札幌100マイル

冬プロレポート~冬の円山動物園から~

冬の動物園プロジェクト、略して冬プロのメンバーが冬の動物園の魅力を発信

RSS 冬プロレポート~冬の円山動物園から~

冬の動物園プロジェクト、略して冬プロのメンバーが冬の動物園の魅力を発信

by winterpj

プロフィール

冬プロレポート~冬の円山動物園から~

冬の動物園って楽しいの?っていうか冬も開園してるの?
円山動物園は冬も元気に開園中!もっと皆さんに冬の動物園の魅力を知って欲しい…そんな気持ちから立ち上がったのが「冬の動物園プロジェクト」略して「冬プロ」です。
冬プロメンバーが冬のイベント情報や見どころ動物など、冬ならではの旬でホットな情報をお届けします!


投稿したブログ数:412件

冬は何の季節?

みなさん、こんばんは。



またまた回ってきました、冬プロブログ。

今回は何についてはなしましょうか・・・・


冬といえば雪合戦、スキー、スノボetc...とヒトの世界ではいろいろありますが、雪国の動物の世界で冬は何の季節でしょう?





ヒントは、春は出産の季節・・・




冬は・・・


こんな季節です









わかりましたか?

そうです。冬は繁殖(交尾)の季節です。
といってもすべての動物が冬に交尾するわけではありません。

ライオンやキリンなどの熱帯地方の動物には、一年中周期的に雌の発情がきて、雄と交尾を行う動物が(通年繁殖)多いですが、日本やロシアなど四季がはっきりしている地域では季節繁殖といって、繁殖の時季が決まっていて、特定の季節にのみ発情がきて、交尾をする動物がたくさんいます。



円山動物園で飼育する動物でいえば、アムールトラやレッサーパンダ、シンリンオオカミもそうですね・・・ではこれらの動物たちはなぜ、寒い冬に交尾を行うのでしょうか?

なんでわざわざ、寒くて餌を少ないこの時期に交尾なんて・・・
そうなんです、冬は寒さが厳しく動物の餌が少なく、出産をして子供を育てるには厳しい季節です。そんな時期に出産をしても生まれてきた赤ちゃんを育てることはできないですよね。

そんなわけで、動物たちは、草木が芽吹き餌が豊富で温かい春を待って出産できるように交尾時期を決めているのです。

多くの小型、中型哺乳動物は妊娠期間が2~4か月程度ですので春4~5月に出産できるように冬の12月~2月に交尾を行うんですね。

また、大型の草食獣などは妊娠期間が非常に長いので春に出産するために、たとえばウマは妊娠期間が約1年ですから、冬ではなく春に発情がきて春に出産するんですね。


このような繁殖時期の違いは動物種の違いだけでなく同種の亜種間でも起こります。たとえばアムールトラは冬が繁殖シーズンと言いましたが、寒い地方に住むアムールトラと違い、1年中温かい地域に住むスマトラトラなどはいつ子供を産んでも餌が豊富なため、一年中発情がきて、1年中繁殖を行います。
しかしアムールトラは夏場は発情がなかったり、よわい発情しか来ない為、冬に子育てをするリスクを回避しているんですね~。なるほど非常に合理的なものですね~


と、ここまで長々と書いてきましたが、字ばっかりですみません。写真をどうぞ



さきほども載せましたが、アムールトラのアイと多摩からやってきたオスのリングです。
12月にリングが多摩から来園して以来、リングはすぐに落ち着いて問題なかったのですが、♀のアイはリングに対し威嚇を繰り返し、常に緊張した状態が続いていました。そのため、このペアで同居できるのかが心配だったのですが1月20日に雌の発情がくると、今までのことが嘘のようにころっと態度が変わり、オスに対して挨拶をしたりすりよったりするようになりました。

そこでこのチャンスにすぐ同居とも思いましたが、大型の猛獣の同居は非常に危険で、場合によってはどちらかが命を落としてしまう危険も付きまといます。そのため、慎重を期して、雌雄の部屋を交換してお互いのにおいを嗅がせるなどしながら、動物の状態を観察し、1月24日に初同居をすることになりました。
一旦同居すると今までの心配が何だったのか?というような感じで、ラブラブ状態で一日に10数回交尾を繰りかえす様子が確認できました。
二度の繁殖実績をもつリングと違って、繁殖未経験のアイはうまく交尾姿勢をとることができず、不完全な交尾が続きましたが、そこは百戦錬磨のリング様。うまくアイを導いてもしかしたらうまくいってんじゃないのというような交尾も確認することができました。
アムールトラの妊娠期間は100~110日くらいです。うまくいけば春には赤ちゃんトラが見られるかもしれませんね~。

トラのほかにもユキヒョウも交尾を確認しましたし、レッサーパンダ、シンリンオオカミとこれから繁殖シーズンに入る動物もまだまだいます。

みなさんも春にはかわいい赤ちゃんが見られることを願って応援して下さいね。
(とはいっても必ず生まれるわけではないですので、動物たちにも飼育員さんにも過度のプレッシャーがかからぬように温かく見守っていてくださいね)

円山ZOO 飼育展示課 伊藤でした~

コメントをどうぞ

メールアドレス (必須・公開されません)
コメント本文

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

  • スパム・迷惑コメント投稿防止のため、メールアドレスの入力が必須ですが、公開はされません。何卒ご協力のほどお願いいたします。
  • 投稿いただいたコメントは管理者のチェック後掲載しておりますので、即時には反映されません。
pageTop