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映画 『キャタピラー CATERPILLAR』
Posted by bluestar on 2010年7月29日(木) 12:55
かれこれ一週間前になりますが...
第60回ベルリン国際映画祭にて主演の寺島しのぶさんが
「銀熊賞(最優秀女優賞)」を受賞した事でも話題となった、
若松孝二監督作品 『キャタピラー CATERPILLAR』 の
舞台挨拶付き特別先行上映に参加してきました。
予告を観ていたので、ある程度 覚悟して観賞しましたが
前作 『実録・連合赤軍~』 に続き、 強烈な衝撃を受けました。
本作は、戦地で四肢を失った夫と、その妻の葛藤を通して
戦争の愚かさと悲しみを描いており、上映後に 「戦争はただの
人殺し」と熱く語ってくれた若松監督の 「反戦」 への強い
メッセージがストレートに伝わる、理屈ぬきにスゴイ作品でした。
戦争は本当に愚かな事...。
当たり前のことだけど、決して忘れてはならないことを、
改めて痛感させられました。
個人的には、寺島しのぶさん演じるシゲ子という、戦争に
翻弄されたひとりの女性の人間ドラマとしても見応えがあり、
久蔵を演じた大西信満さんと寺島さんの迫真の演技に
ただただ圧倒されました。
お2人は、『赤目四十八瀧心中未遂』 で共演されていますが、
この作品や 『ヴァイブレータ』 以来、主演作は欠かさず観て
いる大好きな女優さんのひとりである寺島しのぶさん。
今回の舞台挨拶はとても楽しみにしていました。
実は、『愛の流刑地』 の試写会で拝見して以来、今回が
2度目となる生・寺島さん。 前回は、トヨエツに気をとられ
つつ 「サバサバした人」 というイメージだったのですが、
今回シアターキノさんのコンパクトな劇場で間近で見た
寺島さんは、黒のワンピースに身を包み、しっとり落ち着いた
女優オーラ漂う素敵な女性でした。
寺島さんの本作を含めた演技力と、観る者を惹きつけてやまない
存在感に今後も目が離せません!
エンディングに流れる、元ちとせさんの反戦歌「死んだ女の子」 も
お聞き逃しなく。 ズッシリ心に響きます。
戦争知らない世代は、絶対見ておくべき映画です!
監督の意向で、一般は1300円 (前売り1000円)、学生は500円と
ロープライス。 読み応えのあるパンフレット(1000円) も是非!
■8月14日(土)より シアターキノ にてロードショー
【キャタピラー CATERPILLAR】
監督:若松孝二
出演:寺島しのぶ/大西信満/吉澤健/粕谷佳五/増田恵美/河原さぶ
石川真希/地曵豪/ARATA/篠原勝之 ほか
上映時間:1時間24分 <R-15>
「公式サイト」
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映画 『さんかく』
Posted by bluestar on 2010年7月19日(月) 19:36
予告を観るたび、倦怠期カップル+彼女の妹の奇妙な
関係が気になってしょうがなかった作品 『さんかく』。
吉田監督が来札ということで、ワクワク初日鑑賞ですっ。
ホンワカ恋愛モノを想像していたら、イイ意味で
裏切られました。 好きだなぁ、この作品。
それぞれのキャラクターが笑っちゃうほどイタくて
情けないんだけど、妙に共感できる部分もあって
他人事とは思えないリアルさが面白い。
『純喫茶磯辺』 といい、吉田恵輔監督って
愛らしいダメ人間描写が上手すぎる!
そしてなんといっても、3人のキャスティングが絶妙。
女子目線で見るとキーっ!となっちゃうような
生まれ持った小悪魔キャラ・桃を演じたヒロインの
小野恵令奈ちゃんは、童顔に鼻にかかった声に
あのBODY...完全に反則でしょう(笑)
(ちなみに、AKB48を脱退して海外留学するようなので、
本作が貴重な出演作になったりするのかなぁ?)
男前なのにダメ男・百瀬を好演した高岡蒼甫くんは
演技の幅を感じたし、佳代を演じた田畑智子ちゃんの
イタい女っぷりは最高だった。
なんといってもラストの笑顔...女って怖すぎ。
うれしいことに上映後、吉田恵輔監督のトークがあり、
パンフレットにサインを頂きました。 ニャンコが監督に似てるかも(笑)
作品には、実体験や周りの人間に起こった出来事を
盛り込んでいるそうです。 (ヒロインは監督の願望らしい...)
なるほどっ! 監督の作品がリアルで生々しい訳だ(笑)
○でもなく、×でもない。△な人間模様を描いた
作品ですが、総合評価は、◎(二重丸)!
吉田恵輔監督の次回作も期待してます!
【さんかく】 「公式サイト」
百瀬と佳代のカップルは、お互いに説明できないわだかまりを抱えたまま、
だらだらと同せい生活を続けていた。そんなある日、佳代の中学生の妹・桃が
夏休みの間を利用して2人の家に転がり込んでくる。桃の大人びた素振りに
動揺する百瀬に対し、佳代は日に日に不信感を募らせていく。
監督・脚本:吉田恵輔
出演:高岡蒼甫/小野恵令奈/田畑智子/矢沢心/大島優子
太賀/赤堀雅秋 ほか
上映時間:1時間55分
■シアターキノ にて上映中
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映画 『BOX 袴田事件 命とは』
Posted by bluestar on 2010年7月15日(木) 06:30
昭和41年、静岡県清水市で放火により一家四人が
殺害された「袴田事件」を基に、苦悩する裁判官の
姿を通し、人を裁くことの困難と命の尊さを描いた
人間ドラマ 『BOX 袴田事件 命とは』 を観賞。
恥ずかしながら、この映画を知るまで事件のことを
知らなかったのですが、日本でも裁判員制度が導入
され、「人を裁く」ということが他人事ではなくなった
今だからこそ、しっかり観ておこうと思った作品です。
萩原聖人さん、新井浩文くんの好演が印象に残り
ましたが、重いです...。
現在も収監されている袴田さんを思うと、やりきれない
気持ちでいっぱいになり、人が人を裁くことの難しさを
深く考えさせられました。
映画的に、ラストの方の演出は余計だったように思い
ますが、一人でも多くの人に本作を観てもらって
事件について知ってもらいたいと思います。
【BOX 袴田事件 命とは】
昭和41年、放火された工場から一家4人の刺殺された焼死体が発見される。物証も
少ないまま、元プロボクサーで工場の従業員・袴田巌が容疑者として逮捕されるが、
かたくなに犯行を否認していた。だが拘留期限3日前に一転自白し、巌は起訴される。
熊本典道が主任判事として裁判を担当することになるが、巌は第1回公判で起訴事実を
全面否認し、以後一貫して無実を主張する。自白の信憑性を疑った典道は、供述調書
を調べ始める。
監督:高橋伴明
出演:萩原聖人/新井浩文/葉月里緒奈/村野武範/保阪尚希
ダンカン/須賀貴匡/中村優子/雛形あきこ/大杉 漣/國村 隼
志村東吾/吉村実子/岸部一徳/塩見三省/石橋 凌 ほか
上映時間:1時間57分
「公式サイト」
■シアターキノ にて上映中
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映画 『冷たい雨を撃て、約束の銃弾を』
Posted by bluestar on 2010年7月11日(日) 20:23
前作 『エグザイル/絆』 がとっても面白かった
ジョニー・トー監督の最新作は、フランス・香港合作の
ノワール・アクション。
異国の地で暮らす最愛の娘が襲われ、その家族を
何者かに殺された男が3人の殺し屋とともに復讐に
挑む物語。
主演は 『列車に乗った男』 のジョニー・アリディ。
渋いっ、渋すぎる!
彼の娘役は 『サガン』 のシルヴィー・テステューじゃないの。
出番は少ないけれど存在感大。
殺し屋3人はジョニー・トー監督作品おなじみの常連、
アンソニー・ウォン、ラム・カートン、ラム・シュー。
相変わらず、男たちがカッコ良すぎっ!
スタイリッシュで計算されつくした立ち位置やカメラアングル...
ジョニー・トー監督に「男」を撮らせたら天下一品ですね。
ストーリー的には、テンポの良い前半に比べ、中盤に
失速したのは残念ですが、いちいち渋カッコイイ男たちを
愛でるだけで大満足っ。 ジョニー・トー監督、ごちそうさまっ(笑)
【冷たい雨に撃て、約束の銃弾を】
表向きはフランス料理店のオーナーだが、腕利きの殺し屋だった過去をもつ男、
コステロ。 彼は香港で暮らす最愛の娘と、その家族が何者かに惨殺されたことを
知らされ、総てを投げ打って単身香港へ乗りこむ。 異質な存在でしかない彼に
娘家族の襲撃者の正体を掴む術もなく、運命が巡り合わせた3人のマカオの
殺し屋達と手を組み、復讐劇が始まる。
原題:Vengeance 復仇
監督:ジョニー・トー
出演:ジョニー・アリディ/アンソニー・ウォン/ラム・カートン
サイモン・ヤム/ラム・シュ/シルヴィー・テステュー ほか
上映時間:1時間48分 <R-15>
「公式サイト」
■シアターキノ にて上映中
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映画 『コロンブス 永遠の海』
Posted by bluestar on 2010年7月11日(日) 20:17
世界最高齢の映画監督 マノエル・ド・オリヴェイラの
作品 『コロンブス 永遠の海』 を観てきました。
「コロンブス=ポルトガル人」説を唱えた歴史家と
その妻の旅路を描いた物語。
現在101歳(撮影当時99歳)のオリヴェイラ監督の
視点とはどんなものかと興味津々だったのですが、
美しくもゆったり淡々と映し出される映像に睡魔が...。
老年となった主人公夫婦を演じるのは、オリヴェイラ
監督自身とその夫人。 愛に満ちた会話が微笑ましい。
【コロンブス 永遠の海】 「公式サイト」
1946年、マヌエルはリスボンからニューヨーク行きの船に乗ろうとしていた。
数年後、ポルトガルに戻ったマヌエルはシルヴィアと結婚し、歴史研究者でも
ある彼は、「コロンブスはポルトガル人だった」という仮説を立証しようと新婚
旅行を兼ね、コロンブスの生誕地と考える町へ向かう。47年後のアメリカ、
年老いたマヌエルとシルヴィアはニューヨークにいた。彼らは自分たちの人生と
過去のポルトガル人の郷愁を重ね合わせていた。
原題:Cristovao Colombo O ENnigma
監督・脚本:マノエル・デ・オリヴェイラ
出演:リカルド・トレパ/レオノール・バルダック
マノエル・デ・オリヴェイラ ほか
上映時間:1時間15分
■シアターキノ にて上映中
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カテゴリー: 映画 '10|タグ: コロンブス 永遠の海, コロンブス永遠の海, シアターキノ, ポルトガル, マノエル・デ・オリヴェイラ, 中央区, 映画, 札幌, 札幌市, 洋画
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