」ってなに?と思ったら、
痛みやすいけれど甘みがあって愛される「桜桃」を大谷、
どんな環境でも対応して成長し、華やかではないけれど
誠実な美しさを持った「タンポポ」を佐知に例えているそうです。
なるほど、深いですねぇ。

ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~】    「公式サイト」
戦後の混乱期、酒飲みで多額の借金をし浮気を繰り返す小説家・大谷の妻・佐知は
夫が踏み倒した酒代を肩代わりするため飲み屋で働くことに。生き生きと働く佐知の
明るさが評判となって店は繁盛し、やがて彼女に好意を寄せる男も現れ佐知の心は
揺れる。そんな中、大谷は親しくしていたバーの女と姿を消してしまう。


監督:根岸吉太郎
原作:太宰治 「ヴィヨンの妻」
脚本:田中陽造
出演:松たか子/浅野忠信/室井滋/伊武雅刀/広末涼子
    妻夫木聡/堤真一 ほか
上映時間:1時間54分   PG12

■10月10日(土)より、札幌シネマフロンティア ほか全道でロードショー 


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映画 『いけちゃんとぼく』



いけちゃんとぼく
いつの頃からかヨシオのそばにいて、ヨシオにしか見えない不思議な生き物「いけちゃん」。
いじめられたり、父親が死んだりした時も、ずっとヨシオを見守る「いけちゃん」だったが、
その姿が次第に見えなくなってくる...。


不思議な生き物「いけちゃん」と少年の心の交流を描いた物語。
西原理恵子さん初の絵本を実写映画化。
「絶対泣ける」なんてうたい文句にされちゃうと構えて観ちゃうのが
玉にきず。 本当に泣けるのか?絵本は未読で観賞。

初めは、理屈っぽいというか大人びたセリフをしゃべる主人公のヨシオと、
フルCGで表現されたコミカルな「いけちゃん」に違和感があり、物語に
入り込めず。 慣れるまでガマンガマン...。

注目は、ヨシオのことを温かく見守る「いけちゃん」の声を担当する
蒼井優ちゃん。『鉄コン筋クリート』に引き続き、声に違和感がなくウマイ。

母親役のともさかりえちゃんのマリメッコのスカートが可愛い。
牛乳屋の清じい役のモト冬樹さんはハマりすぎ(笑)
女子高生みさこを演じた、清純派・蓮佛美沙子ちゃんの変身ぶりがツボ。

なんだかんだいっても、ウルっときました。
少年から大人への成長物語と思いきや、そうきましたか...反則です。

ファンタジーのようでリアリティもある不思議な物語。
残念なことに、ポスターや宣伝、映画の冒頭からネタバレしすぎっ。

監督・脚本:大岡俊彦
原作:西原理恵子
出演:蒼井優(声のみ)/深澤嵐/ともさかりえ/萩原聖人/モト冬樹
    蓮佛美沙子/柄本時生 ほか
上映時間:1時間47分
「公式サイト」

スガイシネプレックス札幌劇場 ほかで上映中 


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映画 『愛を読むひと』



愛を読むひと
1958年、大戦後のドイツ。15歳のマイケルは年上のミステリアスな女性ハンナと
激しい恋に落ちた。ハンナはマイケルに本の朗読を頼み、いつしかそれが二人の愛の
儀式となっていたが、突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生のマイケルが
傍聴した裁判で観たのは、戦時中の罪に問われるハンナだった。彼女は「ある秘密」
を守るために、不当な証言を受け入れる。


何年も前に原作を読んだことをすっかり忘れていたのですが
こんなに奥深い作品だったとは...。 ただの恋愛モノではない、
登場人物たちの複雑な心情はみごとに描いた秀作映画。

物語は大人になった主人公マイケルの回想形式で語られる。
前半は少年と年上の女性とのリアルな愛の形が描かれ、後半
ある事実によって物語は一編し、さらに引きこまれる。

ハンナが隠し続けた「秘密」は切なく、守り続けたプライドは
痛いほど良く分かる。 真実を知って苦悩するマイケルの姿も
切なく、胸を締め付けられる。
マイケルが朗読テープに込めた静かな愛に号泣。

ケイト・ウィンスレットが、30代から60代までのハンナを熱演。
強さと悲しさを秘めた抑え目の演技が素晴らしい。
ケイト・ウィンスレットのリアルな演技はハンナそのもの。
81回アカデミー賞で主演女優賞の受賞も納得。

初々しい15歳と青年になった23歳のマイケルをナイーブに演じた
デビッド・クロスも良かったが、ハンナとの出会いによって屈折した
大人となったマイケルを演じたレイフ・ファインズの憂いの表情や
静かな演技が素晴らしい。

最高のスタッフ&キャストに最後まで惹きつけられた。
改めて原作 『朗読者』 を読み返そうと思う。

原題:The Reader
監督:スティーヴン・ダルドリー (『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』)
原作:ベルンハルト・シュリンク 『朗読者』
出演:ケイト・ウィンスレット/レイフ・ファインズ/ブルーノ・ガンツ/デヴィッド・クロス ほか
上映時間:2時間4分   PG-12
「公式サイト」

札幌シネマフロンティア,ユナイテッド・シネマ札幌 ほか全道で上映中


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