誇りと絆
Posted by zoozakki on 2010年10月8日(金) 21:50
ども。また書きます。
ついにレディ、群れに復帰です。
祐川飼育員、すごい・・・。
かなりかわいいレッサー親子(写真と本文は関係ありません)
若輩な私がその偉業についてとやかく言うことはありません。4年半もの年月のまさに命がけの復帰訓練の詳細は飼育員ブログ「円山動物園のチンパンジーたち」で紹介されています。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_lady/
以下は我が円山動物園のホームページに載っている解説です。
『野生のチンパンジーは、複数のオス・メスと子どもたちからなる20~100頭程度の群れで暮らしています。子どもは大人たちの行動を見て、繁殖行動や採食行動、コミュニケーションのとり方や群れの中でのルールなどを学習しながら成長します。』
この一文を見ただけで、人口哺育で育てられたチンパンジーが群れに復帰することのむずかしさが伝わってきます。
レッサー団子 笑
ましてやワシントン条約付属書I類に分類される絶滅危惧種。群れに戻れなければ、繁殖も期待できないことはもちろん、この先の長い人生(チンパン生?)仲間と一緒にいられないレディが幸せだとは思いません。
ほんの数年前、円山動物園は入園者数の減少に歯止めがからず、存続を含めた議論の渦中にありました。そこでもういちど動物園の原点に返り、公立の動物園として伝えていきたいこと、伝えなければならないことなどを議論し、持続可能な経営方針などを盛り込んで札幌市円山動物園基本計画として策定しました。
低迷に大変怒っているヤマトくん(こどもの頃)
その中に「円山メソッド」というものがあります。これは段階的展示導入方式といい、
「動物園における動物展示や環境教育展示には、様々な手法や考え方があるが、これらは時代とともに変化し、その評価も変わるものである。
円山動物園では、展示の目的とそこで提供されるべき価値により優先順序を設定し、その時代ごとに必要とされる展示手法を柔軟に取り入れながらも、着実に上位目的にたどり着けるよう、独自の「段階的展示導入方式(円山メソッド)」を実施する。」
Ⅰ.動物が快適に過ごしやすい環境づくり
↓
Ⅱ.お客様がくつろぎ近くで見られる環境づくり
↓
Ⅲ.通り過ぎるだけでなく体験・感動できる
↓
Ⅳ.環境や命の大切さを学べる
というものです。(詳細はこちらhttp://www.city.sapporo.jp/zoo/info/keikaku/kihonkeikaku.html)
この円山動物園が採用している展示方式の一番根底にあるものそれが「動物が快適に過ごしやすい環境づくり」です。「生き生きとして幸せそうに動物たちが過ごせる環境」を実現し、それを見た市民の皆様が楽しい、うれしい気持ちになる。それが円山動物園の一番根っこにある大事にしていかなければならないことです。
幸せそうに寝るシンリンオオカミ一家
今日もチンパンジーの群れと一緒にいるレディは楽しそうに遊んでいました。
祐川飼育員の「絶対に群れに返す」という固い意志と、命がけの復帰訓練がなければ実現はしなかった光景でしょう。
この先もレディにはいろいろな困難が訪れるでしょうが、もう群れの仲間がいます。母親の亡くなったレディに普通のチンパンジーとしての幸福な日々を与えたのはもちろん、それを見ているすべての人が楽しい、うれしい、そして幸せな気持ちになる。
・・・そんなことをやってのけた飼育員たちと、そしてそれを実現した円山動物園を誇りに思います。
オレ、そんなとこに来たの?誉めすぎじゃね?と昨日到着したグラントシマウマの飛馬(ひゅうま)くん
円山動物園はいまだ改革の途中です。
入園者数の回復も改革の成果もあると思いますが、ホッキョクグマの双子などの動物の魅力に後押しされた感はいなめないと思います。
本当の意味での地力をつけ、本当の意味での成功は、市民の皆様が「円山動物園は札幌市が誇る「人と動物と環境の絆をつくる動物園」だ。」とアツく語っているのを聞いた時。と心に秘めて、少しでもその役にたつことができれば、とちょっとアツく思ってたりします。
ちょっとアツすぎじゃない!?とピリカ嬢
※今日のきのこ(まじめな話を書いてもやりますよ!)
このジャガイモみたいなきのこは・・・おそらく『ノウタケ(仮)』でしょう。
園内結構いっぱい生えてます。成熟してくると皮がめくれあがるようになり、
臭いにおいがします。
オランウータンブログの吉田飼育員がかなりいいきのこ達をみつけてましたね!
負けていられません!(かなり負けてますが・・・)
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