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冬も暖か
Posted by winterpj on 2011年3月11日(金) 11:20
みなさん こんにちわ。
最近、腹周りがやけに分厚くなってきて、悪い病気かもしれないと心配しているメガネ獣医2号です。
最近来ないなぁとうれしく思っていたら、やっぱり来ましたよ。
ウサギちゃん。
前にお会いした時と比べて随分装飾過多になってきたように思います。
飼育員さんたちからプレゼントされたのでしょうが、いささか統一感のなさも感じます。
南国風の花と、ジャックオーランタンを背負って、クマにサルにキャラメルを抱える姿
はもう何がしたいのかよくわかりません。
田舎から出てきて、周りのお洒落さんに流されすぎて、よくわからない格好になっていた学生時代の自分を思い出します。
と、苦い思い出はさておき、彼だか彼女だかのファッションチェックはこのくらいにして、本題に入ります。
3月になったというのに雪の日が続き、まだまだ寒さも厳しい今日この頃ですが、今日はそんな北国のなかで、熱帯の動物はどうしてるの?という疑問に答えたいとお見ます。
まぁ疑問も何も、暖房入れてるにきまってるんですが、何度くらいなのかな?ということには10人くらいは興味を持つかもしれないので、ご紹介させていただきます。
まずはカンガルー館。
ここにはスローロリスがいます。
アジアの熱帯地域に住んでいる動物です。
あまり動かないので時間がない人には向きませんが、のんびり観察したいという方にはピッタリの動物です。
ガラス張りの部屋で飼育していますが、室内の温度は20度以上をキープしています。
本来の生息地に比べたらやや低めの温度ですね。
ただ、湿度もあるので、実際入ってみると結構ムワっとします。
フラッシュ焚いてごめんよ
続いてこども動物園リスザルドーム
ここの温度は17~18度くらいです。
彼らは南米熱帯気候地域の湿潤な森林地域にすむ動物なので、これも本来の生息地に比べたらちょっと寒いです。
ここにはベンチも設置してあるので、人ものんびりあったかご覧いただけます。
ちょっと臭いがありますが、慣れれば平気です(笑)
次は熱帯動物館。
「熱帯」と名付けられていますが、寒い地方に住むアムールトラやユキヒョウもここにいます。
したがって寒さに極端に弱いマレーバクもいれば、暑さが苦手なトラやユキヒョウもいる。アジアの動物もいればアフリカの動物もいるというなんともジャンル分けしづらい動物舎です。
数年後にはアジア館、アフリカ館が出来て、生息域や気候区ごとに区分けした展示を行うことができるようになりますので、それまではこの混沌とした状況をお楽しみいただければと思います。
話がそれましたが、ここは館内全体を18度以上に設定しています。
観覧場所と区画されていないため、お客さんの出入りで熱気が逃げますし、天井が高いので、なかなか暖房も大変ですが、館内全体の温風暖房に加え、各動物用にパネルヒーターが設置されているので、みんな冬でも元気です。
ベンチも多数設置されておりますので、のんびりご覧いただけるお勧めスポットです。
ダチョウのバロン。人の顔を見ると威嚇してきます。
グラントシマウマの飛馬。目の上の怪我もだいぶ良くなりました。野生の力ってすごいね。
ライオンのリッキー。首周りだけが寒冷地仕様です。
アムールトラのアイ。屋外でも全然平気。
次は類人猿館
人気のオランウータンとちょっと目立たないテナガザルが暮らしています。
いずれもアジアの熱帯多雨林に暮らす類人猿ですね。
彼らも寒さが苦手です。
基本的に冬場は屋内でのみ過ごしています。
特にオランウータンのメスのレンボーは昨年インドネシアから来た個体なので、完全な南国育ち。
今は暖か25度くらいに設定された室内で育児にいそしんでいます。
母の愛は偉大です。頭の上で放尿されても怒るどころか飲んでます。
僕も一時の父ですが、飲めません。
次はモンキーハウス
アジア、アフリカ、南米、マダガスカルなど、色々な地域のサルを集めた比較展示型施設です。
生息域は違えど、いずれも熱帯地域に住むサルたちなので、寒さに弱いです。
室温こそ最低18度くらいと低めに設定されていますが、檻の清掃の際にも屋外には出さず、屋内にいる状態で清掃を行います。
マンドリルのチャールズとシズカ。大変仲の良い夫婦です。子作りに期待しています。
子供も生まれた時からあんなカオなんでしょうか?今度飼育員さんに聞いてみます。
次はチンパンジー館
彼らはアフリカの赤道付近に住む動物です。
ここは21度以上に設定されていますが、屋内放飼場の清掃時などは冬場も屋外で過ごしています。
毛も疎らに生えているだけ、ほとんど裸みたいなものなので寒さには弱いのでしょうが、外でも結構元気に遊んでいます。
弱いんだか強いんだかよくわかりませんが、冬場になると鼻垂らしていることもあるので弱いのでしょう。
スージーおばさん・・・だと思います(笑)
続いて爬虫類館です。
ここはとてもシビアな環境管理が要求されます。
適応能力の高い哺乳類に比べ、爬虫類や両生類は温度や湿度の適応幅が極端にせまく、温度や湿度の変化によって体内のサイクルが狂ってしまうこともあるうえ、動物種によってそれが異なったりするため、飼育員さんも常にこれらの環境を保つよう気を配っています。
ちなみに温度は昼で25度~27,28度、夜で20~23度、湿度は70%をキープするようにしていますが、いかんせん建物が古く隙間風だったり、微調整の難しい暖房であったりと苦労が絶えないようです。
現在新・爬虫類館を建設中ですが、新しい施設ではケージごとに温度や湿度などの環境調整が容易にできるよう、工夫しています。
バックヤードに大量のサボテン多肉植物。(飼育員さんから違うよってツッコミがありました。)
たち新施設用のものでしょうか?
新施設は動物舎内に植える植物にも大変こだわっているようです。
最後に熱帯鳥類館
ここはその名の通り熱帯地域の鳥類を集めた施設ですね。
バードホールには熱帯植物の林のなかに様々な熱帯鳥類が放し飼いにされています。
どのくらいの種類がいるのか僕もいまいちよくわかっていません(笑)
お時間のある方はぜひ木陰の熱帯の鳥たちを探してみてください。
ただ、そのあたりをよく飛んでいるのは勝手に入り込んできて住み着いてしまったスズメなのでご注意を。
熱帯植物の森になっているので、常夏気分が味わえます。
外は極寒ですが・・・
とまぁ、あまり意識したことはありませんでしたが、数えてみると結構たくさんの熱帯動物がいましたね。
写真撮影も途中で心が折れそうになりました(笑)
そりゃ暖房費も嵩むわけです。
でもせっかくなので、ついでに人間のあったか施設もご紹介しておきます。
今まで円山動物園にお越しになられた方はもうご存知とは思いますがお付き合いください。
まず、サル山レストハウス
靴を脱いで絨毯の上でくつろぎながら間近でサルをご覧いただけます。
必死で砂の中の小麦を探しています。
80匹以上のサルがいてどれも同じに見えますが、担当飼育員さんは顔を見ただけで名前がわかるそうです。
僕は3頭くらいしか分かりませんが、間近で時間をかけてじっくり観察すれば顔馴染みのサルができるかもしれません。
わざわざ寄ってきてくれました。彼とならうまくやれるかもしれません。
それともう一つ エゾシカオオカミ舎です。
いずれも寒い地域の動物ですが、人間は暖かい室内からご覧いただけます。
ベンチもあるので5分といわず2時間でも3時間でもゆっくりご覧いただければと思います。
ちなみにオオカミは恋の季節です。
他の季節には見られない姿が見られるかもしれません。
でもあまり驚かすと繁殖に悪影響があるかもしれないので、静かにご覧くださいね。
それでは長くなってしまったうえ、いまいち締りのない教のお話もここまでということで、次のいけにえを探したいと思います。
それではごきげんよう。
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