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エゾシカの角を切りました!
Posted by zoozakki on 2016年10月3日(月) 19:49
ブログをご覧の皆さんこんにちは。先日行われたエゾシカの角切りの様子をまとめましたのでご覧ください。
今回角を切るのはオスのアユミとメグムです。
・人懐っこいアユミ 好物はリンゴ
円山動物園では毎年9月末頃に
- 発情期がきたオス同士の戦いを抑えるため
- メスやスタッフ、来園者の皆さんへの危険を防ぐため(角の先端は細いので金網から飛び出すこともあります!)
等の理由から健康診断も兼ねたエゾシカの角切りを行っています。
角を切ったら痛そうだし可哀想…と思われるかもしれませんが安心してください。 この時期のシカの角は血管や神経が死んだ状態の「枯角」と呼ばれ、カルシウムの塊のようなものなので、シカ達は切られても痛くはありません。
まず角切りの準備は前日から始まります。オスを群れから隔離し、食べ物と飲水を断つことで、麻酔下での誤飲(吐き出したものが気管に詰まること)を防ぎます。
・エゾシカ舎裏に隔離されたアユミ
・可哀想だけどガマンしてね
そして次の日、獣医さんに鎮静剤と麻酔薬を投与してもらい、角切り開始です。(鎮痛剤と麻酔薬を両方使うことで体の負担を減らします)
・獣医さんによる投薬(吹き矢)の瞬間 1発で命中、さすがです!
麻酔により動かなくなった後は手早く角を切り、採血、体重測定も行います。 切るときに出る角の粉が目に入らないよう、顔に毛布をかけています。
・完全に血管が枯れており、出血は全くありませんでした きれいな断面図
その後、麻酔から覚めたアユミを群れに戻し、入れ替わる形でメグムを群れから隔離します。 ところが困ったことにアユミよりも警戒心の強いメグムはリンゴをあげてもなかなか隔離スペースに入ってはくれませんでした。(アユミはリンゴをあげるとすぐに入ってくれました)
そこでリンゴよりも嗜好性の高い長芋とペレットで誘導したところ、メグムは涎を垂らしながらゆっくりと隔離スペースに入ってくれました。
・隔離された直後のメグム ペレットの誘惑には勝てず…
・ちょっと悔しそう?な表情
次の日メグムにも麻酔で寝てもらい、角切りと採血及び体重測定を行いました。体重測定の結果はアユミ97kg・メグム93kgでかなり肉付きが良い状態でした。(冬になるとシカの食欲は落ち少し痩せるので、この時期は体重が増加します。単に太っているわけではありませんよ!) 角がなくなった2頭は最初は落ち込んでいるようでしたが、すぐに元気を取り戻し餌を食べていました。
エゾシカの角切の報告は以上で終わりです。 あまり目立たないエゾシカですが、よーく見てみると角のほかにも面白いところが沢山あって楽しいと思います。ご来園のさいにはぜひエゾシカを見に来てください!
アユミ、 メグム、お疲れ様!(写真はメグムです)
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