札幌100マイル

円山動物園ブログ

円山動物園の動物の近況や出来事などを綴ります

2009年12月07日 の投稿一覧

たまにはまじめな話

どーも10分以上真面目な事をしていると耐えられなくなる担当者です。今日は仕事中にふと思った事を書きます。

円山動物園の肉食獣の殆どはシカ肉を食べております。
ホッキョクグマもシカ肉を食べています。

たまに以下のようなラベルが貼られてくる時があります。

野生オス4才随分具体的に個体が特定されています。

思えば北海道のシカは一度絶滅しかけ、それから保護し、現在は増え過ぎて駆除しています。人間の都合でそのような状態になっているのですが、シカにしてみればたまったものではありません。

増えすぎて駆除されたシカをララ達は食べているのです。

北海道から狼が絶滅したのもシカが増えている要因です。
その辺りの話はこれから登場するオオカミ博士弓山氏に説明してもらうと致しまして
考えさせられる話題であるなぁと思っていた訳です。

円山もみじ(ララはシカもキャベツも好きです)


それでは弓山博士によります「狼の滅亡と鹿の台頭」のお話ヨロシクお願いします。

新たに北海道に入って来た人々は森を切り開いて耕地や牧場にしました。その結果エゾシカが減ってしまいました。食べ物がなくなったエゾオオカミは牧場の家畜を襲うようになり、困った人々は毒餌などを用いて大量にエゾオオカミを殺しました。また賞金が出されてエゾオオカミの駆除が奨励されたといいます。
 この駆除に加えて、1879年の大雪がエゾオオカミにとどめを刺しました。北海道全域は大雪に見舞われてエゾシカが大量死し、食べ物を失ったエゾオオカミも大量に餓死したと推定されています。この飢饉の年が終わっても、エゾオオカミには個体数を増やすだけの余力はなく、エゾオオカミは歴史の中から消えてゆきます。

捕食者であるエゾオオカミがいなくなったことでエゾシカの個体数を回復。さらに増え続ける要因になっているといわれています。

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