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オランウータン飼育日記&円山四季だより

オランウータン飼育日記&円山四季だより

2008年02月24日 の投稿一覧

気がつかなかったよ。

 弟路郎は果物を与えると大部分の種子を口から出してしまいます。ブドウなどの果

実をいたる所に隠したり、置いてあるので、種は室内全体に蒔かれた状態になってい

ます。その為に掃除もその分時間がかかります。これはたんなるこの子の癖なのか

なと思っていましたが、よく考えると、これはオランウータンの本能なのでした。恥ず

かしいことに今まで気がつきませんでした。本当にお恥ずかしいことです。





 これはザクロの実を食べています。食べているそばから種子を吐き出し、ばら撒い

ています。



 これは柿の種です。へたと種だけは残しますよ。







 この様に床面や台の上等いたる所に種がばら撒かれています。これはブドウで

す。

 
 オランウータンは東南アジアの熱帯雨林に生息しています。一日の大半を樹上で

生活しており、大変多くの果実や葉を必要とします。彼らが生活するのには、人の手

が入らない森が必要です。彼らの食物は森の中に分散して存在しているので、十分

な食物を得るためには長い距離を移動しなければなりません。また、すごく大食漢な

ので、果実がたくさん実っていると思われる木でも一頭しかまかなうができませ」ん。

その結果、たいていオランウータンは単独で生活しています。寝る時も樹上に毎日巣

を作ってその中で寝たりします。 
 

 熱帯雨林の環境を有効に利用し、食物を十分に獲得しようとして進化してきた彼ら

は、食物や身を隠す覆いとして植物を必要としています。オランウータンのような果

実食者は、食べた種子のを吐き出したり、糞として排出して、種子の散布に貢献して

いるのです。現地語で「森の人」とも言われているように熱帯雨林に欠かす事のでき

ない動物です。植物をふやす、まさに「森を作る人々」であり森林を維持・発展させる

ために欠かせない動物なのです。もし植物を供給する樹木の数が半減すれば、動

物の数も半減するでしょうね。現在、毎日、森林が破壊され続けています。


 屋外施設を今、改築中ですが、完成した時には弟路郎は毎日せっせと種を蒔いて

くれるでしょう。    コンクリートから土へ。

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