札幌100マイル

*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『シアターキノ』タグの付いた投稿

映画 『彼女が消えた浜辺』



浜辺にバカンスに訪れた若い女性の事件をきっかけに、
人間の複雑な内面が暴かれるヒューマン・ミステリー。

2009年ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を
受賞したイラン映画。

イラン映画といえば、『運動靴と赤い金魚』 や
アッバス・キアロスタミ監督の『友だちのうちはどこ?』
など、子供を主人公にした素朴な作品のイメージが強い
のですが、本作は中流階級の男女がバカンス先で事件に
巻き込まれる心理サスペンス。

タイトルから期待した、ミステリー要素は物足りない
ですが、登場人物の心理描写は秀逸。
イランの文化や習慣、価値観なども興味深い。

それにしても、セピデー役のゴルシフテェ・ファラハニーや、
エリを演じたタラネ・アリシュスティが本当に美しい。
レバノン映画の 『キャラメル』 といい、アラブ系は美女が
多いですねぇ。

彼女が消えた浜辺
テヘラン近郊の海辺のリゾート地にバカンスに訪れた男女の中に、セピデーが
誘ったエリもいた。トラブルに見舞われながらも初日は楽しく過ぎ、2日目に
事件が起きる。海で幼い子どもがおぼれ、何とか助かったものの、エリの姿が
こつ然と消えてしまっていた...。


英題:About Elly
監督・脚本:アスガー・ファルハディ
出演:ゴルシフテェ・ファラハニー/タラネ・アリシュスティ
    シャハブ・ホセイニ/メリッラ・ザレイ ほか
上映時間:1時間56分
「公式サイト」

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映画 『100歳の少年と12通の手紙』



11月末に観たはずなのにレビュー放置しまくり...。
さて気を取り直して行ってみよう。

地上5センチの恋心』 のエリック・=エマニュエル・
シュミットが、自身のベストセラー小説を映画化。

余命わずかな少年オスカーと、口は悪いが心優しい
ピザ屋の女主人ローズとの交流を描いた一作。

物語は子供の難病モノですが、ファンタジーを盛り込んだ
お涙ちょうだい映画じゃないところが良い。

なんといっても、オスカー少年を演じたアミール君の
抜群の演技とカワイイ笑顔に魅了されまくり。

人生を楽しむセンスと愛に溢れたローズとオスカーの
やり取りにほっこり。 
生きることの大切さがいっぱい詰まった作品です。

セリフや色づかいなど、フランス映画らしいセンスに溢れ、
シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』 の
ミシェル・ルグランの ♪音楽♪ も最高です。

100歳の少年と12通の手紙
はれものに触るような態度の大人たちに幻滅していた余命わずかな10歳の少年
オスカーにとって、口の悪い宅配ピザ屋の女主人ローズだけが、自分に正直に
接してくれる唯一の大人だった。オスカーの希望で12日間毎日、オスカーの元を
訪れることになったローズは、1日を10年と考えて過ごすこと、そして毎日神様に
手紙を書くことを教える。


原題:Oscar and the Lady in Pink
監督・脚本・原作:エリック=エマニュエル・シュミット
出演:ミシェル・ラロック/アミール/アミラ・カサール
    ミレーヌ・ドモンジョ  ほか
上映時間:1時間45分
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映画 『約束の葡萄畑 ~あるワイン醸造家の物語~』



『クジラの島の少女』 『スタンド・アップ』 の女流監督
ニキ・カーロが、エリザベス・ノックスのベストセラー
小説を映画化。

ナポレオン帝政時代の19世紀初頭を背景に、ワインの
名産地ブルゴーニュでオリジナルのワイン造りに執念を
燃やす農夫の姿を描いた作品。

誰も味わったことのない自分のワインを作りたい!と
ワイン作りに命をかけた男の物語は興味深いのですが、
ファンタジー色が強く、違和感が残る。
どうもアノ天使の役割が理解できなかったなぁ。

その天使を演じたのが、『ハンニバル・ライジング』の
ギャスパー・ウリエル。 そして、主人公ソフランを
演じたのが 『ロルナの祈り』 『夏時間の庭』 の
ジェレミー・レニエ。 イケメン2人の共演は美しい
のですが、あの絡みはナニ?(笑)

『クジラの島の少女』で主演したケイシャ・キャッスル=ヒューズ
ちゃんが脱ぎっぷりのいい大人になっていたのはビックリだし、
オーロラを演じるベラ・ファーミガのテイスティングシーンが
官能的で美しすぎっ。

鑑賞後は、ワインを飲みたくてたまりません...。

約束の葡萄畑 ~あるワイン醸造家の物語~
最高のビンテージワインを造ることを夢見る農夫ソブランは、ある真夏の夜、
天使のザスに出会う。さまざまなことを語り合った彼らは再会を誓い合い、
1年後にその約束を果たす。そして、ザスは毎年同じ日の夜に会うことを
条件に、ソブランにワイン造りの助言をするが...。


原題:The Vintner's Luck
監督:ニキ・カーロ
出演:ジェレミー・レニエ/ギャスパー・ウリエル/ヴェラ・ファーミガ
    ケイシャ・キャッスル=ヒューズ  ほか
上映時間:2時間6分   <PG-12>
「公式サイト」

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映画 『乱暴と待機』



タイトルからシュールな匂いがプンプンの本作は、
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』 の原作者として
知られる劇作家・本谷有希子さんの同名戯曲を、
パンドラの匣』 の冨永昌敬監督が映画化。

お2人の作品と相性がイイし、4人の出演者に
惹かれて初日鑑賞。

...スゴイ、強烈っ(笑)

オタクな浅野クンの変態っぷり、上下スウェット&メガネが
妙にエロい美波ちゃんのドMっぷりに、小池栄子ちゃん
のドSっぷり、ヒモ男・山田孝之クンのダメダメっぷりも最高!

呆れるくらい不器用な人たちにイライラしつつ、人間の
本質を観ているようで、何だか憎めないし、最後まで
目が離せない。

でも、どのキャラとも友達になりたくないですっ(笑)

乱暴と待機
血の繋がりがないにもかかわらず、なぜか「お兄ちゃん」と「妹」という関係性の中で、
2段ベッドが据えられた狭い部屋に暮らす山根英則と緒川奈々瀬。 ある日、彼らの
近所に一組の夫婦が引っ越してきたことで、2人の関係性に変化が生じる。


監督・脚本・編集:冨永昌敬
原作:本谷有希子
出演:浅野忠信/美波/小池栄子/山田孝之  ほか
上映時間:1時間37分    <PG-12>
「公式サイト」

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映画 『小さな村の小さなダンサー』



日中関係の緊張が続くなか、中国から亡命した
実在のバレエダンサー、リー・ツンシンの半生を
ベースにしたオーストラリア映画を鑑賞。

この映画のタイトルを見たときは、てっきり中国版
リトル・ダンサー』 だと思っていたら...別物っ。

原題は「MAO's Last Danser=毛沢東の最後のダンサー」
タイトルはこっちの方がしっくりきます。

毛沢東の文化革命の時代に翻弄されながらも
バレエダンサーとして成長する主人公の半生を
ドラマチックに描いているのですが、演出があっさり
していて物足りなさを感じました。

とは言うものの、主人公リー・ツンシンをバーミンガム・
ロイヤル・バレエの現役プリンシパル、ツァオ・チー
演じているのでバレエの素晴らしさは言うまでもありませんし、
終盤の思わぬ展開には大号泣...。

久しぶりにスクリーンで観たカイル・マクラクラン
良かったし、中国の歴史の勉強にもなったかも。

ちなみに本作は中国では上映されていないそうです。
本当の意味で開かれた国になる日は、いつになるのだろう?

小さな村の小さなダンサー
1961年、中国・山東省の貧しい村に生まれ育ったリーは、毛沢東夫人・江青の
文化政策により、家族から遠く離れた北京で舞踏学校に通うことになる。愛国心を
あおる厳しいバレエの特訓になじめず落ちこぼれていたが、やがて新天地アメリカで
その類いまれなる才能を開花させていく。


原題:Mao's Last Dancer
監督:ブルース・ベレスフォード
出演:ツァオ・チー/グオ・チャンウ/ホアン・ウェンビン/ジョアン・チェン
    カイル・マクラクラン/ブルース・グリーンウッド/ジャック・トンプソン
    アマンダ・シュル  ほか
上映時間:1時間57分
「公式サイト」

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