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映画 『ベルサイユの子』
Posted by bluestar on 2009年6月18日(木) 22:14
【ベルサイユの子】
都会の生活からドロップアウトし、ベルサイユ宮殿の森の小屋で暮らすダミアン。
ある日、森の中へ迷い込んだ若い母親と幼い男の子に会うが、翌朝、母親が
姿を消す。ダミアンは5歳の男の子・エンゾを育てる決意を固める
ホームレスや失業問題をテーマに、社会からはみ出して
ベルサイユ宮殿の森の中に住むホームレスと、母親に
置き去りにされた幼い少年の交流を通して、フランスの今を
リアルに描いた作品。
セリフが少なく、ダミアン、エンゾ、エンゾの母親ニーナ、3人の
視点を組み合わせ、物語は淡々と進む。 身勝手な大人と、
呆気ないラストは釈然としないが、なぜか心に残る。
お涙頂戴系じゃないのもフランス映画らしい。
映画の魅力は、エンゾを演じたマックス君のつぶらな瞳。
演技を超えた純粋無垢な表情に、もうメロメロ(笑)
ダミアンを演じるのは、名優ジェラール・ドパルデューを父に持ち、
2008年に急性肺炎のため37歳の若さで急逝した、ギョーム・ドパルデュー。
遺作となった本作は、彼の人生と重なり合わせるかのような渾身の
演技が心に残る。 ご冥福をお祈り致します。
原題:Versailles
監督:ピエール・ショレール
出演:ギョーム・ドパルデュー/マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーヴ
ジュディット・シュムラ/パトリック・デカン/オーレ・アッティカ ほか
上映時間:1時間53分
「公式サイト」
シアターキノにて上映中
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映画 『子供の情景』
Posted by bluestar on 2009年6月14日(日) 08:29
【子供の情景】
6歳の少女バクタイは、隣の家の男の子アッバスと同じように自分も学校で勉強したいと
思い立つ。ところが、アッバスから学校に行くためには鉛筆とノートが必要だと教えられる。
そこでバクタイは、家から卵を持ち出し、それを売ろうと町へ向かうのだったが...。
テロや戦争が絶えないアフガニスタンのバーミヤンを舞台に、
学校に行きたいと願う、一人の少女の小さな冒険を通して
子供たちの現状を寓話的に描いた作品。
監督は、弱冠19歳のイラン人女性 ハナ・マフマルバフ。
愛らしく純粋な少女の目を通して、戦争と大人が子供たちに
与える影響の大きさを深く考えさせられる。
タリバンに憧れて「戦争ごっこ」をする悪ガキたちの残酷さと、
主人公バクタイを演じたニクバクト・ノルーズちゃんの健気な
演技が胸を打つ。
原題:Buda as sharm foru rikht
監督:ハナ・マフマルバフ
出演:ニクバクト・ノルーズ、アッバス・アリジョメ ほか
上映時間:1時間21分
「公式サイト」
シアターキノにて上映中
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祭りの喧噪をぬけて...
Posted by bluestar on 2009年6月13日(土) 06:20
札幌の人口密度がUPしていますね...人混みはニガテ。
YOSAKOIソーラン祭りの喧噪を抜け、『kino cafe』 さんで一休み。
やっぱり、ココは落ち着きます。
実は昨日までの限定メニューを滑り込みでをいただきました。
映画にちなんだメニュー 【夏時間の庭 プティフール ティーセット】
3種(紅茶シフォン・ガトーショコラ・カボチャプリン)のプチケーキと
紅茶orコーヒーのセット。
kino cafe さんの手作りスイーツは美味しいなぁ。
週末は街中の人混みを避けて引きこもりたいところですが、
自宅の裏もヨサコイ会場なので、反響音がスゴイ...(泣)
映画 『ウェディング・ベルを鳴らせ!』 100マイル試写会
Posted by bluestar on 2009年6月11日(木) 00:14
【ウェディング・ベルを鳴らせ!】
セルビアの山奥で祖父と暮らす少年ツァーネ。ある日、祖父から「3つの約束」を
果たしに街へ行くように言われ、牛のツヴェトカを連れて旅立つ。そこでツァーネは、
可憐な美女ヤスナに一目ぼれし、あらゆる手で彼女を振り向かせようとするのだが...。
名作『アンダーグラウンド』の鬼才エミール・クストリッツァ
監督によるパワフルな婚活ドタバタコメディ。
ストーリーはタイトルそのままで、いたって単純。
ベタなギャグは好き嫌いが分かれるところですが、
クストリッツァ監督だから許されちゃうかな...。
チャーミングで個性的な登場人物たちに生命力を感じ、
管弦楽器の軽快な音楽にのせて、グイグイ引き込まれる
ハイテンションなハッピームービー。
クストリッツァ映画といえば独特の音楽。
本作の音楽を担当しているのは、凸凹コンビの大きい方
トプズを演じるストリボール・クストリッツァ。実は監督の息子さん。
♪バルカン・サウンド♪の虜に鳴ること間違いなし。
キュートで可愛い顔をした主人公ツァーネ役の
ウロシュ・ミロバノビッチくんが、どことなく「ラッセル・クロウ」に
似ていると思うのは私だけ?
深く考えず、クストリッツァワールドを楽しみましょう。
原題:Promets Moi
監督:エミール・クストリッツァ
出演:ウロシュ・ミロバノビッチ/マリヤ・ペトロニイェヴィッチ
アレクサンダル・ベルチェック/ミキ・マノイロヴィッチ ほか
上映時間:2時間7分
「公式サイト」
6月13日(土)より、シアターキノにてロードショー
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カテゴリー: 映画 '09|タグ: ウェディング・ベルを鳴らせ!, エミール・クストリッツァ, コメディ, シアターキノ, セルビア, ラブコメ, 中央区, 映画, 札幌, 試写会
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映画 『夏時間の庭』
Posted by bluestar on 2009年6月5日(金) 17:48
【夏時間の庭】
画家だった大叔父が遺した貴重な美術コレクションがあふれる一軒家。
その主である母を亡くしたフレデリックら3兄妹は、それぞれの事情を抱えながら、
思い出ある家や美術品をどうすべきかを話し合うことになった。
オルセー美術館開館20周年記念作品。
母が守ってきた家や美術品の相続で揺れる3兄妹とその家族の物語。
愛着があっても思い出だけじゃ生きられない厳しい現実が切ない。
淡々と描かれているが、世代を超えて受け継がれていくものを
教えてくれるラストがじんわり心に沁みる。
タイトル通り、オープンニングから美しい庭が映し出され心地よい。
オルセー美術館が撮影に全面協力しているだけに、作品に
登場する美術品のほとんどが、美術館や個人所蔵から貸し
出された本物を使用している贅沢さ。
日常生活で普段使いされている美術品は、美術館で見るものとは
また違った輝きを放っていたのが印象的。
ジュリエット・ビノシュや母親役をエディット・スコブが演じるなど、
豪華なキャストも見所のひとつ。 中でも、上海に赴任中の次男
ジェレミーを演じたジェレミー・レニエが『ある子供』や『ロルナの祈り』
とは別人のようでビックリ。
家族と過ごした時間や思い出を大切にしたくなる映画でした。
原題:L'HEURE D'ETE
監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス
出演:シャルル・ベルリング/ジュリエット・ビノシュ /ジェレミー・レニエ
エディット・スコブ/ドミニク・レイモン ほか
上映時間:1時間42分 PG-12
「公式サイト」
6月12日(金)まで、シアターキノにて上映
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