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*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『シアターキノ』タグの付いた投稿

映画 『息もできない』



去年は 『チェイサー』 や 『母なる証明』 など、
次々と秀作を生み出す韓国映画界で、これまた
スゴイ作品の登場です。

世界各国の映画祭で賞を受賞した話題作 『息もできない』。

なんといっても監督・主演・脚本・編集・制作をこなした
ヤン・イクチュンの才能に驚かされる。

これが長編デビューとは思えない恐るべき完成度の高さ。
息もできないくらい痛くて切なくて...久しぶりにガツン
と頭を殴られたようなスゴイ映画!

ストーリーは、父への怒りと憎しみを抱えて社会の底辺で
生きる情け容赦ない借金取りのサンフンが、心の傷を隠し
ながら生きる勝気な女子高生・ヨニと出会ったことで少し
ずつ変わっていく人間ドラマ。

冒頭から、暴力でしか自分の気持ちを表現できない
サンフンのやるせない思いを象徴するかのように
激しい暴力シーンと汚い言葉のオンパレード。

嫌気がさすと思いきや、徐々に登場人物の過去や背景を
浮かび上がらせる巧みな演出に惹き込まれまくり。

いかにもチンピラ顔のサンフンが、1人の弱い人間として
愛おしく思えてくるから不思議。 

そしてサンフンとヨニの友達でも恋人でもない微妙な
2人の関係の描写が素晴しい。

言葉を交わさなくても自然と分かり合える2人の
夜の漢江のシーンは、ラブシーン?以上に美しく
胸を締め付けられ、涙、涙。

一見地味なヒロイン・ヨニ役のキム・コッピちゃんの
ときおり見せる笑顔が可愛かったなぁ。

ラストは韓国映画らしいのですが...なんともやるせない。

息もできない   「公式サイト」
父への激しい怒りと憎しみを抱き、社会の底辺で生きるサンフンはある日、
心の傷を隠しながら生きる勝気な女子高生ヨニと出会う。理由もなく強く
惹かれ合う2人だったが、徐々に彼らの運命の歯車が狂いだす。


原題:Breathless
監督・製作・脚本・編集:ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン/キム・コッピ/イ・ファン/チョン・マンシク
    ユン・スンフン、キム・ヒス、パク・チョンスン ほか
上映時間:2時間10分   <R-15>

■シアターキノ にて上映中


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映画 『カケラ』



先週、安藤モモ子監督のトーク&ティーチインをUP
してから1週間も経ってしまいましたが...
映画の感想をご紹介。

本作を観ようと思ったきっかけはズバリ、『愛のむきだし
クヒオ大佐』 の満島ひかりちゃんが出演しているから。

本作でも期待通りの女優魂をみせてくれるひかりちゃんも
スゴイのですが、彼女以上の存在感をみせるのが
もう一人のヒロイン中村映里子ちゃん。 
この2人のキャスティングは絶妙です。

物語は、何となく彼氏と付き合っていたり、何となく
生きている女子大生・ハルが、対照的な性格のリコと
出会い性別の枠を越え、人として成長していく姿を描く。

女同士の恋愛を描いていますがイヤラシさはまったくありません。 
女性の監督らしく、女の子の揺れる心情が繊細かつリアル。
印象的なセリフも多く、安藤モモ子監督の感性やセンスを
ビシビシ感じました。 

自分はどちらかといえばハルタイプなので、
ストレートな性格のリコに憧れます。
でも、ずっと一緒にいたら押しつぶされそう...。 

カケラ   「公式サイト」
平凡な女子大生のハルは、ボーイフレンドはいるけど、どこか満たされない、
何かが足りないと日々を感じていた。そんなある日、ハルは喫茶店で、人の身体の
パーツを作るメディカルアーティストのリコに出会う。ともに時間を過ごすうち、リコは
大胆にもハルに好意を寄せるが、ハルはそんなリコに戸惑いを隠せずにいた。


監督・脚本:安藤モモ子
原作:桜沢エリカ 「ラブ・ヴァイブス」
出演:満島ひかり/中村映里子/永岡佑/光石研/根岸季衣
    志茂田景樹/津川雅彦/かたせ梨乃  ほか
上映時間:1時間47分

■シアターキノ にて上映中 


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映画 『クロッシング』

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北朝鮮の現実をリアルに描いた韓国映画
『クロッシング』 を観てきました。

脱北者100人以上に取材し、メインスタッフやエキストラに
脱北者を起用したり、秘密裏に撮影されたという渾身の一作。

脱北がテーマとなっているので、重い内容を覚悟
して観賞。 確かに重い内容ですが、映像が美しく
映画として見応えのある素晴らしい作品でした。

上映中は重くやるせない内容に泣くに泣けず。
安堵からかエンドロールと共に涙がボロボロ...。
改めてこの国に生まれた幸せを深く感じました。

同じアジアの国でありながら 近くて遠い国、北朝鮮。
自分は何も出来ないけれど、現実から目を背けず
知ることが大切だと思う。 
観るべき映画を上映してくれたシアターキノさんに感謝。

クロッシング   「公式サイト」
北朝鮮の炭鉱町に住む元サッカー選手のヨンスは、妻ヨンハと11歳の息子ジュニと
ともに、貧しいながらも幸せな日々を送っていた。しかし、ヨンハが肺結核に倒れ、
ヨンスは治療薬を手に入れるため中国へ向かう。決死の覚悟で国境を越えたヨンス
は、必死に働いて薬を手に入れようとするが、北朝鮮では夫の帰りを待ちながら
ヨンスが静かに息を引き取る。孤児となってしまったジュニは、父との再会を信じて
国境を目指す。


原題:Crossing
監督:キム・テギュン
出演:チャ・インピョ/シン・ミョンチョル/ソ・ヨンファ/チョン・インギ
    チュ・ダヨン ほか
上映時間:1時間47分

シアターキノ にて上映中 


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『カケラ』 安藤モモ子監督 トーク&ティーチイン!



本日からシアターキノさんで公開の映画 『カケラ』 を観てきました。

初日から張り切って観に行った訳は、本作でデビューを飾った
安藤モモ子監督のトーク&ティーチインがあるから!

映画レビューは後日UPしますが、女子の赤裸々な日常を
繊細に描いた作品。 「カケラ」というタイトルが絶妙ですっ。 


ジャーン、安藤モモ子監督です!
※写真OK、ブログOKといことで、UPさせていただきました。

安藤監督の妹は、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の安藤サクラちゃん。 
そう、奥田瑛二さん・安藤和津さん夫妻の長女なんですねぇ。

サバサバとした気持ちの良いトークから、男前でパワフルな
印象を受けました。 
イメージカラーでいうと 「赤」や「オレンジ」の情熱的で元気な
印象を受けたのですが、この日の服装が全身「黒」だったので
何色にも染まらない強さも感じる 魅力的な方でしたよぉ。

トーク時間が短かったのが本当に残念っ。
もっともっとお話を聞きたかったです。



今回の全国行脚?は自費とのこと!
北海道に長期滞在したこともあり、北海道が大好きなんですって。
ポストカードにも素敵なメッセージが書かれていて、道産子の
ハートをわしづかみです。 コレは応援しなくちゃでしょっ!

先週から映画はいろいろ観ているのですが、レビューが
追いつきません...。マイペースで頑張ります。



映画 『アイガー北壁』



前人未踏のアルプス連峰の難所・アイガー北壁に
挑んだ、実在の若きドイツ・オーストリア人登山家達
4人の軌跡を描いたドイツ映画 『アイガー北壁』 を
オジサン達に混ざって観てきました。

正直なところ本格的な登山経験はないし、興味も
ないのですが、山岳映画はキライじゃありません。

映画は、アイガー北壁のリアルな映像に、
ただただ圧倒されました。 
自分も登攀しているような臨場感。
過酷な状況と緊張感に思わず力が入り、
観賞後は少々ぐったり。
寒くて痛々しくて観ているのが苦しかった。

なんで山に登るんだろう? 
「そこに山があるから」と言われても、
その心境は理解できないなぁ...。

見応えのある作品ですが、ヒロインの存在は余計だったかも。

アイガー北壁   「公式サイト」
1936年のナチス政権下、政府は国家の優越性を世界に示すため、ドイツ人が
アルプスの名峰・アイガーの北壁を初登頂することを熱望していた。そんな国家の
期待を背負い、4人のドイツ人青年とオーストリア人青年が北壁登頂に挑むが、
彼らを過酷な運命が待ち受けていた。


原題:Nordwand
監督:フィリップ・シュテルツェル
出演:ベンノ・フュルマン/フロリアン・ルーカス/ヨハンナ・ヴォカレク ほか
上映時間:2時間7分

■シアターキノ にて上映中


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